“安倍首相訪中”見送り…マスコミの誤報は続く!
496回目のブログです。
“吹く風の 涼しくもあるか
おのずから 山の蝉鳴きて 秋は来にけり”
源実朝(鎌倉三代将軍・金槐和歌集)
吹く風がなんと涼しく感じられるものか、するといつのまにか山の蝉が鳴きだして、もう秋がやってきたのだなあ…。
8月も終わりに近づくにつれ、肌に吹く風が何となく涼しく感じられるようになってきました。わたし達は、季節の変わり目の微妙な空気を肌に感ずる感性を大切にする心を日頃より持ちたいものと願っていますが、世の中の荒んだ雰囲気のせいか、どうにも鈍感さから抜けきることができません。
そんな世の中であったとしても、真実を求め、穏やかな絆のなかで心の清らかさに触れ、永き歴史に花咲く高貴の精神を見出すことに喜びを感じたいものです。
さて、前回の小ブログ「“戦後70年談話”をどう読むか!」において、安倍首相は中国の「抗日」戦勝記念式典(9/3)前後の訪中を前向きに検討しているようだと書き、自重すべきではないかと指摘しました。この元になったのは毎日新聞の報道でした。
■ 安倍首相 首脳会談へ9月3日午後訪中 中国側と最終調整
中国政府は9月3日午後に安倍晋三首相の中国訪問を受け入れ、習近平国家主席との首脳会談を北京で開催する方向で日本側と最終調整に入った。3日午前には北京で抗日戦争勝利70年記念行事の軍事パレードが実施されるが、中国側は安倍首相が出席しなくても訪中を受け入れる方針を固めた。
中国側は抗日戦争を戦った相手である日本から首相を招いて「平和の式典」であることを内外に誇示する方針だ。
(8月18日 毎日新聞一部抜粋)
毎日新聞の見出しに「9月3日午後訪中」とキッパリ書かれているからには、よもや、誤報、虚報、捏造はありえないだろうと思い、わたしは、首相の今回の訪中は自重すべきだと述べたのです。
ところが、この記事について他社が追随報道しないので、おかしいなと思っていたところ、実は、この記事は、いわゆる「飛ばし記事」であり、真っ赤な嘘だということが判明しました。
■ 首相、9月初旬の訪中見送り
軍事パレードに抵抗感 欧米と歩調
安倍晋三首相は23日、9月上旬に検討していた中国訪問を見送る意向を固めた。中国政府は、9月3日の「抗日戦争勝利記念日」の行事にあわせた訪中を要請していたが、欧米諸国には、軍拡を進める中国の人民解放軍を観閲することに対する抵抗感が根強く、首相もこれに足並みをそろえることにした。
(8月24日 産経ニュース一部抜粋)
24日に菅官房長官が正式に訪中見送りを発表しましたので、間違いはないと思います。
今回の“誤報”“虚報”について、わたしは次のように考えます。
・昨年8月、クオリティペーパーを自負していた朝日新聞が従軍慰安婦記事の捏造を認め、わが国の名誉を毀損したことで国をあげての大騒動になり、発行部数も大幅減(680万部・前年同期比636,000部の大幅減・700万部をついに割り込む・ABC調査/平成27年上期)になったことに注目しなければなりません。(この数字にはいわゆる押し紙も含まれていますから実態はさらに減少しているはず。ちなみに、読売912万部・毎日328万部・日経274万部・産経162万部)
・朝日をはじめとする新聞社は、昨年の朝日の従軍慰安婦捏造記事事件で目を覚ますべきではないでしょうか。嘘を書いてまで、自虐、反日、媚中・媚韓すれば、新聞販売数が激減することが証明されましたから。
・メディアは事実(the facts)をきちっと押さえてから報道しなければなりません。そうでないならば、自社および記者の勝手な推測とすべきだと思います。飛ばし記事や根拠のない推測記事、そしてガセネタは避けるべきではないでしょうか。誤報・虚報・捏造にならぬような謙虚な姿勢を求めます。
・考えてみてほしい。中国共産党と日本は戦っていないので、安倍首相が本気で9月3日の“「抗日」戦争勝利記念日”の訪中を考えたとは思えないのです。中国から招請されたので一応は検討するそぶりはみせたのでしょう。ところが、なにせ「抗日」ですから…。もしもこの時期に訪中すれば、中国という1党独裁国家の軍事パレードを認め、賞賛したことになり、これでは、カリカチュア(風刺画)そのものであり、安倍首相がピエロに見えてきます。まさか、こんな場面にノコノコ出ては行かないでしょう。
・わが国の大方のマスコミは、歴史の事実検証なくして何が何でも中国や韓国へ謝罪し、膝を屈し、中国の激増する軍拡に目をつぶり、韓国の反日非難に同意することがアジアの平和のためだと考えています。
・年がら年中、そういう自虐反日の社論のなかに浸っているために、自分の見たい情報しか見えず、一定の角度から見た情報だけを極端に大きく取り上げるようになっていると考えざるを得ません。
・たとえば、朝日新聞社内には「角度をつける」という言葉がはびこっています。「事実を伝えるだけでは報道にならない、朝日新聞としての方向性をつけて、初めて見出しがつく」(慰安婦報道 第三者委員会報告)そうです。
・事実だけでは記事にならず、社の一定の方向性に沿うように「角度」をつけ、些細な事案でも、あたかも大問題であるように書く。これがあのクオリティペーパーを自負する朝日新聞社の真相ですから、開いた口が塞がりません。
・そして、その社論、一定の方向性、それはたとえば、反日・自虐・親中・親韓・親朝・反安倍・親リベラル・親サヨク・護憲・9条擁護・市民派・反原発などです。
・したがって、上にあげた毎日新聞のように、訪中の兆候が少しあれば、それは自社の望む方向ですから、裏も取らずに、推測・思い込み・願望の記事を堂々と報道することに躊躇も痛みも感じないのだと思います。
マスメディアは、一定の方向を持っても一向に差支えありません。社の方向、社の論、社の思想、いずれも否定すべきものではないでしょう。しかし、推測・思い込み・願望にもかかわらず、もっともらしい事実として「嘘」をまき散らすのはご免蒙りたいもの。最低限「事実」の報道だけは厳守すべきではないでしょうか。
また、テレビなどは、国の公共財産である電波を優先的に割り当てられているので、当然ながら、勝手な方向、勝手な論、勝手な思想を展開すべきではないことは言うまでもありません。わが国の電波は現在のテレビ会社に利権として超優遇、特権的に与えられており、明確に、国家・社会・国民のための報道でなければならないのです。(英国は電波入札で高額。わが国はほとんどタダ同然の使用料)。しかし、現在のテレビの報道、放映にみなさん納得できるでしょうか。…わたしは大いに不満を持っています。
いずれにせよ、安倍首相は9月3日「抗日戦争勝利記念日」の訪中を見送りました。素晴らしい決断だと思います。
それにしても、メディアは事実の裏をとって報道すべきではないでしょうか。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
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コメント
「メデイアリテラシー」か「情報選択感度」というべきかわかりませんが、いつも通りの特定マスコミ批判眼には、恐れ入ります。それにしても、それだけ批判し、糞味噌に貶しておられる対象をよーく見守っておられることに敬服いたします。不断の注視、観察こそ視野狭窄に陥らない個人としての在り方だということを、学ばせてもらっています。
投稿: kawaski akira | 2015年8月28日 (金) 11時38分