« 「大阪市・学力テスト最下位」…吉村市長危機感一杯! | トップページ | 世界で通じる日本語いろいろ! »

2018年8月24日 (金)

「孔子学院 」恐るべし!

 652回目のブログです


20188241

“敷島の 大和ごころを さきだてて 道ある國と ひとにいはれむ”
 
                明治天皇御製(明治37年)

 敷島の大和の国の精神を先立てて道義国家であると世界中の人々に言われるようになりたいものだ…。

 明治150年。明治の理想は明治天皇の御製に色濃く詠まれています。敷島の大和心を第一にして道義国家を打ち立てることが理想である……と。

 

 わが国は、わが国民は、果たしてそのような道を歩んできたのか、今後の方向を考えるにつけても、平成30年(2018)という明治150年の節目にいろんな思いをめぐらすことが肝要ではないかと思う次第です。

 

 それにしても、世界の情勢は動乱含みであり、特に中国(中華人民共和国)の動向には目を離せません。

 

 その一端として、小ブログでも過去2度触れている「孔子学院」の現状に目を向けてみたいと思います。

 

 米で孔子学院閉鎖相次ぐ 北フロリダ大が閉鎖を決定

 

  米国の北フロリダ大は、学内に設置されている中国政府の非営利教育機構「孔子学院」の閉鎖を決めた。全米の大学などに100程度ある孔子学院をめぐっては、米国内で「中国政府の政治宣伝機関と化している」との批判が高まっており、同大に関しても州選出のルビオ上院議員(共和党)が契約打ち切りを要請していた。同大は、過去4年間にわたる孔子学院での授業が「大学の使命や目標と合致しないと判断した」と説明した。
         (平成30/8/17産経ニュース一部抜粋)

 

 アメリカでは、シカゴ大・ペンシルベニア州立大などの著名大学をはじめ、今年に入りテキサス農工大・西フロリダ大・北フロリダ大などと続々と閉鎖を決めてきています。

 

 孔子学院はどのような規模で世界に広がってきているのでしょうか。

 

 【孔子学院の世界分布(ヶ所・2017年末現在)

 

  孔子学院(大学)      525
  孔子学級(小学校~高校) 1,113
 
      (計)      (1,638)

 

  孔子学院   欧州   173
 
         米州   161
 
         アジア  118
 
         アフリカ  54
 
         大洋州   19
 
         (計) (525)

 

 驚くべき拡散状況。2004年からとすればおよそ13年間で孔子学院と学級を合わせて1638ヶ所ですから、驚異的な数字であり、各国が最高度の恐怖警戒心を懐くのも無理からぬところがあります。

 

 そもそも、孔子学院とは何を目的としたものなのか、そして実態はどうなっているのかについて検討してみましょう。

 

 孔子学院とは、中華人民共和国が海外の大学などの教育機関と提携し、中国語や中国文化の教育及び宣伝、中華人民共和国との友好関係醸成を目的に設立した公的機関である(Wikipedia)とあるように、表向きは中国文化の世界に向けた“伝播”と、中国という一党独裁国家と各国とのいわゆる“友好”を目的にしたものと言えます。

 

 しかしながら、実態は、どうもそのような趣旨通りになっていないからこそ、閉鎖騒動が世界中で生じているものと思われます。その状況を覗いてみましょう。

 

 「孔子学院は中国共産党から資金を得ている機関で、懸念には十分に根拠がある」(ルビオ共和党上院議員)

 

 「もし、我々が米国の大学内で表現の自由や真の討論を欲するならば、外国が米国内で自らの利益を推進しようとしていることは、もっと透明化されなければならない。孔子学院のような団体の登録を義務付け、資金源を明らかにすることは必要である。それにより、外国プロパガンダの悪い影響を、大学生たちに警告することができる。」(コットン共和党上院議員)

 

 これらの資金面を明瞭化するために、上記議員らにより、今年3外国影響力透明化法案が提出された。

 

 孔子学院は孔子の思想、儒学を教える機関ではないことを知るべきである孔子学院は中国の文化戦争の戦場であり、必ず中国が使用している教材を使用し、中国的社会主義を世界に拡大する目的がある」(劉雲山・中国共産党政治局常務委員)

 

 「孔子学院は毛沢東思想を宣伝しスパイ活動を行う」と証言(クリストファー・レイFBI長官)

 

 アメリカでの孔子学院での講演で「台湾」「チベット」「ウイグル」「汚職」「香港雨傘運動」などの言葉を使用することは禁止。自由な言論の封殺)

 

 カナダのトロント教育委員会は「教材の公開を義務付ける」と決議し、その教育内容に問題ありとの認識を示した。

 

 スウェーデンのストックホルム大学副総長は「孔子学院は語学研修機関という触れ込みなのに、中国共産党が指令する教科書を使い政治プロパガンダを行っており、政治的影響があることは明白な事実」として強い批判を展開。

 

 スウェーデンの国会は「孔子学院は中国政府の組織であり、孔子学院が国内の教壇を中国政府に提供することになる」という懸念を表明している。

 

 要するに、中国共産党の習近平主席は「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」を追求することを宣言していますが、そのために中華民族の世界的思想家“孔子”の名前を借用することでソフトイメージを植え付けようとしているのです。

 

 とはいうものの、真実は、共産党一党独裁をさらに強化し、世界の中国化(版図と権益の拡大)を目指すという世界覇権を企図していることは間違いありません。

 

 英エコノミスト誌の中国工作活動の総括を見てみると、パワーには3種類あると指摘しています。

 

 ハードパワー(軍事・経済力)
 
 ソフトパワー(文化・価値観)
 
 シャープパワー(破壊活動・弱いもの苛め・圧力)

 

 「シャープパワー」とは、中国が主に欧米諸国で展開する政界向けなどの世論工作を指し、買収・威嚇・情報操作などの悪辣な手段を駆使し、影響力を与えようとする活動のことであり、中国の人権活動家にノーベル平和賞を授与したノルウェーへの「経済制裁」やTHAADを配備した韓国への「旅行制限」などもシャープパワーの一例です。

 

 中国は、国際世論工作として自国への批判を潰してしまうことであり、特に、人権批判、政治体制、領土主張に対しては、それを主張する学者やジャーナリストなどにビザ発給を止めなど、徹底的に嫌がらせをして、批判的発言をやめさせようとしているのです。

 

 恐るべきチャイナのシャープパワー! わたし達は覚悟をもって対処しなければなりません。

 

 しかしながら、恐れるだけでは能はなく、わが国もチャイナの行動力を見習うべきでしょう。日本は、政治工作機関としての孔子学院を反面教師として捉え、世界各国に『<日本学>学院』を設置し、真のソフトパワーを駆使し、日本文化・日本的価値観を発信、伝播してゆくことを国の基本政策のひとつとして位置づけてはどうでしょうか。

 

 ところで、わが国にも「孔子学院」があります。

 

  立命館大学
桜美林大学
北陸大学
愛知大学
立命館 東京学堂
立命館アジア太平洋大学
札幌大学
大阪産業大学
岡山商科大学
神戸東洋医療学院
早稲田大学
立命館 大阪学堂
工学院大学
福山大学
関西外国語大学
兵庫医科大学中医薬
武蔵野大学

 

 上記大学の孔子学院が正常なる運営をしていることを期待すると共に、間違っても工作拠点になっていないことを望みます。しかしながら、日本は全くの無防備ですから、欧米の例を見れば大甘と言えるかも知れません…。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回は
時事エッセー
です。

|

« 「大阪市・学力テスト最下位」…吉村市長危機感一杯! | トップページ | 世界で通じる日本語いろいろ! »

コメント

日本のメディアは中国問題に甘すぎる。或いは中国当局の圧力や国内左派のいわれなき批判を恐れているのか。「孔子学院」の存在と活動実態についてメディアがしっかり追及して国民に知らせることで、政府も次の手を打つことができる。メディアが日本の自由な民主主義社会を守る姿勢を常に見せることで、中国や韓国などがいかに異質な文化の国であるかを国民も認識する。なお朝鮮学校は文科省や自治体の管理を受ける立場のはずであり、教育内容は国民に明らかにすべきであり、これもメディアが調査し報道すべきではないか。

投稿: 齋藤仁 | 2018年8月24日 (金) 14時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「孔子学院 」恐るべし!:

« 「大阪市・学力テスト最下位」…吉村市長危機感一杯! | トップページ | 世界で通じる日本語いろいろ! »