なぜ韓国はいつまでも“反日”なのか!
627回目のブログです
“昔たれ かかる桜の 花を植ゑて 吉野を春の 山となしけむ”
藤原良経(鎌倉初期・新勅撰和歌集)
桜と言えば吉野と言われるように、吉野の山は桜で有名であるが、昔、誰がこれほどの桜の花の木を植えて、吉野を春の山としたのであろうか…。
梅から桜へ。いよいよ桜の花があちこちに咲くのが待ち遠しい季節になってきましたが、全山、桜ということから言えば、それは奈良県の吉野の山を越える春の山はないと言えるでしょう。
吉野山の桜は200種類3万本。一目千本というほど、一目に千本見える豪華な一大ページェントを演出する見事さですが、古人の誰が桜の木を植えたのか、気になるところです。
その古人たちの恩恵は計り知れなく、それを観賞してきた国民は膨大な数を数えますが、その中には、大々的に花見の宴を催した太閤秀吉も含まれます。山の桜ですから、殿上人、天下人も一般庶民も、その視線を覆い隠すことはできず、誰しも大いに楽しむことができます。そうであれば、わが国の誇る“歴史的自然遺産”である吉野山の桜の木を植えた古人には、心からの感謝があるのみです。
さて、先日、韓国で行われた平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)が閉幕し、わが日本は、金4・銀5・銅4、トータル13のメダルを獲得し従来記録を更新しました。
この冬季オリンピックを政治的に最大限に利用したのが、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と開催国の韓国(大韓民国)でした。朝鮮半島はいつの歴史においても、真の独立の気概を示したことはなく、華夷秩序にひれ伏すものでしたが、内心では独立を望んでいるのでしょう。今回、表面にあらわれた南北のやりとりから判断すると、北の方が南に対して精神的には圧倒的に優位に立っているように思われました。
その理由は、なぜ韓国がいつまでも反日なのかという点と関連があります。この難しい論点を明快に指摘したロバートケリー氏(米国人・政治学者・釜山大学准教授)の「なぜ南韓は日本のことで頭がいっぱいなのか」(2015)(神谷匠蔵氏所論より)から引用してみたいと思います。
・韓国の民衆及びエリート層はともに日本に対して常軌を逸した、そして否定的な執着を持っている。(韓国の異常性)
・韓国メディアの日本についての報道に客観性はなく、否定的な言辞が多用される。例えば、輸出市場獲得で打ち負かすべき競争相手として、アメリカの注目をめぐるライバルとして、全く反省の色を示さない植民地主義者として、「韓流ブーム」に便乗する消費者として、再びアジアを征服する時を待ち構えている軍事帝国主義者として、などだ。
・韓国のナショナリズムは常に「何かの否定」として現れるが、特に「日本」の否定によって特徴づけられ、かつこれが重要なのだが「北朝鮮」の否定としては現れない。この理由は、私の仮説では、北朝鮮が実に見事に韓国のナショナリストの言説を操作しているために韓国側が北朝鮮に敵対する形で自己を規定できないからである
・北朝鮮は「マルクス主義」あるいは「社会主義」といった西欧由来の思想よりも「主体思想」に基づいて「朝鮮民族」ないし「韓民族」の優越性を基礎とする自民族優越主義を基調としたイデオロギーによって成り立っている。この影響が実は韓国にも及んでいる。
・韓国は北朝鮮に比べて「朝鮮民族としての純粋性」という点でどうしても劣らざるを得ない。もし韓国の政治的アイデンティティが民主的でポスト人種主義的であれば大して問題にならないのだが、しかしそうではないのだ。「民族」神話は実は深く反響しており、韓国における教育でそれは教えられているし、つい最近まで国家の忠誠誓約は「民主国家」に対してではなく「(朝鮮)民族」に対してされていた。
要するに、韓国は民主国家としては未だ中途半端であり、韓国での政治的正統性は朝鮮民族への忠誠の程度によるものだと指摘しています。
道理で、今回の平昌オリンピックをめぐっての北と南、北朝鮮と韓国との政治的駆け引きにおいて、韓国の文在寅大統領が北朝鮮の金正恩委員長に翻弄され、下手に出ざるを得ないのも理解できます。
北朝鮮が「主体思想」(チュチェ思想)をもとにした朝鮮民族としての純粋性は、韓国の朝鮮民族意識を遥かに凌駕しており、それゆえに、韓国は北朝鮮に常に“劣等感”を覚え、自らだけでは北朝鮮と対峙することはできないと思いこんでしまっているのではないでしょうか。
そうなれば、その劣等感を弾き返すために、朝鮮民族としての意識を強く発露することが必須であり、そうして初めて北朝鮮と肩を並べることができるというものです。
そこで、仇敵日本を叩き続けることに繋がります。日本をいくら叩いても、米・中・露・北・国連・国際社会は一切文句を言いませんから。
韓国の認識では、抗議をするのは日本の右翼だけ。逆に、韓国に同意さえも示すのが、いわゆる「リベラル」と称する一派。朝日・NHKを筆頭にする主力メディア、日弁連、主力野党、護憲、反自衛隊、親中・親北・反米の連中など。彼らはなぜか反日意識を刷り込まれており、謝罪や賠償さえもOK…。それゆえに、韓国にとって日本叩きは気持ちの良いものとなります。
「朝鮮民族主義」を北と南で争っても、南に勝ち目はありません。なぜならば、韓国には韓国民族主義を鼓舞する栄光の歴史がないからです。北朝鮮は核とミサイル、日本は過去、米・中・露と激烈な戦争をしてきた歴史を有しています。もちろん、韓国はいろいろな戦争を経験していますが、過去2000年、中国との戦争で勝ったことは一回もありません。
したがって、中国やアメリカを叩くわけにはいかず、反撃してこない日本を叩く以外に民族主義を発露する方策がないのです。
韓国に民主主義が定着していれば、民族主義を克服することはできるでしょう。しかし、いまだに民主主義政治が定着していないとすれば「朝鮮民族主義」の盤上で北と南が主導権を争うことになり、その帰結は明らかです。北と南の1対1の勝負であれば、意識の高い北の勝利に終わるのではないでしょうか。
それにしても、目から鱗、韓国問題の根本が「朝鮮民族主義」にあるとすれば、韓国の反日姿勢は“永遠に続く”ことになり、日韓の対立は終わりをつげることはありません。
そうだとすれば、わが国は、韓国との関係をより厳しく対処することが肝要であり、専ら親切心を発揮しようとすることは絶対に避けねばならないのではないでしょうか。親韓・親朝のリベラル派の方にもこのことを是非とも真剣に考えて欲しいものです。
ところで、日韓関係を打開するための方策として、韓国側は、ご退位前の今上陛下のご訪問を強く要望しています。しかし、現在の日韓の対立状況から見て、不測の事態が起きる可能性は極めて大きく、また上記のように、朝鮮民族主義が露骨に表面化している今日、絶対にご訪韓されるべきではないと考えます。
あらためて、韓国とは一定の距離をおくべきだと思うようになりました。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
特定の政治イデオロギーに惑わされない真のリベラリストなら韓国の国民性が、北朝鮮のそれと瓜二つであることを知っている。北朝鮮は金体制のイデオロギーに覆われているため、韓国とは異なるように見えるが、朝鮮民族は半島を生存の場とした古代から、大陸内部に蠢動した様々な民族の圧力を受けて、委縮し服従するだけの歴史しか持たない。一個の人間だけでなく、国家や民族にもサクセスストーリの歴史が必要であり、それが自身及び自国民の精神を安定させ、過去に感謝し、未来へ眼を向けさせる。だが朝鮮民族には近隣諸国に対して一度もサクセスストーリーの時代を築いたことがない。何度も屈辱を味わされたシナ大陸国家に対しては今も歯向かうことができないことを知るが故に、なおのこと日本に対して「言葉だけの」戦いを仕掛けるのである。「言葉だけの」戦いも古代からシナ国家に対して行ってきたもので、相手を怒らせる際どいものとなった段階で謝罪贖罪して済ませてきた外交法である。いずれにしても北朝鮮の核保有は、そうした朝鮮民族の劣等感を十分補う出来事である。即ち核保有をしたのは北朝鮮でなく「半島の朝鮮民族」である。この点において、日米韓の連帯は崩壊している。
投稿: 齋藤仁 | 2018年3月 2日 (金) 10時55分
韓国問題の根本が「朝鮮民族主義」にあるとのご指摘ありがとうございました。シナと日本に挟まれた国の歴史的な事大主義が,このような民族意識を醸成して来たのでしょうか。
投稿: 安見隆雄 | 2018年3月 2日 (金) 09時03分