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2018年10月26日 (金)

「読書」の効用…健康寿命への貢献度大!

 661回目のブログです


201810261

 “薄霧の 晴るる朝けの 庭見れば 草に余れる 秋の白露”
 
          永福門院
(伏見天皇中宮・玉葉和歌集)

 薄い霧が晴れて行く明け方の庭を見れば、草にこぼれるほど置かれている秋の白露の何と美しいことか…。

 秋の白露を歌った和歌は数多くありますが、この白玉のような露に自然の情趣をもよおす日本人独特の美意識にあらためて感動を覚えます。

 

 わたし達は、それぞれがそれなりに、自然界のものや人工のものの中に、美しいものを愛でる美意識を持ってはいますが、心身が健康であればあるほど、それを鋭敏に感じ取ることができるはずです。

 

 わが国は、近年、長寿国としての地位を固めています。しかしながら、果たしてそれが本当の意味で心身ともに健全であるのかどうかについて考えてみたいと思います。

 

 平均寿命、男女とも過去最高 2017年厚労省

 

  2017年の日本人の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳で、ともに過去最高を更新したことが厚労省の調査で判明。16年に比べ女性は0.13歳、男性は0.11歳のプラス。
厚労省は「健康意識が高まり、生活習慣改善の取り組みが個人や企業の間で進んでいることが影響している」と分析。男女とも長寿化が進んでいる実態が浮き彫りになった。
           (2018/7/20 日経新聞一部抜粋)

 

 平均寿命という言葉の他に健康寿命という言葉があります。この用語の差異を見てみましょう

 

【平均寿命】
  0歳の子どもが平均してあと何年生きられるかを示す「平均余命」

 

【健康寿命】
  健康上の問題がない状態で、日常生活が制限されることなく
  生活できる期間

 

 さて、先日、10月13日()夜9時に放映されたNHKスペシャル「AIに聞いてみた どうする日本」の『健康寿命』に関するAIの分析には大いに興味をそそられました。県別の健康寿命に大きな差異がある理由がAI分析で判明したというものです。

 

【日本人の平均寿命と健康寿命】(2016年・厚労省)

 

           男性      女性
 
   平均寿命  80.98歳  87.14歳
 
   健康寿命  72.14歳  74.79歳
 
   (差)   (8.84) (12.34)

 

 これを見ますと、平均寿命と健康寿命の差が、男性で9年、女性には寝たきりや介護期間の必要な状態が長く12年もの差があることに気付きます。

 

 ところで、政府はもとより、ほとんどの国民に関心のあるのは、平均寿命ではなく健康寿命の方ではないでしょうか。そこで、健康寿命について、都道府県別の数字を見てみましょう。

 

【都道府県別の健康寿命ランキング】(2016年・抜粋・熊本除く)

 

          男性           女性
 
   ① 山梨 73.21     ① 愛知 76.32
 
   ② 埼玉 73.10   ② 三重 76.30
 
   ③ 愛知 73.06   ③ 山梨 76.22

 えっ!山梨県がトップとは。そこで、NHKはなぜ山梨が健康長寿なのかとの疑問を解くべく、NHKが自ら開発している「社会問題解決型AI」(愛称:AIひろし)を駆使し、その要因を分析したのです。

 

 愛称AIひろしは、65歳以上41万人の生活習慣や行動に関するアンケート、人類の英知が詰まった約5000万本の学術論文や四半世紀にわたるニュース原稿約250万本、国のあらゆる統計データから、研究機関や民間会社が集めた数十万人の個人パネルデータに至るまで、の膨大な情報を学習し続けているとのこと。

 

 さすがに予算の豊富なNHKのこと、AIの開発進歩も群を抜き、山梨県と健康寿命・健康長寿との関連性を膨大なデータによって見事に分析しました。その結論は、何と読書だったのです。

 

 普通ならば、食事とか、運動とか、会話などを予想するのですが、意外な秘密が読書でした。AIの固定観念にとらわれないビッグデータのすごさにあらためて驚かざるを得ません。そして、読書と言えば図書館ではないでしょうか。

 

  【人口10万人に対する図書館の数】

 

    山梨県   6.59
 
    全国平均  2.61

 

 群を抜いた図書館の数に吃驚。もちろんのこと、図書館の数が多いことは図書館司書も多いことに繋がり、市民の良き知的相談相手になってもらえるでしょう。なぜ図書館が良いのかについて、専門家は次のように指摘しています。(MAG2NEWS広田信子女史論稿)

 

 図書館に行って本を探すことが運動になっている
 知的な刺激を受けている
 過去の記憶を呼び覚ますことにつながる
 読書によって心が動き、それが行動につながる
 そもそも、本を読むということは、それだけの活力があって、
 
  知的好奇心があるということ

 

 かつて社会評論家の大宅壮一は「テレビというメディアは非常に低俗なものであり、テレビばかり見ていると人間の想像力や思考力を低下させてしまう」として“一億総白痴化”の警鐘を鳴らしましたが、まさしく、テレビよりも読書、健康寿命を意識して「読書」に励むことが大事ではないかと思う次第です。

 

 まず、気楽に読書し、GNP・PPKの道へ進みましょう。

 

 『GNP』(国民総生産ではありません)
    げんきで ながいき ぽっくり

 

 『PPK』(長野県体育学会)
    ピンピンと健康に暮らしてコロリ

 

 読書は、健康長寿に繋がることを認識しようではありませんか。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回は
時事エッセー
です。

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コメント

平均寿命と健康寿命は興味深い話です。山梨県の読書とは意外でした。テレビの西郷どんと小説とでは印象が違います。読書という作業の相違点でしょうか。前向きに生きる力を養える読書に励みたいものです。あらゆる病に打ち勝ちピンピンコロリと逝きたいと念じる日々です。ありがとうございました。

投稿: 安見隆雄 | 2018年10月26日 (金) 09時15分

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