“明治の日”制定に向けて…歴史に誇りを持とう!
557回目のブログです
“國のため いよいよはげめ ちよろづの 民もこころを ひとつにはして”
明治天皇御製(明治38年)
国のために、いよいよ励んでくれよ。千萬の国民たちよ、心を一つにあわせて…。
厳しい環境(日露戦争)のもとにあった明治38年、国民がひとつになって励んでほしいと述べられた御製です。
幸いにして、わが国は日本海海戦でバルチック艦隊を壊滅させるという近代海戦史上例のない圧勝などを経て、日露戦争に勝利し、ポーツマス条約によりロシアと講和しました。
明治維新という時代の大変革を経て、明治時代は、全国民、特に青年たちが、司馬遼太郎の言う「坂の上の雲」を目指し、満身の気概をもって近代国民国家の建設に邁進した時代であり、その成果のひとつが日露戦争で輝かしい勝利を得たことでもありました。
その、明治維新、明治時代を統(す)べられたのが、明治天皇でした。…というよりも“明治大帝”と称する方が相応しいと思います。しかしながら、今日、その明治天皇に想いを馳せる祝祭日が暦の中で明確に表示されておりません。こんな状態で、小中高の生徒や大学生、若い世代に対して、わが国の歴史に誇りを持てと言えるのか、大いに疑問があるところです。
■「明治の日」制定の動き 維新150年で記念事業
2018年に明治維新から150年を迎えるのに合わせ、政府は7日、記念事業を実施すると発表した。日本の近代化の歩みを次世代に伝えるため、政府主催の式典などを検討する。一方、自民党内の安倍晋三首相に近い議員からは「明治の日」の制定を目指す動きが出始めた。
菅義偉官房長官は「明治150年は、我が国にとって一つの大きな節目。明治の精神に学ぶ、日本の強みを再認識することは極めて重要だ」と発表。内閣官房の推進室や府省横断の連絡会議を立ち上げ、具体的な事業を計画する。
(2016年10月8日 朝日新聞デジタル一部抜粋)
この「明治の日」を制定しようとの動きに対して、3つの主張があります。
①現在の「文化の日」(11月3日・旧明治節)を「明治の日」と改め、歴史に燦たる明治時代に想いを廻らそうというもの。
②「文化の日」はそのままに、新たに「明治の日」を設け、現在の土・日・祝日にくっつけて2連休あるいは3連休とし、休日増大による消費拡大を図ろうとするもの。
③暗黒の明治時代を称えることは、戦後民主主義の流れに逆らうもので、断固反対するというもの。
どの主張が正しいのか、どれが良いのかを考える前に、祝日を一覧してみましょう。(国民の祝日に関する法律:昭和23年<1948>公布施行)
【現在の祝日】
(日付) (皇室祭祀/祝祭日)
元日 1月 1日 四方拝
成人の日 1月第2月曜日
建国記念の日 2月11日 紀元節
春分の日 3月20日ごろ 春季皇霊祭
昭和の日 4月29日 昭和天皇誕生日
憲法記念日 5月 3日
みどりの日 5月 4日
こどもの日 5月 5日
海の日 7月第3月曜日
山の日 8月11日
敬老の日 9月第3月曜日
秋分の日 9月22日ごろ 秋季皇霊祭
体育の日 10月第2月曜日
文化の日 11月 3日 明治節
勤労感謝の日 11月23日 新嘗祭
天皇誕生日 12月23日 天長節
こう見てくると、日本の祝日はかなり多くなってきていると言えます。今年は年間16日(休日数は振替休日を加えると17日)何と世界第3位ですからかなり多い方です。(因みに、1位はインド、2位はコロンビア)
11月3日は「文化の日」。先の戦争に負けるまでは「明治節」と称されていました。それは、この日が明治天皇の誕生日であり、11月3日を近代国民国家・日本の礎を築かれた明治天皇の偉大な事績を永遠に伝えていくための祝祭日として制定されたものです。
戦前は、①元日の四方拝(四方節)、②神武天皇即位の日を建国の日とした紀元節、③天皇誕生日である天長節、④明治節、を四大節と言い、国の大事な行事でもありました。
その四大節の一角を占める「明治節」は、戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部・General
Headquarters)の日本弱体化政策により、消滅させられそうになりましたが、かろうじて「文化の日」として残されました。
しかし、文化の日は、その趣旨(自由と平和を愛し文化をすすめる)も名称も本来の意味とはまったく関係がなく、70年近くそのままに置かれてきたのです。
それを、明治150年を迎えるにあたって、やっと「明治の日」を制定しようとの動きが顕著になってきたのですが、ここで、上記の三つの主張について論じたいと思います。
・わたしは、現在の歴史的位置づけのない「文化の日」を「明治の日」と改め、歴史に燦たる明治時代に想いを廻らそうという位置づけにすべきだと考えます。
・今や、世界の趨勢を見ても、そして、わたし達国民のひとりひとりのあるべき立ち位置を考えても、自国の歴史に対し“悲劇には同情を、栄光には誇りを”という素直な自然な気持ちで接することが求められているのではないでしょうか。
・近代の世界歴史に聳え立つ明治天皇の御名がわが国の一部の歴史教科書に載っていないという体たらくでは、日本を誇りに思う若い世代にとやかくの文句を言うことはできません。それくらい現状が歪んできていることを認識しなければならないと思います。
・自虐・反日・サヨクの人々は明治の日制定への動きに対して「戦後民主主義の流れ」に反するとして警戒の声をあげていますが世界史の中でも栄光ある歴史を刻んだ明治時代をどうして忌避しようとするのでしょうか。全く不可解です。
・また、一部の経済界の人達(企業人・民間人)は、祝日を単なる休日として捉え、休日の増加により消費の増大を狙っているそうです。そんなわけで、彼らは、明治の日は11月3日でなくてもいつでも良いとしか考えないのです。本当に情けなくなります。
・『明治の日』の制定を、栄光の歴史に接する縁(よすが)にする気高い精神に基づくのか、それとも、単なる休日増を図ろうとする卑しい欲望に基づくのか、答えは言わずもがなではないでしょうか。
・一般的な経済活動が卑しいと言うのではありません。わが国実業界の父・渋沢栄一がいう論語と算盤が理想的な経済活動であり、真の経営です。そこまでいかなくても、祝祭日については常識と良識で考えればわかることです。「明治の日」は国民の祝祭日として、文字通り明治以外のなにものでもありません。明治という偉大な歴史に一瞬立ち止まってその精神に思いをはせることが大事なのではないでしょうか。
“明治の日”制定に向けての後押しをしようではありませんか!
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
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コメント
100%同感です。
投稿: 岡村昭 | 2016年10月28日 (金) 07時50分