真の親日国はどこか…データで採点する!
633回目のブログです
“春雨に 濡れてたづねむ 山ざくら 雲のかへしの 嵐もぞ吹く”
藤原師実(平安末期の公卿)
春雨に濡れながらでも、今のうちに山桜を見に行こう。どうやら雲を吹き返すほどの嵐でも来て、桜の花も散らしてしまいそうだから…。
京の桜も、浪速の桜も、淡い桜色の花びらを誇る染井吉野(ソメイヨシノ)は、今年は異状に早く咲き、あっという間に散ってしまい、観賞する期間がきわめて少なかった印象が強く残っています。来年こそは、桜の花の開花に適した天候が長く続くことを祈りつつ、じっくりと観賞してみたいと願っています。
残るは八重桜のみ。有名な大阪の造幣局の桜(134種類349本)の通り抜けは4月11日~4月17日。今年はこれを存分に楽しみたいと思います。
桜と言えば、この花を嫌いな人はほとんどいないと言われています。わが日本も桜のようにすべての人々に愛される存在になりたいものですが、はたして実態はどうでしょうか。
愛されると言うことは、その国の人々が親日的であることと同意であり、それらの国を、次の興味深い本のデータから、探ってみたいと思います。
書 名 『親日国の世界地図』―236のデータで実証
著 者 佐藤 拓(科学ジャーナリスト)
出版社 祥伝社(新書)
価 格 840円+税
親日的かどうかの判断の基準は何でしょうか。一般的には、歴史上のエピソードや個人的な旅行体験などから導かれるもので、感覚的なものであり、根拠はきわめて薄弱、曖昧だと思います。
そこで、著者は、各種の世論調査結果などのデータから親日度指数をはじき出しました。基準はその国民の親日派と反日派の割合。あわせて、親日感情を生み出してきた要素を列挙しています。
【親日指数】
【5】絶対的な親日国 8割以上が親日的、反日派は1割未満
【4】かなりの親日国 7割以上が親日的、反日派は2割以下
【3】親日国 親日派が過半数、反日派は2割以下
【2】友好国 親日派が半数以下~過半数、反日派が2~3割
【1】中立的友好国 親日派が反日派に勝るも、反日派も拮抗
【▲】反日国 反日派が親日派を上回る
【親日感情を生み出してきた要素】
①アジア・太平洋戦争(親日感情と反日感情こもごも)
②戦後の平和外交
③経済大国への成長
④経済・技術支援(ODA)
⑤科学技術および工業製品の信頼度
⑥日系人の功績(日本人移民とその子孫)
⑦日露戦争での勝利(アジア諸国への希望と勇気)
⑧2国間の特別な歴史的事件(難破トルコ軍艦の献身的救助等)
⑨皇室外交
各国がどのような指数になっているかを見ていきましょう。
【日本のことが大好きな国トップ6】
インドネシア 【親日指数5】絶対的な親日国
ベトナム ∥ ∥
フィリピン ∥ ∥
タイ ∥ ∥
台湾 ∥ ∥
マレーシア ∥ ∥
たとえば、対日信頼度調査では、日本を信頼できる・どちらかといえば信頼できる を合わせて、インドネシア91%、ベトナム88%、フィリピン90%、タイ84%、マレーシア84%、という具合に想像を絶する数値となっています。台湾は、世界で一番好きな国のトップに日本が56%という驚異的な数字となり、2位中国の6%を圧倒しています。あらためて驚かざるを得ません。
【同盟国・アメリカおよび近隣国】
アメリカ 【親日指数3】親日国
ロシア 【親日指数2】友好国
中国 【親日指数▲】反日国
韓国 【親日指数▲】反日国
対日信頼度は、アメリカが77%、ロシアが52%、日本を信頼できるに対して、逆に、中国が81%、韓国は86%、圧倒的に日本を信頼できないとしています。
結論から言えば、世界での反日国は、「中国」「韓国」およびデータが不足している「北朝鮮」の3ヶ国だけであり、その他は、5段階の濃淡はあっても、すべて“親日の国”であることを認識したいものです。
上記6ヶ国+4ヶ国以外の主だった国々は次の通りです。
(【2】【1】は省略)
【5】 【4】 【3】
【アジア】 ミャンマー 香港
シンガポール ラオス
インド パキスタン
バングラデシュ カンボジア
スリランカ モンゴル
【中央アジア】 ウズベキスタン
カザフスタン
【大洋州】 オーストラリア
ニュージーランド
【中東】 トルコ
エジプト
イスラエル
【欧州】 フランス ポーランド
イギリス
スペイン
ドイツ
ギリシャ
イタリア
ポルトガル
オーストリア
【アフリカ】 ナイジェリア
ケニア
ガーナ
南アフリカ
【米州】 カナダ メキシコ
ブラジル チリ
コロンビア
各国との信頼関係を見るにつけ、いろいろ問題はあるにせよ、日本は世界のほとんどの国から好意的に見られているということに気づきます。わたし達は、先人が、それぞれの国々と、歴史的な関係、経済的な関係、あるいは政治的な関係を、苦心を重ねながら誠意をもって着実に築いてきたことに感謝するばかりです。
それにしても、ここでも、中国と朝鮮(北と南)という堅くて高い塀が立ちはだかっていることを認識させられます。わが国の政治家には、凛とした姿勢を堅持し、決して慌てず、本道を歩んでほしいと願うばかりです。
何はともあれ、まず、親日国と親善と友好を一層深めることが大切だと思いますが、みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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