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2016年8月26日 (金)

“戦後71年”…各党の談話を吟味する!

 548回目のブログです

 

  “岩間より 落ちくる滝の 白糸は 結ばで見るも 涼しかりけり”
 
                  藤原盛方
(平安末期・歌人)

 

 岩の間から落ちてくる滝の白糸は、手に掬(すく)わずに見ているだけでも涼しく感ずることだ…。

 

 “滝の白糸”は、岩間から垂直に落ちてくる滝が白色の糸の集まりのように見えることを美的に表現したものであり、なかなかわかりやすく、素直に情景を目に浮かべることが出来ます。

 

 わが国には数多くの滝があり、それぞれ特徴ある名前がつけられています。たとえば、日本三大神滝である神戸の布引の滝は、上流から雄滝・夫婦滝・鼓滝・雌滝の四つの滝の総称ですが、垂れ下がった白い布が風にはためいているように見える“布引の滝”とはまさに絶妙な命名と言えます。

 

 今年の夏も酷暑・熱暑が続いたり、夏台風が襲いかかったり、荒れた天候に翻弄されてきていますが、去る815日、例年の如く、全国戦没者追悼式が日本武道館で厳かに行われ、国歌斉唱、安倍総理式辞、黙祷のあと、天皇陛下のお言葉がありました。

 

 もう、戦後(大東亜戦争・太平洋戦争・第二次世界大戦)71年も経過したことに感慨深いものがあります。戦後すぐ生を受けた人でさえ70歳を超えるという年月。今や、昭和20(1945)815日以降に生まれた「戦後生まれ」1203万人、総人口の8割を超えました

 

 そうであるとすれば、先の大戦、極東軍事裁判(いわゆる東京裁判)、占領政策と言語空間、新憲法制定などについて、今こそ、イデオロギーを排除したなかで事実を冷静に直視し、いままで曖昧な議論で済ませ、妥協に妥協を重ねてきたことに対して、正当な判断を下す時機が到来したと考えるべきではないでしょうか。

 

 その観点から、遅ればせながら「終戦の日」の主要各党の談話を吟味してみたいと思います。わが国は、大陸の一党独裁国家である中華人民共和国(中国・中共・China)とは異なり、民主主義国ですから、主要各党が国民の声や考えを代表していると見做しても問題ないでしょう。(すべて一部抜粋です)

 

  自民党声明「終戦記念日にあたって」

 

  先の大戦で犠牲となられたわが国並びに全ての国の英霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。
「積極的平和主義」の旗の下、世界の平和と安定のために力を尽くします。
日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増す中で、平素からの備えを万全にし、国民の命と平和な暮らしを守り抜かねばなりません。平和と自由を愛する国民政党として、わが国が世界の平和と繁栄にさらに貢献できるよう全力を尽くしてまいります。

 

 自民党声明は現状を踏まえた常識的な文言と言えるでしょう。ご英霊(戦死された方)については、本来、靖国への参拝があってこそ哀悼の誠を示すことになりますが、これについては触れていません。さらに、わが国が正道を歩むことこそがご英霊に対する心からの誠であるとするならば、それは堂々たる憲法改正ということになるでしょうが、これも全く触れていません。

 

 71年間も一切の文言をも変更、改正していないわが国の憲法は、はたして真の憲法と言えるのでしょうか。世の中の進展はこの間全くなかったとは断じて言えず、わが国憲法が世界の進運に追随していない時代遅れの安物の古物になっているのではないかと心配します。戦後政治を担ってきた自民党の責任は極めて大きいと言わざるを得ません。

 

 【諸外国における戦後の憲法改正(平成26(2014)424日)
   アメリカ    6回
 
   カナダ    19回(1867年憲法17回、1982年憲法2回)
 
   フランス   27回(新憲法制定を含む)
 
   ドイツ    59回
 
   イタリア   15回
 
   オーストラリア 5回
 
   中国      9回(新憲法制定を含む)
 
   韓国      9回(新憲法制定を含む)
 
      (国立国会図書館・調査及び立法考査局憲法課)

 

 憲法改正の肝は9条の改正。政治が時代をつくとするならば、自民党は、憲法改正に正面から体当たりしなければなりません。

 

  民進党談話「71回目の終戦の日にあたって」

 

  哀悼のことば。
戦前の植民地支配と侵略、多くの人間の命を奪った無謀な戦争、その重い教訓と深い反省に基づき、戦後の日本は、憲法の平和主義のもと、平和で豊かな民主主義国家をつくり上げました。
しかし、安倍晋三首相は「平和国家・日本」の屋台骨を根本から変えようとしています。安倍政権が目指しているのは、普通に海外で武力行使できる国。民進党が目指す日本は、武力行使に抑制的な国。民進党は、平和主義を基軸とし、アジア諸国との和解を進めていけるよう全力をつくします。

 

 民進党の歴史観は、戦前の日本をすべて断罪戦後を全て肯定するものと言えるでしょう。はたしてそんな史観で、荒れ狂う世界情勢、近隣からの侵略とも言える大攻勢を乗り切れると考えているとしたら、あまりにもお目出度い感覚と言わねばなりません。

 

 そして、815日は「終戦の日」であり「全国戦没者追悼式」が行われる日でもあります。安倍首相を戦争推進者として弾劾するのもひとつの主張でしょうが、イデオロギー丸出しの硬直した言葉はもう少し抑制し、品位ある大人の表現をするべきではないかと思います。

 

 公明党「終戦記念日アピール」

 

  哀悼のことば。
日本は戦前、独善的な軍国主義にとらわれ、アジア・太平洋の諸国に対して植民地支配と侵略を重ね、かけがえのない多数の生命を奪い、多大な苦痛と損害を与えました。
憲法の「国民主権主義」「基本的人権の尊重」「恒久平和主義」の3原理は、国連憲章の目的と軌を一にしており、守り発展させていくべきです。
平和安全法制は、切れ目のない防衛体制の整備を可能にしたもので、他国防衛を目的とする集団的自衛権の行使は許されないことも明確になっています。

 

 やはり、公明党らしいアピールです。民進党と同じく戦前の日本をすべて断罪、戦後を全て肯定するものと言えるでしょう。憲法と国連を崇め、自国平和主義をもっぱら主張し、たとえ安保条約を締結していても、わが国だけは守ってください、貴国は守りませんとの立場を明確にしています。こんな都合の良い身勝手な片務思想で、アメリカ(トランプ氏orクリントン氏)との関係が上手くいくのか、大いに疑問があります。

 

 共産党談話「71周年の終戦記念日にあたって」

 

  哀悼のことば。
戦争の惨禍をへて、日本国民が手にした憲法9条を守り抜き、憲法を生かした平和日本を築くために全力をあげる。
安倍改憲を許さない。
安保法制=戦争法の廃止を求める。
日本の自衛隊は、他国と武力を交えず、一人の戦死者も出さずにきた。この財産を、今後も継承し、再び戦争をする国への道を絶対に許さないために、国民のみなさんとともに全力をあげる。

 

 共産党は徹底した「護憲」「反安倍」をスローガンに、左翼・リベラル・穏健を集合した「国民連合政府」構想の推進に躍起となっています。共産党は表向きはソフト、微笑を湛えていますが、実は「衣の下から鎧」、来るべき共産革命を虎視眈々と狙っていることは明白です。

 

 今、民進党が民共連携に色気を出していますから、もしも民共連携が成立したならば、共産党が主導権を取ることは目に見えており、民進党は徐々に主導権を失い、いずれ消滅することは必至だと思われます。

 

  日本のこころを大切にする党談話
 
 「戦没者を追悼し平和を祈念する日を迎えて」

 

  哀悼のことば。
日本のこころを大切にする党は、先人たちの犠牲に応えるため、今こそ日本の歴史、伝統、文化に立脚した自主憲法を制定し、真の独立を回復し、平和を維持し、さらに、全世界の繁栄と平和に貢献することをここに誓います。

 

 党の主張が率直に披瀝され、且つ、美しい言葉で、品位を保った表現になっていることに共感します。

 

  おおさか維新の会コメント
 
 「戦没者を追悼し平和を祈念する日を迎えて」

 

  哀悼のことば。
戦後日本の平和国家としての歩みは、国民生活の安定をもたらし、わが国の国際社会での評価を高めました。一方、先の大戦から70年以上が経過し、わが国を取り巻く外交安全保障上の環境は大きく変わりました。日本国民が引き続き平和のうちに生活ができるよう、守るべきものは守り、変えるべきものは変える必要があります。

 

 さすがにおおさか維新の会。改革政党としての実績を積んできたと自負しており、積極的な憲法改正を唱道しています。自民・維新の連携はあり得るとにらんでいます。

 

 その他「社民党」や「生活の党と山本太郎となかまたち」(ふざけた名称!)も声明を発していますが、長くなりますので省略します。

 

 815日は哀悼の日、心静かにお祈りする日ですから、汚い表現、品位なき言葉、空疎な文言、心のこもらない文章は、たとえ政党の談話・声明・コメント・アピールであったとしても、あってはならないと思います。

 

 さいごに、あらためて、諸外国の憲法改正の回数に注目し、参考にしたいと思う次第です。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回も
時事エッセー
です

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