「税収大幅増」…景気回復の本格化!
645回目のブログです
“一とせの 過ぎつるよりも たなばたの
こよひをいかに 明しかぬらん”
小弁(後拾遺和歌集)
詞書…(七月六日<七夕の前夜>に詠んだ歌)
織姫と彦星が、夜空に輝く天の川をはさんで、一年に一度だけ会うことを許されている七夕(たなばた)の逢う瀬はいよいよ明日。去年の七月七日から今日までの一年間のせつなさよりも、織女星は、今宵一夜を、どんなに待ち遠しい思いで明かしかねているのであろうか…。
七夕、なかなかロマンティックな伝統ある祭りです。わが国には伝統的なお祭りが、全国いたるところで行われており、その地、その時代の特徴を彩り豊かに表現していることを見ると、民族の永き歴史と民俗の心の豊かさを感じないわけにはいきません。
さて、現実の政治経済は、このような優雅な行事とは異なり、なかなか厳しいものがあります。例えば、デフレ脱却を目指したアベノミクス。思うように成果があがらず苦心を続けてきました。…が、ここにきて、経済指標に大きな変化が表れてきました。
■ 平成29年度の国の税収58兆円台後半
景気回復で26年ぶり高水準
平成29年度の国の一般会計税収が58兆円台後半になることが23日、分かった。前年度比で増収となるのは2年ぶりで、バブル期直後の平成3年度(59兆8000億円)以来、26年ぶりの高い水準となる。景気回復を背景に所得税、法人税、消費税の基幹3税がいずれも28年度を上回ったもようだ。
ただ、世界経済の先行きは不透明で、今後も税収増が続くかどうかは見通せない状況だ。
(2018.6.24 産経ニュース一部抜粋)
各紙一斉の報道ですから、財務省のリークでしょう。それにしても、こんな喜ばしいことはないにも関わらず、各紙とも、今後の見通しには、世界経済を背景に弱気であり悲観的。
例えば、毎日新聞は、上掲の産経と同じく「ただ、トランプ米大統領の保護主義的政策で、米国と中国や欧州連合(EU)などとの貿易摩擦が激化。世界経済が変調すれば、企業業績悪化などで税収に響く懸念もある。」と不安感横溢です。
メディアの論調は、たとえ税収が大きく上がったにしても、世界経済の先行きは不安定であり、世界経済の変調により日本経済は一挙に悪化するとの見方をとっています。
しかし、この見方は正しいのでしょうか。わたし達は、学校やメディアで、日本は貿易立国だと教えられたために、そう思い込んでいる節があります。GDPに占める貿易額の割合の世界ランキングは190位前後、先進20ヶ国で18位。輸出依存度は15%。わが国は輸出依存型ではなく、内需依存型なのです。
日本経済は、もちろん世界経済と深い関係にあることは知らねば人なりませんが、メディアの論調は、海外経済を心配するばかりで、一向に国内経済に目を向けようとはしていません。
それにしても、税収がリーマンショック時の5割アップ。アベノミクスのスタート前から3割アップ。この素晴らしい結果を見れば『景気を良くすれば税収は増える』ことが明確になったのではないでしょうか。
また、直近5月の完全失業率は2.2%に下がり、有効求人倍率は1.6倍になるなど、雇用環境は極めて良好に推移しています。
これらの数値をもとに、経済のあり様を考えて見たいと思います。
①『景気を良くすれば税収は増える』ことが明確になったのであり、まず、景気を維持拡大することを本旨とすべきです。
②税収の主なものは、記事に記されているように、所得税、法人税、消費税。所得税は、景気が拡大すれば所得が増加し税収が増えます。また、景気拡大に応じて株価が上昇すれば、株式譲渡益からの税収も増えます。
③景気の拡大は法人税の増加となります。企業の売上の増加は当然利益の増加となりますが、その利益は売上の増加率よりも大きくなること(固定費はそんなに増えないため)は周知の事実でしょう。
④消費税は個人消費の増加に応じて増えます。景気の拡大は、個人消費の拡大に大きく依存しますから、その勢いを阻むべきではありません。
⑤日本経済は、輸出依存度は低く、内需経済の活発化に力を入れることが肝要であり、その成果はまだまだと言わねばなりません。
⑥以上を鑑みれば、これからやることは必然的に決まってきます。経済活性化、経済成長の微かな勢いを堂々たる奔流(ほんりゅう・激しい勢いの流れ)として発展させていくことであり、間違っても、この勢いを止めるべきではありません。
そして、そのためには、次の二つの政策が、あらためて真剣に検討されるべきではないでしょうか。
●内需拡大策を積極的に講じる
●消費税の増税をやめる
●この二つを「政府特別宣言」として発信し、勢いを鼓舞する
近年のわが国は、本来の日本人が有している“独立自尊”(福沢諭吉)の精神を忘れ、盲目的依頼心の塊のようになっているように思えます。自らを鼓舞することが大切です。
たしかに、上の二つの命題を突破するには、足を引っ張る輩が魑魅魍魎(チミモウリョウ・いろいろな化け物)として跋扈(ばっこ・のさばること)しており、普通の力では不可能です。従って、細かなことに拘泥するのではなく、真の日本人としてのダイナミズム、新しき時代の経済のダイナミズムを索める強い姿勢が必要となるのではないでしょうか。
税収の大幅アップがあきらかになりました。素晴らしい事ですが、まだまだこの数値では不足であり、この勢いを更に強化すべきだと思います。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
ご高説ごもっともです。正論です。
「内需拡大策を積極的に講じる」「消費税の増税をやめる」ということは財政出動の強化を目指すことにつながります。債務残高の大きさが日本のリスク要因として認識されて、金利上昇の圧力が高まり、景気悪化へと言うことにもなりかねません。
人口減少のなかで、需要創出は容易ではありません。どうすれば日本経済が浮揚出来るかを考え、行動する時だと思います。
また、今後の日本の金利上昇を注意深く見守って行かなければいけないと考えます。
投稿: 何処かの魑魅魍魎 | 2018年7月10日 (火) 09時07分