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2016年9月30日 (金)

「Japanブランド」…更なる向上を!

 553回目のブログです

 

 “大君は 神にしませば 天雲の 雷の上に 廬(いほ)らせるかも”
 
               柿本人麻呂(歌聖・万葉集)

 

 わが大君は神でいらっしゃるので、天雲にとどろく雷のさらに上に、仮のやどりをされているよ…。

 

 天皇(すめらのみこと)が飛鳥の雷丘(いかづちのおか)にいでましし時、柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)の作れる歌一首とあり、大和朝廷のなかで天皇を讃える宮廷歌人としての力量をいかんなく発揮した素晴らしい和歌です。

 

 万葉集は日本の文藝や精神や教養の大元のひとつであり、これは日本が世界に誇る叙事詩であり叙情詩でもあります。わが国は、このような太古の昔からの歴史的遺産を糧にし、今日に至っていますが、現在、世界からどのような評価を得ているのかについて考えてみたいと思います。

 

 アメリカの会社「フューチャーブランド」が毎年調査発表している国別ブランド評価ランキングで、2014-15年度に日本が初めて1位に選ばれています。これまでも上位にランキングされていましたが、トップに選ばれたのは初めてです。上位20ヶ国は下記のとおり。

 

   【国家ブランド指数ランキング】(2014-15年度)

        1. 日本
 
       2. スイス
 
       3. ドイツ
 
       4. スウェーデン
 
       5. カナダ
 
       6. ノルウェー
 
       7. アメリカ合衆国
 
       8. オーストラリア
 
       9. デンマーク
 
      10. オーストリア
 
      11. ニュージーランド
 
      12. イギリス
 
      13. フィンランド
 
      14. シンガポール
 
      15. アイスランド
 
      16. オランダ
 
      17. フランス
 
      18. イタリア
 
      19. アラブ首長国連邦
 
      20. 韓国

 

 その国のパフォーマンスを、暮らし」「価値観」「ビジネス」「文化」「観光」「生産品」の6つと、「認知度」「親しみやすさ」「連想するもの」「好ましさ」「考慮すべき事項」「結局、訪問を勧めるか」の項目に関して、それぞれパーセンテージで評価したものです。Newsphereより)

 

 日本ブランドの評価について見てみましょう。

 

  日本がもっとも熟達している分野は?
     テクノロジー、家電、自動車

  日本のブランド力を高める原動力は?
     テクノロジーとイノベーション

  日本から最も強く連想される事は?
     テクノロジーの先進性

  日本を上述の6つの軸で評価した場合の一番は?
     ビジネスの成長性

  日本を一言で言い表すと?
     テクノロジー、文化、食べ物、サムライ、寿司、リスペクト、
 
     友好的、アニメ、美しい、エレクトロニクス、安全…

  日本製品をどう思うか?
     高品質

 

 わたし達は、戦後70年間、教育やメディアなどにより自虐思想や自国卑下をこれでもかこれでもかという具合に刷り込まされてきました。それが最近やっと一部で目を覚ますようになり、間違ったことであることに気づき始めたのです。

 

 その端緒は、日本の良さというものを外国人のビヘイビアから学び始めたことのように思えます。近年、訪日外国人が激増している事実から見ても、それは日本に魅力があるから日本に訪れていることだとあらためて認識したのではないでしょうか。

 

      【訪日外国人の推移】
    平成12(2000)  4,757,000(人)
 
   平成22(2010)  8,611,000
 
   平成25(2013) 10,364,000 (前年比+24.0%
 
   平成26(2014) 13,413,000 (前年比+29.4%
 
   平成27(2015) 19,737,000 (前年比+47.1%

 

 ここ3年間の伸びは2桁、特に昨年度は47.1%増という驚異的な数字となっています。今や、Japanブランドを支えるのはJapan Quality。日本各地において精魂込めてつくりあげた名産品や革新的テクノロジーや文化伝統にJapan Qualityの確かな名称を付与し、それを維持発展させようとする矜持とエネルギー、これらが総合的に評価されたからこそ、訪日外国人の激増となったものでしょう。

 

 しかし、国の評価は、Japanブランドという優れた“もの”“こと”だけでなく、本来『人』で判断され高い評価を受けてこそ、胸を張って誇りに思えるのではないでしょうか。

 

 そうであれば、わたし達国民の言動が国家の品格を決めると言っても言い過ぎではありません。残念なことに、最近のメディアを見れば、事実・真実から程遠い捏造や偏向、左右両極のえげつない言葉や聞くにたえないヘイトスピーチ、誠実さを欠くガサツな絶叫、事細かな殺人・戦争・詐欺・テロの報道など、あまりにも本来の日本人が持つ慎みを欠いているように思えてなりません。

 

 碩学、故・京大教授高坂正尭先生は、学生に対して次のようにおっしゃっていました。

 

 『日本人は外国に出たら全員外交官になったとおもわなアカン。
 
         君らの振る舞いで日本のイメージが決まるから。』

 

 わたし達“日本人”が、自信と慎みを持ち堂々と振る舞うことこそが「Japanブランド」の更なる向上につながるに違いなく、お互いにそう心掛けたいものです。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回も
時事エッセー
です

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コメント

大変いいお話し

日本人は、国内でぬくぬくとしていないで、海外へもっと、出ていくべきなのでは、と思います。今や、世界はどんどん狭くなって、ごくごく安い値段で、飛んでいくことが可能な時代です。
外から日本を見返すと、なんと過ごしやすい、安全な、素晴らしい国か、というのが、見えてくる、と思うのですが、これは、私だけの思いなのでしょうか。

いつも、ありがとうございます。

投稿: 奥田 博美 | 2016年9月30日 (金) 09時09分

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