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2017年8月11日 (金)

「太陽光発電」の功と罪!

 598回目のブログです

 

 “槍が岳 そのいただきの 岩にすがり 天の真中に 立ちたり我は”
 
          窪田空穂
(明治10年~昭和42年・国文学者)

 

 詞書きに「槍が岳の絶頂に立つと、我らは世界の荘厳さを身に近く感じられるのに対してただ眼を見張り、息を呑むのみであった」とあり、北アルプスに聳える3,180mの槍ヶ岳に立った時の感動の高さを「天」の真中と表現しているところに、この短歌が秀歌と言われるゆえんかも知れません。

 

 登山家(アルピニスト)と言えば、まず野口健氏が頭に浮かびます。野口さんは、7大陸最高峰最年少登頂の世界記録を達成、富士山の清掃登山、戦没者遺骨収集、地球温暖化問題など、幅広いジャンルで活躍されていますが、その清々しい魂の行動に対し、深く敬意を表したいと思います。

 

 その野口健氏が、7/27産経新聞【直球&曲球】において『八ケ岳のいたるところにソーラーパネルが…自然を破壊してまで必要か、再生可能エネルギー』というコラムを書いています。一部を抜粋しましょう。

 

 八ケ岳。苔の森から岩の稜線まで実にさまざまな表情をもっている。山麓の田園風景は雄大で美しい。しかし、最近、気がつくと至る所に敷き詰められているソーラーパネル。いつも通っていた牧草地もソーラーパネルで埋まっていた。

 

 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT/ Feed-in Tariff)導入後稼働した設備の約9割が太陽光発電

 

 驚かされたのが伊豆高原メガソーラーパーク発電計画だ。大室山近くの山腹の森林を大伐採しソーラーパネルを12万枚並べるという。敷地面積は約105ヘクタール。東京ドーム20個分である。

 

 山を削り日本各地で森林伐採し、美しい景観を壊してまでメガソーラーは本当に必要なのだろうか

 

 再生エネルギーの9割を占める太陽光発電について、その功罪、特に罪過について考えてみたいと思います。

 

 再エネ固定価格買取制度は一種のカルテル。東京電力福島第1原発事故を受けて、再生エネルギーの普及を促そうと、あの菅首相の時政治決定、平成24(2012)に運用開始したものです。

 

 平成29(2017)3月、電力中央研究所は「固定価格買取制度(FIT)による買取総額・賦課金総額の見通し(2017)を発表。

 

           2030年)     2050年)
   累積買取総額   59兆円   94兆円
   累積賦課金額   44兆円   69兆円

 

               (2016)   (2030)
   単年度買取総額  2.3兆円  4.7兆円
   単年度賦課金額  1.8兆円  3.6兆円

 

 何と、2050年には累積買取総額94兆円。もう少しで100兆円に届かんとする数字であり、累積賦課金額も69兆円という途方もない金額が推定されています。

 

 また、買取金も、賦課金も、2030年には、昨年(2016)実績のほぼ倍の数字となるようで驚きを隠せません。

 

 この制度での買取価格は、火力発電や原子力発電より高く、その分は電気料金に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という名で上乗せされています。買い取り総額が膨張すれば、国民の実質負担分(賦課金)の増大につながることになり、大きな問題と言えるでしょう。

 

 泥縄式に、政治的・政略的・政商的にすすめてきた再生エネルギーの有り方について、長期見通しで示された国民負担の枠内に抑えるのか、上まわっても良いとするのか、早期に結論を出す時が来たのではないでしょうか。

 

 この問題については、ドイツ在住の川口マーン恵美女史の貴重な情報と論稿をもとに、再エネ先進国ドイツの実態を参考にしたいと思います。

 

 『ドイツの高価なエネルギー迷路何十億ユーロもの助成金を得たドイツの“グリーン”電気は、環境保護にとっては実質効果ゼロで、電気代を危険なまでに高騰させる。」デュッセルドルフ大学教授/ドイツ独占委員会元委員長/ユスティス・ハウカップ氏・大手紙「フランクフルター・アルゲマイネ」論稿)

 

 ドイツの電気代は、EU平均の50%増。フランスの2倍である。

 

 ドイツが日本と違うところは、ほぼ2000社の大企業は、国際競争力の保持のためという名目で、賦課金の負担を免除、あるいは軽減されていることだ。だから、これら2000の企業は電気代の恩恵を被っており、調子がいい。

 

 しかし、賦課金免除の利益に与れない中小企業は不公平感を強めている。国外脱出も始まっていると言われる。

 

 今年の1月、連邦会計検査院も、ドイツ政府のエネルギー政策の不備を厳しく指摘した。

 

 要するに、ドイツの「エネルギー転換」が大失敗であり、実は環境のためにもなっていなかったことが明かになったことを示しています。

 

 ドイツがエネルギー転換を早急に見直そうとしている今、わが国は、ドイツのケツを追い回すのではなく、先回りする決断が肝要ではないでしょうか。このまま行けば、国民負担は激増するばかり、国民経済にとって大きなマイナスであり、国力を低下させるのみです。

 

 そもそも、採算を度外視して固定価格で例外なく買い取るというのは計画経済の仕組みであり、歪んだ経済システムであることを認識しなければなりません。

 

 野口健さんが指摘するように、大規模太陽光発電の開発に伴う山林伐採や災害時の太陽光パネルの大規模な破損事故など、景観や防災への影響を考慮した厳しい法規制を早急にすすめるべきではないでしょうか。

 

 また、大規模太陽光発電を手掛ける外国企業(中国・ドイツ)に国民の負担金(賦課金)、すなわち実質的な我々の税金が流れることに違和感を覚えます。これも再検討すべき点です。

 

 さいごに、川口マーン恵美女史の提言を記します。

  『一歩先を行くドイツの改革を参考に、日本も適正な再エネ発電量を見極め、一刻も早く制度改革を実施したほうがよい。それが、国民にとっても、国家経済にとっても、エネルギー安全保障にとっても、何よりも大切だと思う。』

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回は
時事エッセー
です。

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