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2016年10月 7日 (金)

「日露交渉」大詰め…北方領土をどうする?

 554回目のブログです

 

   『人の上に立つ対象となるべき人間の一言は、
 
           深き思慮をもってなすべきだ。
 
             軽率なことは言ってはならない』
 
               (上杉謙信:越後の戦国大名)

 

 秋がいよいよ深まってくる時節ですが、ことしは史上最多の台風襲来のためでしょうか、秋らしい澄みあがった空を見上げることがほとんどなく、何か、厳しくも寂しい気持ちにさせられます。

 

 最近のニュースは、もっぱら「東京都・豊洲市場」問題が主役をつとめ、その不透明な経過をめぐっての責任者探しという隘路に入ったままに時が過ぎて行っています。この問題は、関係するすべての組織と人間における、どろどろした権力と利権と科学との争いですから、適当なところで答えが出るのではないでしょうか。

 

 このように、内政もいろいろな課題が山積していますが、外交において特段に注目されるのは、日本とロシアとの間で永年深い溝となっている「北方領土と平和条約締結」が今年中に方向が決まりそうだということです。

 

 安倍首相は、対ロシア問題の解決に以前から情熱を燃やしてきました。ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン・ロシア大統領と安倍晋三・日本国総理大臣とは「ウラジーミル」「シンゾー」とファーストネームで呼び合う親密な関係であり、それが交渉促進への足場となっていることは間違いありません。

 

 ところで、日露平和条約締結も、北方領土の解決なくしては成り立ちません。北方領土は終戦時にソ連が日本から強奪・略奪したものですが、現在ロシアが実効支配しており、プーチン大統領は「大型の経済協力と引き換えに日本と領土の取引はしない」と発言、返還する意思は皆無であることを示唆。一方、日本サイドには4島返還論から2島先行返還論などさまざまに議論されてはいますが、決定打に欠く状況です。

 

 一部のメディアは、安倍首相の腹案を次の通りと報道しています。
  (1) 歯舞群島・色丹島の2島を返還。(歯舞・色丹は日本領土)
  (2) 国後島・択捉島は返還せず、将来にわたり段階的に交渉する。

 
(3) 日露平和条約を締結する。
 
(4) ロシアへは大々的な経済支援を行う。(投資・技術援助・他)

 

 ロシアのガードは固く、どのような結論になるかは予断を許しません。また、歯舞・色丹の2島だけを返還し、国後・択捉はロシアの領土として返還せずその帰属問題については将来の話し合いによるということで、果たして国民の支持を得られるのかどうか、大いに疑問があります。

 

 いろいろ考える前に、北方4島の大きさ(面積)を見ましょう。

Photo_6

  ・歯舞群島  100 ㎢(小笠原諸島とほぼ同じ)
  ・色丹島   253 ㎢(島根県隠岐島とほぼ同じ)
  ・国後島  1,499 ㎢(沖縄本島の1.24倍、東京都の0.68倍)
  ・択捉島  3,184 ㎢(鳥取県とほぼ同じ)
   (合計) (,036 ㎢)(愛知県・千葉県・福岡県とほぼ同じ) 

 本土からの距離は、歯舞群島まで3.km、色丹島で73.km、国後島は16.km、択捉島までは144.kmとなっており、本土と如何に近いかが分かります。歯舞群島は瀬戸内海の明石海峡大橋(3,911m)よりも短い距離ですから、まさに指呼の間にあると言えます。

 

 北方領土の交渉が、巷間噂されるような上に書いた(1)(4)で決着をつけるならば、おそらく、国民から総スカンを食らわされ、安倍首相の政治生命は絶たれ、歴史に汚名を残すことになるのではないでしょうか。

 

 では、どういう案が良いのでしょうか。一度お会いしたことがあり尊敬する「国際派時事コラム」泉ユキオ氏の主張をご紹介します。素晴らしいアイデアだと思います。

 

 歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島に対する日本の主権は譲らない。
 
 これらの地域は、旧地権者に対して日本政府が最低限の補償金を
 
  支払い、すべてを日本国の国有地・政府直轄地とする。
 
 これらの地域をロシアの租借地とすることを1945年に遡って認める。
 
 租借地とする期間は次のとおりとする。
 
   歯舞群島は2018年まで
 
   色丹島は  ∥
 
   国後島は2020年まで
 
   択捉島は暫定的に2045年まで(昭和20年から数えて100年目)
 
       場合によっては2100年まで
 
 択捉島の租借期間に関する最終交渉は2043年までは行わず、
 
  2044年から開始することとする。

 

 泉氏はさらに次の提言をしています。

 

色丹島を原発が生み出す高レベル廃棄物の地層処分の場所とする。

 

 高レベルの放射性廃棄物はガラスと混ぜ固化したものを金属容器に収め地下300mよりも深い地層に10万年保管しなければなりません。現在それを受け入れる自治体は北海道から沖縄までどこもありません。それは、住民の放射能への恐怖とメディアの煽りと政治イデオロギーのからみによるもので、今後ともその地を探すことは至難と言えます。

 

 そう考えれば、国として、北方領土にその場所を求めることは極めて理に適ったことと言えるのではないでしょうか。そのためには国有地・政府直轄地は必須です。

 

 ところで、眼を東アジアに転ずれば、中国(中華人民共和国)がモンスターとして猛威を振るい、南シナ海は、ほぼ中国の領海とし、今や着々と東シナ海を中国の権益下に置こうとしています。わが国が、それに対抗するには、ロシアを日米側に引き寄せることは外交戦略として妥当なことと言わねばなりません。

 

 ロシアとの積極的な外交は極めて大切です。安倍首相は諸々のことは充分承知で事を進めようとしているとは思いますが、ロシア知悉の袴田教授は産経正論(10/3)で安倍首相に対し、ニンジンに飛びつくな、のめりになるべきではないと苦言を呈しています。果たしてどうなるのか、首相への信頼よりも不安の方が大きいのが偽らざるところです。

 

 12月15日、安倍首相の地元である山口県長門市で「プーチン・安倍会談」が行われます。おそらく、北方領土と平和条約が話し合われるのでしょうが、不当に略奪された領土に関しては、わたし達日本人、日本国民の“琴線”を揺り動かします。

 

 その観点から安倍首相に望みたいのは、いわゆるレガシー(遺産)づくりや自己の名誉のためという私心を捨て、国家100年の礎をつくる凛然たる精神で厳しい交渉に当たってもらいたいことです。

 

 みなさんはいろいろなご意見をお持ちでしょう。どのようにお考えでしょうか。

 

次回も
時事エッセー
です

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コメント

100%同感です。何故なら、誰が総理の座にあっても最初から両手を挙げた政策や手法などある筈はなく、従い国民としては軽率な批判でなく肯定部分に声援を送りつつ、必要な意見や必要な指摘を発信すべきと自分に言い聞かせて生きてきたと自負しています。しかしながら(当然ながら)海千山千の国際社会のリーダー達は中学上級生か高校下級生程度の英語力であり且つ目立ちがりやの安倍総理の性格を分析しつくしていて、第二次安倍総理の海外訪問のトップ外交(①アメリカ両院議員での演説、②訪問国家の歓迎会での発言→即刻大手メデアイを通じて写真報道させて安倍総理の国際約束を大々的に報道など)は全て完敗と認識しています。しかしながら日本の大手報道は安倍総理の操縦に屈服して同様報道をたれ流していますので小生な同様危惧を抱いている在京の有力言論人と連携しながら、大手メデイアが国民に真実(?)報道すべしとの運動に奔走しております。

投稿: 岡村昭 | 2016年10月 7日 (金) 10時28分

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