“若い世代”の政治意識を考える!
623回目のブログです。
“木の葉なき 空しき枝に 年暮れて また芽ぐむべき 春ぞ近づく”
京極為兼(鎌倉後期の公卿/歌人)
木の葉が落ちてしまって何もない枝に、1年が過ぎ去って、また新しい芽がうまれてくる春がいよいよ近づいてきている…。
木の葉が落ち一見枯れたかのような冬木も、1年が経過してくれば、再び芽を吹く待ち遠しい春が巡ってくるという、春~夏~秋~冬の、清々とした自然の摂理を詠った素晴らしい和歌と言えるでしょう。
とはいうものの、この冬の寒さ、雪の深さは尋常ではありません。これも緊張著しい一触即発の世界情勢に連動したものでしょうか。はやくこの緊張感が和らぎ、穏やかな春になることを期待したいものですが、そうは簡単に問屋が卸さないでしょう。
さて、つい先日の1月20日(土)~1月21日(日)に行われた「政治に関するFNN世論調査」(Fuji News Network)の結果について考えてみたいと思います。いろんな質問がありますが、そのうちの重要な項目をピックアップします。
○どの政党を支持しますか。
自民党 40.8(%)
立憲民主党 14.8
公明党 4.0
共産党 3.4
日本維新の会 3.0
希望の党 1.3
民進党 0.7
自由党 0.6
社民党 0.5
その他の政党 1.4
支持政党なし 29.0
わからない 0.4
○憲法に自衛隊を明記することに賛成ですか、反対ですか。
賛成 58.0(%)
反対 33.0
わからない 9.0
○慰安婦問題、文大統領の方針に納得できますか、できませんか。
納得できる 5.4(%)
納得できない 80.5
わからない 3.8
○安倍内閣を支持しますか、支持しませんか。
支持する 52.6(%)
支持しない 39.2
わからない 8.2
この世論調査結果の印象を簡単に述べてみたいと思います。
・政党支持率における、希望の党及び民進党の零落ぶりに目を奪われます。というのも昨年秋に行われた総選挙前後の大騒動、…政党の離合集散、小池政治のパフォーマンス、ポピュリズムの乱舞、マスコミの限りなき情報操作…、これらは何だったのか、成果はあったのか、などと考えると何か虚しい気もしてきます。もっと国家、国民、歴史を見据えた落ち着いた政治を志向しないと、近隣の反日、全体主義の国から足元をすくわれるような危惧を覚えるところです。
・わたし達は、現在の自衛隊が内外の危機から真摯に国民を守っていると認識していますが、憲法において、自衛隊は未だに不安定な立場に置かれたままです。にもかかわらず、33%の国民が自衛隊を憲法上に正しく位置づけることに反対しているのは何故なのでしょうか、その現実を直視する必要がありそうです。
彼らの考えは、①どんな事態になっても反戦・非戦、もしも侵略されたら白旗を掲げ命(肉体的いのち)が助かれば良い、②非武装中立が理想、③憲法に“平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して”とあるから、外国が日本を侵略することなんてありえないという宗教カルト的確信、④日米安保条約によってアメリカに守ってもらえばよいではないかという米国依存体質、⑤日本は悪の国であるという反日思想、⑥中国の属国なってもいいではないか、そのためには武装解除もあり、…という具合だと見れば、彼らの根底に共通するものとして「自立精神の欠如」を指摘できるのではないでしょうか。それにしても、反自衛隊、恨(ハン)自衛隊が33%も存在していることに不気味さを感じざるを得ません。
・韓国大統領の執拗な「従軍慰安婦問題」の“ぶり返し”に対しては、80%以上の国民が怒っており、国家間の約束を守ろうとしない国、国民に対しての「嫌韓意識」が大きく広がってきていることが読み取れます。
・ここで注目すべきは安倍内閣の支持率。昨年12月の47.5%⇒今年1月は52.6%、プラス5.1%。過半数の支持を受けているのですが、この中身を分析してみると驚くべき数字にぶちあたります。
結論から言えば、若い世代ほど安倍内閣支持、安倍首相を支持していることが明確になっているのです。
【安倍内閣を支持する】
「男性10代・20代」 71.8%
「男性30代」 69.9%
「女性10代・20代」 59.7%
男性の10~30代は約7割が安倍首相を支持しているのですから驚異的。更に女性の10~20代は約6割が安倍首相を支持。
ところが全体で見れば、52.6%ですから、いかに中高年の不支持が多いかということを示していると言えるでしょう。
この理由は、中高年はテレビの影響が極めて高く、テレビの偏向・印象操作の影響を受けやすいことであり、いわゆる情弱(情報弱者)現象のひとつかも知れません。モリ・カケ騒動をみれば一目瞭然。モリ・カケ番組をのべつくまなく見ていれば、物事の本質から離れ、ワイドショー的善悪の世界に引きずり込まれ、脳内は印象操作に影響されてしまい、安倍首相を悪人と見立ててしまっているのではないでしょうか。
一方、若い世代は、ソーシャルメディアやネットから、正誤、硬軟あわせた情報を自在に集めるため、テレビなどの偏向・印象操作にだまされない傾向があります。そして、現実的に、平成29年12月の完全失業率が2.8%、有効求人倍率が1.59倍、まさに完全雇用の状態にあり、学生などの就職環境は著しく改善、好転していますので、彼ら若い世代は、この状態がずっと続いて欲しいと願い、安倍首相を支持しているものと思います。
若い世代は、中高年のように観念的ではなく、また、戦後教育的、イデオロギー的でもなく、現実の社会、現実の国際情勢に極めて敏感であり、現実を直視しようと考えています。そうだとすれば、この超厳しい国際情勢を乗り切るには、若い世代の発言、思想、志向に耳を傾けることが大切ではないでしょうか。
世論調査の結果から、このような感想を持ちました。若い世代が大きく羽ばたけるよう応援したいと思います。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
高齢者層に「反安倍内閣」の傾向が強いが、彼らの多くは朝日新聞など特定の新聞を読み、NHKや朝日系のニュース解説を見ている事実がある。これは彼らが思考に思考を重ねるための講読や視聴をしているからでなく、彼らの思考や思想よりも、彼らの「人間性」故と思われる。それは権力に関心が強い人(権力志向が強いが故に、それが叶わない場合は反権力に走る)、上下関係の組織を毛嫌いする非社会的な人(体育会系的な部活や企業を苦手とする)、過剰な自尊心を持つ人(ゆえに嫉妬心も強い)、同調集団の中にいないと不安になる(常に宗教団体や組合、文化部のような疑似家族を求める)等といった性格の人たちがそれに該する。一見すると彼らの姿勢は一種の政治政策を表明していると見えるが、実際には個人的な性格を見せているに過ぎない。その証左となるのは、「安倍内閣での憲法改正反対」という非論理的な言葉に現れている。(*なお「親安倍派」の高齢者に同様の論理は使えない。戦後一貫して「安保賛成」や「憲法改正」を公言する人は社会でも組織内でも極・少数派の立場にあり、思考も性格も上述した人々と大きく異なる。)
投稿: 齋藤仁 | 2018年2月 2日 (金) 16時15分
野宗先生
おはようございます。
何時も御配信いただきありがとうございます。
毎回の配信漏れることなく拝読させて頂いてます。
今後とも、ご指導方よろしくお願い申し上げます。
古江拝
投稿: 古江常太郎 | 2018年2月 2日 (金) 08時53分