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2017年7月28日 (金)

「中共・中国=ナチス・ドイツ」…劉暁波氏死去で英BBC論評!

 596回目のブログです

 

   “戦いを交えるに当たっては、
 
   その唯一の目的が、
 
   平和にあることを忘れてはならない”
 
        (シェイクスピア)

 

 梅雨も明け、暑さもますます厳しくなっていますが、それに加えて世の中を暑苦しくしているのは、政争そのものと言ってよい「加計学園獣医学部新設問題」をめぐる与野党の喧騒です。議論を聞いても、まことに枝葉末節のことばかりで、本質的なことについて全く議論していないことが問題ではないでしょうか。

 

 そもそもの根本的な問題は、文科省が永年に亘って、獣医学部新設の申請書を受け取り拒否していたことであり、その理由が「既得利権」の保持にあったということに過ぎません。それに加えて、青少年の教育に真剣に取り組まねばならない文部科学省事務次官が、連日の如く夜な夜な怪しげなところに足を運んでいたという驚愕の事実。人は言動で判断されます。実質的に「教育」行政のトップである次官の「動」に信用がまったく置けないとすれば、その「言」にも全く信を置けないのは、理の当然と言わざるを得ません。

 

 毎日のように、テレビ、新聞、雑誌などで加計学園問題を騒ぎまくっていますが、もういい加減にして、わが国を取りまく厳しい環境への対応策を真摯に議論してもらいたいものです。

 

 地方行政の最高位にある東京都政についても同じことが言えるでしょう。小池都知事は、721日豊洲市場の無害化を撤回し、来年の春~秋には開場したいと述べましたが、それも、シラッと。これまでの豊洲・築地の大騒ぎ、豊洲移転のちゃぶ台をひっくり返したのは小池都知事その人。都議会議員選挙の勝利を目指し「小池劇場」を大仰に演出するために、豊洲をそのツールに利用しただけに過ぎないことがこれで明白になりました。

 

 もう、いいかげんに嘘の2乗・3乗である「劇場政治」「熱狂政治」「情緒政治」「パフォーマンス政治」「パンとサーカス型政治」は止めにしませんか。

 

 そんなことよりも、もっと重大なことに目を向けましょう。

 

 ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏が死去 批判に中国反発

 

  中国政府を批判し有罪となり、服役中にノーベル平和賞を受賞した作家で人権活動家の劉暁波氏が13日、肝臓がんのため中国遼寧省瀋陽の病院で亡くなった。61歳だった。国外での治療を認めなかった中国政府に対して、国際的な批判が高まっているが、中国政府はこれに反発している。
      (2017/07/14 BBC<
英国放送協会>一部抜粋)

 

 劉暁波氏は1955(昭和30)吉林省生まれ。1988年北京師範大学博士号取得。ノルウエーのオスロ大学、アメリカのハワイ大学、コロンビア大学で中国文学・中国哲学・中国現代政治を教える。

 

 1986年末、天安門事件の3年前「民主化運動」が全国に広がる。これを胡耀邦総書記は容認するも、19894月急死。中国の民主化を支持した総書記・胡耀邦さんの追悼集会が天安門広場で催され、その数が何と10万人を超える事態となってきました。

 

 これに恐怖を覚えた鄧小平は「民主化運動」の弾圧と鎮圧に乗り出す。この動きに対し、劉暁波氏は素早く反応し、1989427日帰国し、民主化運動の指導的役割を担いました。

 

 1989517日、民主化のシンボル・ゴルバチョフが中国を訪問した際の天安門広場に100万人、中国全土で1000万人が民主化デモに参加。いよいよ、520日、北京に戒厳令が発令。天安門広場に戦車や装甲車が突入、凄まじい弾圧、殺戮が加えられ、数千人が死亡、数万人が負傷したと言われています。わたし達は、戦車の進路の前に立ちはだかる勇敢な市民の動画や写真で、その緊迫した雰囲気を感ずることができます。

 

 劉暁波氏は、198966日の投獄から2017713日の死亡までに、何回も「反革命罪」「国家政権転覆扇動罪」で、投獄、釈放を繰り返しています。

 

 2008年、釈放時に、民主化を求めて零八憲章』を起草、仲間の有識者と一緒にインターネットで発表しました。(例によってサイトは当局によって即座に閉鎖)憲章の主な項目は次の通りです。

 

  ・憲法改正    ・立法と民主化(直接選挙)
・三権分立    ・公民教育

・司法の独立   ・財産保護
・人権保障    ・税制改革
・公職選挙    ・社会保障
・結社の自由   ・環境保護
・集会の自由   ・連邦共和制度(香港・マカオの自由)
・言論の自由   ・正義(名誉回復
)
・宗教の自由   ・公器公用(人民解放軍を党から国軍に
)
         ・都市と地方の平等

 

 201010月、劉暁波氏は、不屈の姿勢での民主化・人権促進への貢献でノーベル平和賞を受賞しました。しかし、彼は死の直前まで獄中にいたのです。中華人民共和国は劉暁波氏に対して徹底して弾圧しました。

 

 それについて、BBCはナチス・ドイツと対比しています。

 

 カール・フォン・オシエツキーを知らない人もいるだろうが、中国政府にとっては特に居心地の悪い比較対象だ。フォン・オシエツキーは1935年、ナチス・ドイツの強制収容所にいながらにしてノーベル平和賞を受賞した平和主義者だった。アドルフ・ヒトラーは、家族が代理人として授賞式に出席するのを許さなかった

 

 劉氏はノーベル平和賞に選ばれた時、国家政権転覆扇動の罪で服役中だった。中国政府は、妻が代理として式典に出席することを認めず、それどころか妻・劉霞氏を自宅軟禁にした。オスロで開かれた2010年の平和賞授賞式で、劉氏の代わりに壇上に上がったのは、空の椅子だった。そしてそれを機に、21世紀の中国と1930年代のドイツが比較されるようになったのだ。

 

 厳しい検閲という点でも、劉氏とフォン・オシエツキー氏の状況は似通っている。ナチス・ドイツは1935年の平和賞受賞について、国内での言及を一切禁止した。劉氏の受賞に対する中国の姿勢も同じだ。中国政府はしばらく「空の椅子」という単語での検索をも禁じたほどだ。中国国内では徹底した検閲体制のために国民はほとんど何も知らされていなかった。自分たちの国で、ノーベル平和賞受賞者が死につつあったというのに。

 

  劉氏の投獄から死亡に至るまで、政府は彼の記憶を消し去ろうと一生懸命だった。家族や友人たちがなかなか面会できないように、自宅から約600キロ離れた刑務所に収容した。妻の劉霞さんが置かれた自宅軟禁はあまりにも抑圧的で、彼女は次第に体と健康を害されていった。

 

  ノルウェーに対する中国の懲罰行動は苛烈で、今やノルウェー政府は中国の人権状況や劉氏のノーベル賞について言及を避けるほどだ。

 

 BBCの報道をみると、ノーベル平和賞受賞者への対処に関しては、ナチス・ドイツと中共・中国とはまったく同一であり、同じメンタリティにあると言わざるを得ません。

 

 中国(中華人民共和国)では、劉暁波さんのことは、報道規制のためにほとんど知られていないと言われています。酷い国ですが、かの国を持ち上げるわが国大半のメディアも酷いメディアであり、異常、異様だとも言えるでしょう。

 

 「習近平」は、癌に侵された劉暁波氏を外国で治療させることを禁じたり、劉暁波氏の遺骨を夫人の意向などは完全無視して散骨を命じたり、まさに、人権無視、人道から乖離、人倫の道を外れたナチスと瓜ふたつと言われても反論できますまい。

 しかし、世界の指導者も情けない。安倍首相(日本)・トランプ大統領(アメリカ)・メイ首相(イギリス)・マクロン大統領(フランス)・メルケル首相(ドイツ)…、だ~れも、誰も、中国の習近平主席を批判していないのですから。彼らは、わが国の安倍首相を含めて「人権」「人道」「人倫」を語る資格はありません。

 

 そして、ついでに。いつも人権、人権という言葉を口の端に上らせる日本弁護士連合会も同罪。こんな時、中国共産党政府に一遍の抗議も声明も出していないのですから、まったく「ご都合主義人権屋」と言わざるを得ません。

 

 出るはため息ばかりなり。もう少し何とかしたいものです。

 

 それにしても、BBC(英国放送協会/British Broadcasting Corporation/イギリスの公共放送)の勇気ある報道と論評には大いなる敬意を表したいと思います。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回は
時事エッセー
です。

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コメント

 劉暁波氏は精神的肉体的な「圧殺」死以外の何物でもないが、十億人を超える人口を抱えた大国がそれを平然とやっていることの異常性を、日ごろ自由な言論を金科玉条としている日本の主要メディアが取り上げないそちらの方が、もっと異常。公然と自由を奪われていることを自覚しながら「政府に管理された社会で物質的富に満足している」中国人を、言論の自由も精神的自由も保障され、かつそれを国内で最大限に駆使しながら、韓国・北朝鮮・中国といった法的にも言論の自由の制圧された隣国の問題に目を瞑っている我が国のメディアそしてそれを許している日本国民は笑えるのか?NHKや朝日新聞に代表される「主要メディア」の活動は、あたかも裕福な家庭に育った甘ったれがいい年になりながら、家に引きこもって両親に暴言・暴力を繰り返している、家庭内暴力の光景を思わせる。こんな日本のメディアが国民や世界に社説などで高言を垂れる資格はない。

投稿: 齋藤仁 | 2017年7月29日 (土) 08時45分

大変,迫力のある論評に敬服しました。中国の独裁体制はいつまで続くのでしょうか。また国内の論調に対する鋭い時評にも教えられました。次回も楽しみにしています。

投稿: 安見隆雄 | 2017年7月28日 (金) 06時28分

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