“改元・日本”… 新しき御代に向けて!
671回目のブログです
“天皇の 御代万代に かくしこそ 見し明らめめ
立つ年の端に”
大伴家持(万葉集)
天皇(すめろぎ)の御代は万代に亘り、このように、年賀の宴をご覧になるのだろう、新しい年の初めに…。
大晦日の数日前から寒さも一段と厳しくなり、真に冬らしくなるとともに、明けて元旦もそれを引き継ぎ、尖った氷のように凛然とした冷気となっており、この一年の空気を予感させるものがあります。
新年を愛でる上掲の大伴家持の万葉歌は、天皇(すめろぎ)の御代を、歴史の上で寿ぐ歌であり、その感性と情緒にあらためて感銘する次第です。
みなさま、明けましておめでとうございます、本年も引き続きご愛読くださいますようよろしくお願い致します。
【今年の暦】を見てみましょう。
平成31年 (年号)
皇紀2679年(神武天皇ご即位を紀元・BC660)
亥 (十二支・い)
己亥 (十干十二支・つちのとい・きがい)
西暦2019年(キリスト生誕を紀元)
そして、今年の着目点は、何と言っても、今上陛下の御譲位とともに新天皇陛下の御即位、新元号の制定が5月1日に予定されていることです。
平成の御代にはいろいろなことがありました。良き事、悪しき事、いろいろあるなかで、特に禍々しい出来事としては、阪神淡路大震災や東日本大震災、あるいは風水害を含め、自然災害が厳しく覆い被さったことではないでしょうか。もちろん、オーム真理教地下鉄サリン事件の様な異質なことも記憶から離れません。
古来、大きな自然災害は政治の責任と言われてきました。今日においては、為政者は、広い意味での国家の安全保障に万全を期す努力を怠ってはなりません。今、内政も外政も
大変革と大激動の時、すなわち動乱の様相をみせているのではないでしょうか。そうとすれば、政治の根本問題を見過ごして、小手先で対処しようとすることは意味をなさないように思えます。
そう考えて、現在、わが国はどのような課題を抱えているのか、列記してみましょう。
・「憲法改正」
大東亜戦争(第2次世界大戦・太平洋戦争)の敗戦により、GHQの指揮、命令によって制定された現行憲法が70年も経って、未だに、字句のひとつさえも変更してこなかった事実はいかにも奇妙と言わざるを得ません。
“平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して”という憲法前文がいかに絵空事で、全くの偽りの認識であることは、近隣諸国の言動を見れば明白ではないでしょうか。安全保障は国の骨幹であるにもかかわらず、国防軍である自衛隊が憲法の上において宙ぶらりんの存在であることは大きな問題のはずです。
これに対して、安倍首相は、自衛隊の存在を憲法上明記する「改憲案」を具体的に提示しましたが、友党と目された公明党(創価支持)は無視、自民党内も鈍い動き、もちろん野党は響きのよい“護憲”という状況で憲法改正の動きはストップしたままです。このままの状況が続くとすれば、安倍首相の改憲への熱意があるのかどうか、その真意が疑われるようになってきました。
・「北方領土」
安倍首相は所信表明演説で「いまこそ、戦後日本外交の総決算を行う」と高らかに語りました。そのうちのひとつが北方領土返還および日露平和条約締結です。2島返還か4島返還か、あるいはゼロか、日米安保条約とのからみ、ロシアの本格化した4島開発、既に米国資本、韓国資本の投入もあり、複雑な状況を呈しています。
安倍首相は、プーチン大統領との個人的友誼をもとに突破口を開こうと前のめりになっていると言われていますが、果たしてどう切り開くのか、難しい局面です。
・「拉致被害者」
北朝鮮の日本人拉致は主権侵害であるとともに、人権侵害であることは疑いのないことです。安倍首相は永年に亘って拉致問題に関心を寄せ、政治家としてそれなりに対処してきたと自負していますが、拉致被害者一部帰国以来15年間も進展がないことは、厳粛な事実として受けとめなければなりません。
メディアに伝わるところでは、外務省ルートと官邸ルートとのせめぎ合いで激しく対立しているとのこと。冗談でしょう、日本国民の命を守ることは政府の責務であり、内部で功名争いをする時はとっくに過ぎ去っています。この2セクションの上に立つのは内閣総理大臣、安倍首相のはずです。安倍首相の責任は重いと言わざるを得ません。早急な進展を望みます。
・「入管法改正」
安倍自民党は、旧臘、単純労働者を含める外国人労働者を積極的に受け入れる「改正入管法」を成立させ、政府は、今年4月から受け入れを実施することにしました。国会での議論は極めて不真面目、あまりにも拙速、杜撰!
目先の対処方しか議論を進めていません。自民党は近い将来1000万人の移民を受け入れようとしていることをも鑑みて、自民党はもちろんのこと、すべての政治家は、日本という国をどうしようとするのかについて真剣に議論すべきではないでしょうか。
・「地方の疲弊」
地方が疲弊していることは各種データであきらか。わが国は、北海道・本州・四国・九州の4島と多くの島嶼、そして広い海を包含した海洋国家です。国土については均衡ある発展を目指すべきであるということに異議を唱える人はいないでしょう。
その観点から、わたし達国民は、いわゆるインフラについては、すべてを民営化によって解決できるとする策を排し、民営と公営とどちらがより優れているかという点を多角的に検討すべきだと思います。と言うのは、地方の疲弊が本格化したのは郵政民営化からであり、今、郵政民営化は成功したのか、あるいは失敗だったのかを公平に分析、検討する段階に至っていると考えるからです。現在、水道の民営化が提議されていますが、真剣に議論してほしいと考えます。
その他、いろいろな課題があります。そうしたなか、安倍首相の任期は、実質的にはあと2年ですが、首相にはどうも焦りが見えて仕方ありません。その焦りは“レガシー”(遺産)をつくりたいとの気持ちから来ているのではないでしょうか。
“レガシー”(遺産)をつくりたいとの気持ちは“私心”であり、それは拭い去り、あと2年、虚心坦懐に「日本国」「日本の歴史」のための政治を、すなわち“公の心”で進めてほしいと念願します。
あたらしき御代に向けて、お互いに力を尽くそうではありませんか。
みなさんはどのようにお考えでしょうか
次回は
時事エッセー
です。
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