“真実のデータ”を…豊洲問題の驚愕すべき実態!
576回目のブログです
“人間は真実を見なければならない。真実が人間を見ているからだ”
チャーチル(英国の政治家・1874~1965)
小ブログも、先週の3月3日(雛祭り)で丸11年となりました。それにしても、毎週1回一度も欠かすことなく、われながらよく続けてきたもの。適当な時が来るまで続けようかなと思う今日この頃です。
世界情勢はいよいよ緊迫感を増してきました。北朝鮮のミサイル実験と要人暗殺、トランプ大統領の積極的な政治姿勢、韓国の途方もない迷走、欧州の文明的な混迷、中国の飽くなき軍事力増強と経済不安など、世界の緊張は強まることはあっても弱まることはないように思えます。
こんな時、わが国は、官も民も、こころをひとつにして対処しばければならないにもかかわらず、国会での議論は矮小なことばかりに焦点を当て、メディアもそれを煽る始末です。
そのうちのひとつである「豊洲問題」を考えてみたいと思います。
巨大都市・東京の台所を預かる築地市場が、健康上や耐震性において安全性に大いなる問題があり、青島都知事(平成7~11)の時から豊洲に移転する方向で検討を重ね、石原都知事の時に決定しました。
ところが、昨年登場した小池新都知事は、①地下空室(地下ピット)があり盛土が全面に無いこと、②東京ガスとの契約に疑義、③地下水の安全性に問題あり、ということを掲げて、豊洲移転の延期あるいは中止を視野にいれ、熱いバトルを繰り返しているのが今日の姿です。
■ 豊洲市場の地下水
最終調査は“都の指示で過去と違う手順”
豊洲市場の問題を審議する都議会の特別委員会において、豊洲市場の「地下水モニタリング調査」をめぐり、環境基準の79倍となるベンゼンなどが検出された9回目の調査を担当した業者が、都の指示により、過去8回とは違う手順で調査していたことを4日明らかにしました。都は、業者に対し過去とは違う手順で行うよう伝えたことを認めました。
(3/4 NHK WEBNEWS)
杜撰(ずさん・物事がいいかげんで誤りが多いこと)極まりない、ありえない調査方法であり、驚きを隠せません。
地下水のモニタリング調査は、環境省のガイドラインに基づきます。201ヶ所の井戸(5㎝)が設けられ、井戸にたまっている水を取り除く作業を3~5回繰り返し、その後時間を置き、1回から8回までの調査では翌日たまった地下水を採取して「試料」として検査。
ところが、小池知事が再調査を命じて行った9回目調査のデータは、純粋な地下水以外が入っている可能性のある取り除くべき水を試料としたもの、あるいは取り除くべき水を取り除いた直後の水を試料とするなど、1回から8回までの調査方法と全く異なる方法でなされたのです。
9回目の数値だけが異常に高かったのは、過去の調査に不正があったのか、あるいは、今回の調査がヤラセ分析だったのか、明確にする必要があります。また、どういうわけか、9回目の業者は、1回~8回までの調査した業者と異なっています。不審だらけと言わざるを得ません。
これをどう見るべきか、偏っているかも知れませんが、わたしの見解を述べます。
・もしも、調査方法を変更したのが事実であるとすれば、豊洲問題は小池都知事・都庁サイドの「政治ショー」と言わねばなりません。絶対的権力を志向するために、事実やデータを作為的に操作し、パフォーマンスを演じようとするものであり、プロパガンダとも言えるものでしょう。
・科学的事実に基づかない、政略的、政治的パフォーマンスは、誠実さを欠く自己中心主義というものであり、小池都知事流の言葉で言えば“自己ファースト”になるのではないでしょうか。
・東京都については、世界のなかでも洗練された大都会というイメージですが、都政の実態は、都知事、都庁、都議会(自民・公明・共産・民進)、三すくみの伏魔殿と言えるようです。
・もう、いいかげんにしませんか。豊洲、築地の安全性を議論するに当たっての基礎は正当なるデータと科学的知識に基づき、次の2点を明らかにして、都民を説得するのが真の政治家というものです。
①豊洲と築地との徹底的な比較をおこなうこと。
②豊洲が優位ならば豊洲の安全宣言をおこなうこと。
要するに「科学的知見」と「政治家の使命」が問われているのではないでしょうか。
・現在問題になっている豊洲の地下水は決して現実に使用するものではなく、健康上問題ではないことを説明すべきです。
・これまでも、マスコミは、地下空間や盛土や溜り水の問題をごちゃまぜにして大騒ぎしましたが、これは、都の豊洲市場推進部署が設計変更を広報しなかったための騒動に過ぎず、地下ピット(地下空間)などもある方が良いのは常識です。
・小池知事は「築地市場はコンクリートやアスファルトで覆われており、汚染の問題はない」と発言していますが、それならば、豊洲も同じことではないでしょうか。にもかかわらず、豊洲には「NO!」。この発言はおよそ科学的精神にほど遠い姿勢と言わざるを得ません。
小池知事が当選以来、都議会の闇にメスを入れ、その権力をいかんなく発揮し、マスメディアをも手なずけ、やんやの喝さいを受けているのは、劇場型の手法を得意とする面目躍如たるものがあります。
そういう意味で、政治的力量には目を見張るものがありますが、豊洲新市場は、都民のための喫緊を要する重要施設であり、小池知事の政治的野心(知事⇒首相)実現のための小道具にしてほしくなく、科学的見地からの堂々たる政治判断を早急に決すべきではないでしょうか。
何でもかでも政治問題化するのではなく、落ち着くべき所へはそれなりに落ち着かせることが求められているように思います。
豊洲騒動における科学的知性を欠いた国家社会のリーダーの言動を見るにつけ、科学技術の発展と複雑な経済事象をみせる現代においては、文科系の人は理科のセンスを、理科系の人は経済のセンスを併せ持つことが重要だということを教えられます。これを称して
“文ジニア”“理コノミスト”…。
・文科系の人+エンジニアセンス(理科系) =【文ジニア】
・理科系の人+エコノミストセンス(文科系)=【理コノミスト】
みなさんは、文ジニアですか、理コノミストですか。それとも?
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
嘗て内閣機密費が問題になったことがあるが、官公庁であろうと企業であろうが、組織が円滑に仕事を進めるには外部に明確な説明しえない問題がある。そこで担当者の「政治力」有無が問われることになる。この政治力は金銭や利権と必ず結びつくわけではないが、すべて金銭や利権に結びつけて批判する人々がいると、それに対する反論は法廷なら可能だが、問題を単純化して煽るマスメディアの世界では難しい。担当者同士の人間関係も含めた微妙な交渉の中で妥協が成った事情を、何も知らない大衆に説明することは難しいし、説明しても理解してもらえない可能性の方が遥かに高い。
小池知事は政治家としてだけでなく防衛大臣として行政組織の長も務めた人である。つまり政治プランを現実に進める際の微妙な駆け引きとその裏側も知悉しているはずである。裏方の事情を知った上で「小池なら何か出来そう」という虚像を膨らませている。それが小池自身の演出から生まれたもの、即ち虚像であるという最大の証拠が、「築地市場はコンクリートで覆われているから安全だ」という発言である。 今回の豊洲問題で最も不思議なのは、「どちらがより安全か?」の中に「今、東京で大地震が起きたら?」という観点が欠落していることである。今日、明日に地震が起きたら築地市場やそこで働いている人々はどうなるのか、それは豊洲よりも安全な場所なのか。この場合の責任はどの知事にあるのか? 長年自民党にいた小池知事も所詮民進党の党首と同じ穴の狢か?
投稿: 齋藤 仁 | 2017年3月10日 (金) 08時01分