“愛国心”…参議院議員選挙に思う!
539回目のブログです。
“白鳥は かなしからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ”
若山牧水(歌人・明治18~昭和3)
青春多感な牧水が、自らの憧憬である清純な精神や高い志を、白鳥に託して詠んだものであり、人口に膾炙した名歌。口ずさんでみれば、この歌の心地よい調べの中に、天の青と地の青、その青一色に覆われた色彩に漂う清らかな白鳥の静かな哀しみを感ずることが出来ます。
いよいよ参議院議員選挙と都知事選挙が行われますが、今回の選挙より18歳以上の「国民」に選挙権が与えられることになっており、該当する18~19歳の若者の動向に大いに注目したいと思います。
さて、国政選挙においての判断基準はなんでしょうか。それは、ひとつには国の安全・防衛の確保であり、ひとつには国民の福利増大だと言えるでしょう。その意味で、国政選挙は、わが国の方向を決める極めて重要な選挙であることは言うまでもありません。
しかし、今、わたし達は、日本人の「国家」に対する意識がどの辺にあるかを理解しておかねばなりません。昨年公表された権威ある次の調査結果をご覧ください。
【国のために戦う意志があるか】
ある ない わからない
日本 10(%) 43(%) 47(%)
ドイツ 18 62 21
イギリス 27 51 22
フランス 29 44 27
韓国 42 50 8
アメリカ 44 31 25
ロシア 59 20 22
中国 71 23 6
(WIN/Gallup International 2014)
この調査は64ヶ国で行われたものですが、上のデータはその内から一部ピックアップしたものです。これを見れば一目瞭然、日本が「自国のために戦う意志」があると答えた割合が最低であり、それも突出して少ないことを示しています。
さらに、詳細を調べますと、24歳以下で「自国のために戦う意志」がある人は、何とわずかに6%しかありません。これは、自国に一旦危機が迫った時、義勇、公に奉ずる若者の比率が世界で最低のレベルになっていることをあらためて認識する必要があります。
もう1点、注目しなければならないのは「わからない」と回答した人の割合が47%というこれも突出した数字を示しています。わたし達日本人は、ともすれば明確な意思表示を避ける傾向にありますから、このうちののかなりの人は、いざとなれば「国のために戦う」意思を示すのではないかと思われます。(…楽観的に過ぎるでしょうか)
しかし、考えなければならないのは、今や、国際化したグローバルな現代社会においては、明確な意思表示を避けては、他国との交渉で不利になることは明らかです。曖昧な態度で、意思のはっきりしない人は、何をするかよくわからないリスクの高い存在として見なされ、結果的に、国益、業界益、自社益を損なうことに結びつきます。そう考えれば、できるだけ明確な意思を示すように努めなければならないのではないでしょうか。
既に、先の大戦(大東亜戦争・太平洋戦争・第2次世界大戦)から70年を経過し、戦争を経験していない人が圧倒的多くなっています。そのために、一部の人を除き、戦争の実態、戦争が惹起される経緯を学ぶこともないままに時を過ごしてきました。
戦争と平和、人種平等、白人と有色人、奴隷、植民地解放、諸国家独立、イデオロギー、コミンテルン、内戦、大虐殺(ドイツ/ホロコースト・アメリカ/広島・長崎原爆投下)、ユダヤ難民救出、国家理想、経済力と軍事力、顕彰と慰霊……など、本来真剣に学ぶべきであったにもかかわらず、70年間、その機会がほとんど与えられませんでした。
それは、その間、わが国にはびこる反戦・反日・サヨク・リベラルイデオロギーの人々が、メディアや教育の場で「戦争」ということに触れさせないようにしたからに他なりません。
これは、悪い意味での言霊の世界であり、戦争という言葉を発するから戦争が起きるのであり、戦争放棄の憲法9条さえ唱えておけば戦争は決して生じないと信じこんでいることを示しています。そして、その元締めが旧コミンテルン(国際共産主義組織)のような外国勢力であることを理解できず、まさしく9条教というカルト的宗教に酔っている状態が今も延々と続いているのです。
ところが、極めて厳しい現実が、わが日本に着々と覆いかぶさって来ていることは周知のことと思います。今や、連日の如く、中国船(潜水艦・公船・海洋調査船・武装漁船・漁船)がわが国領域である尖閣諸島周辺を巡航しており、つい先日は中国艦船が領海内にまで不法侵入しました。
領海 領土から 12海里( 22km)
接続水域 ∥ 24海里( 44km)
排他的経済水域 ∥ 200海里(370km)
こんな緊迫した状況に直面しているにもかかわらず、わが国マスメディアや政治家、社会のあらゆるリーダーは、70年間の安穏とした気分から抜け出そうとはしません。今ここにある危機!
中華人民共和国は、尖閣諸島領海に不法侵入することで、日本国政府、日本国民の反応を探っているのでしょう。
ところが、政府をはじめ、日本国民やメディアは、機敏な反応、怒りの嵐、制裁の声、反撃ののろし、などを挙げず静かに見守っています。この姿に、中華人民共和国は内心シメシメ、いよいよ時機を見て、尖閣略取のチャンスを狙っていると考えても決して間違いありません。そして、尖閣のあとは沖縄、さらには九州。
このような時勢にあるのですから、若い世代は、国のために戦う強い意志を示してほしい。そして、それを老荘年がバックアップしないと、領土がやすやすと掠め取られること必至だと思います。あらためて、国のために戦う意志がある日本人がわずか10%しかいないこと、若者にはわずか6%しか存在していないことに驚くとともに、うら悲しい思いがしてなりません。
いまや、世界の情勢は戦争を抜きにしては語ることはできないのです。特に東アジアには厄介な国―中国と韓国と北朝鮮―が日本に目を付けており、一瞬たりとも油断はできない情勢です。
18歳、19歳、学生、若者はぜひ歴史を学び、国を亡くして悲しく惨めな状態になってしまった諸民族を想い起してほしいと思います。ごく身近なアジアにある、チベット・内モンゴル・東トルキスタン(ウイグル)などが、民族国家の精神を抹殺させられている悲惨な現実を。
そのためには、日本人として持つであろう自然な愛郷心の先にある「愛国心」に想像力を働かせてほしいと思います。愛国心を自覚すれば、局面の展開を図ることが出来、戦略的な邪悪な力に抗し得るのではないでしょうか。
わが国は危機の真ん中にあり、愛国心の自覚をもとに、わが国を守る意思を固めたいと思う今日この頃です。
楽観視はできません。危機は、今、ここにあるのですから!
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
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