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2017年3月24日 (金)

“軍事アレルギー”…日本学術会議声明案に見る!

 578回目のブログです

 

 “深山には なべて木の芽の 春の世も 松を残して 積もる雪かな”
 
              三条西実隆
(室町~戦国時代・公家)

 

 この山深いところでは木の芽がふくらみ、春の訪れを見せているが、松には青葉を隠して雪が残っており、春の気配に取り残されているようだ…。

 

 いよいよ春も本番を迎えつつあり、気温も日々暖かくなってきています。それでも、上の和歌にあるように、頭に雪をかぶり、春を今か今かと待っている“松”の木の姿もあります。

 

 これが、松であるからこそ、趣があろうと言うもの。しかし、世の中には、待っても待っても、全く変化を見せない旧態依然、現実無視、頑迷固陋な人々がおり、これは風情を通り越して悪臭を漂わせる存在だと言えましょう。…その一例が、日本学術会議という摩訶不思議な組織です。

 

 日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24(1949)、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立。職務は、①科学に関する重要事項を審議しその実現を図ること。②科学に関する研究の連絡を図りその能率を向上させること。となっており、我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の科学者を内外に代表する機関です。

 

 この日本学術会議が物議を醸しています。

 

 学術会議、軍事研究禁止の方針継承へ 検討委が声明案

 

  安全保障と学術の関係について検討してきた日本学術会議の検討委員会が、軍事研究を禁じる従来方針を継承する新たな声明案をまとめていることがわかった。声明案は、軍事的な安全保障研究について「学術の健全な発展と緊張関係にある」とし、政府による研究者への介入が強まることへの懸念を打ち出す内容になっている。
           
2017/3/6 朝日新聞デジタル一部抜粋)

 

 この問題について考えてみましょう。

 

 日本学術会議は、昭和24(1949)の設立以来70年にもなろうとしていますが、一貫して軍事研究を拒否してきました。安全保障 ⇒ 防衛力 ⇒ 軍事力 ⇒ 戦争 ⇒ 大東亜戦争(太平洋戦争) ⇒『悪』という連想で、まさしく憲法9条教と同じメンタリティだと言わざるを得ません。世界が文明的な大変革の時代に突入しているにもかかわらず、何と70年間、金科玉条、不磨の大典、拝跪、一文字も変えない姿は、まるで異星人を思わせます。

 

 今、たった今、北朝鮮のミサイルが日本海に連続して着弾、中国がわが国の領土・領海・領空を連続的に侵犯している中で、学者が国民の生命と財産を守るための防衛庁からの研究委託を戦争の為と決めつけ拒否するなんて、まさに世界の笑いもの。普通の地球人とは思えない発想、GHQ・マッカーサーによる学者への洗脳(反戦・反日・左翼思想)70年間、まったくそのまま残っているという不思議さに驚きを隠せません。

 

 現代社会では、防衛用と民生用を純粋に区別することは不可能です。軍事技術から民生用に転用されたものを、一部ですが拾い上げてみましょう。

 

     ・インターネット
 
・パソコン
 
・IC(集積回路)
・光ファイバーケーブル

 
・携帯電話
 
・デジタルカメラ
 
・腕時計
 
・ティッシュペーパー
 
・缶詰
 
・電子レンジ
 
・テレビゲーム
 
・カーディガン
 
・トレンチコート
 
・GPS(グローバル・ポジショニング・システム)
・補償光学

 
・ロケット
 
・原子炉

 

 民生用と防衛用のどちらにも利用できる技術のことを、軍民両用技術「デュアル・ユース・テクノロジー」(dual-use- technology)と言いますが、現在では、防衛用と民生用との境目が益々薄れてきていることを認識しなければなりません。たとえば、下記を見れば納得いくでしょう。

 

     ・ロボット
 
    ・AI(人工知能)
 
    ・通信
 
    ・自動運転
 
    ・高機能複合材
 
    ・……

 

 防衛整備庁が学界に求めている研究テーマの例

 

     光学センサーの高感度化
 
レーザーシステム用光源の高性能化
 
再生エネルギー小型発電
 
高出力電池
 
音響・可視光以外の水中通信
 
サイバー攻撃自動対処
 
遠隔作業を円滑化する触覚・力覚
 
昆虫、小鳥サイズの小型飛行体
 
水中移動を高速化する流体抵抗低減
 
D造形による軽量で高耐熱性を持つ材料
 
 
3/17 日経ビジネスオンライン一部抜粋)

 

 これらの研究テーマを見れば、もはや、防衛軍事用とか民生用とかの区別が不可能なことは中学生でも容易に理解できるはずです。これらの最新技術は、防衛装備の高度化に欠くべからざるものであり、今、わが国を虎視眈々と狙っている周辺の独裁国からわが国を守る大きな要素だと言えるのではないでしょうか。そして、民生にも大きく貢献することは間違いなく、民間企業も口から手を出すほど待ち望んでいると思います。わが国は“科学立国”だということを絶対に忘れるべきではありません。

 

 世界各国は、今、官民一体、軍民一体となり、国益の追求にまっしぐら。悠長なこと、のんびりしたことを言ってはおれず「産・官・学・軍・報」はお互いに協力して、日本の進運に貢献すべきではないでしょうか。自衛隊を継子扱いにするのはもう止めましょう。

 

 それにしても、日本学術会議の姿勢は嘆かわしい限り。早速にも、法政大学や関西大学は防衛省からの研究委託を認めないそうですから、何をかいわんや。日本国の防衛に協力しない大学には、国からの援助である「私立大学補助金(平成27年度3174億円)を出すべきではなく、また、国公立大学は、当然、積極的に研究に参加すべきことは言うまでもありません。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回は
時事エッセー
です。

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