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2019年1月 8日 (火)

辺野古問題…異様な朝日新聞の報道!

 672回目のブログです


20191111

 “あさぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪”
 
              坂上是則(古今集・百人一首)

 夜がほのぼのと明けはじめるころ、あたりを見渡すと、夜明けの月がほんのりと照らしているかのように、吉野の里には白雪が淡く降り積もっているではないか…。

 淡い白雪があたり一面に降り積もっている風景を、夜明けの月がほんのりと照らしているようだと表現した、古き歌人の凛とした美意識と優雅な言葉に圧倒される名歌です。

 

 この和歌は、わたしたちが薄汚れ荒んだ心を癒そうとするならば、わが国の豊かな四季の変化、それも常に変わろうとする微妙な変化に静かに目をむけるのが大切であることを示唆しているのではないでしょうか。

 

 さて、旧臘19日、JR駅のスタンドでたまたま夕刊フジを買ったところ、花田紀凱氏の「天下の暴論」というコラムに、12/15の朝日新聞に辺野古問題の記事が異常に多いと書いてあったことに注目していましたので、先日、図書館に出向き、その実態を詳しく調べてみました。

 

 12月14日、沖縄の辺野古に於いては、政治的思惑からの激しい反対運動が展開されるなかで土砂投入が実施されました。基地を普天間から辺野古へ移設することに強く反対する「朝日新聞」が、沖縄の地元紙「沖縄タイムス」・「琉球新報」の過激な論調に同調し、それなりのページを割くに違いないとの思いは誰しも持っていたと思います。

 

 わたしは、常日ごろから、曖昧なデータ、印象操作のためのデータ、間違ったデータ、虚報、捏造記事については厳しく批判してきており、とにかく確かなデータに信頼を置くことにしています。何はともあれ「辺野古記事」の量と率をご覧ください。

 

 12/15朝日新聞“辺野古”記事率】
     単位:%「辺野古記事量/頁全記事量」(広告欄は除く)
     (大阪版による:東京版もほぼ同じと思われる)

 

     1ページ  51.9%(6段・大見出し)
    2 ∥   84.4%(ほぼ全面・大見出し)
    4 ∥   13.3%(3段)
   12 ∥   27.2%(社説)
   13 ∥   67.6%(8段・大見出し)
 
   34 ∥  100.0%(全面・大見出し)
 
   37 ∥  100.0%(全面・大見出し)

 

 吃驚マークの2乗3乗! 何と、何と、7ページに亘ってこの問題についての記事を掲載しているのですから、桁違いのものすごい分量、開いた口が塞がりません。

 

 さらに、見出しを見てみます。見出しには大きく分けて「大見出し」「中見出し」「小見出し」の3種類があります。これらの記事から「大見出し」「中見出し」を抜書きしましょう。

 

 【1ページ】
  ●辺野古 土地投入 強行
    ・埋め立て本格化 原状回復困難に
    ・想像してほしい 自分の街だとしたら(那覇総局長)
 【2ページ】
  ●民意黙殺 越えた一線
    ・選挙意識急いだ政権
    ・玉城知事「地方自治の破壊」
 【4ページ】
  ・野党、土砂投入に反発
 【12ページ】
  ●「民意も海に埋めるのか」(社説)
 【13ページ】
  ●沖縄保守からの異議
    ・本土と対立しても 基地押しつけ反対 多様性を認めよ
                  (那覇市議・翁長雄治)
    ・声上げ続けなければしわ寄せ(上智大教授・宮城大蔵)
 【34ページ】
  ●「基地負担軽減」曲折の果て(全面)
    ・辺野古埋め立て「沖縄の頭越し」
    ・新基地、踏みにじられた象徴(江上琉球大名誉教授)
    ・軟弱地盤 大規模な改良が必要に(鎌尾日大准教授)
    ・サンゴ保護「無策」のままの暴挙(大久保東京経大准教授)
 【37ページ】
  ●美ら海 島の声 潰す土砂(全面)
    ・投入強行に辺野古で抗議集会
    ・「沖縄はずっとゴミ箱ですか」

 すごい記事量、えげつない見出し、感情論の噴出、煽り記事、平衡感覚のない記事一辺倒、倫理観の欠如、…新聞とはこんなものなんでしょうか。

 

 朝日は、辺野古問題については膨大な記事で対応していますが、現在世界で最も危険な基地といわれる「普天間」についてはゼロと言っていいほどほとんど触れていないのです。このことは朝日が平衡感覚を全く失っていることを示しているのではないでしょうか。辺野古移設に反対ならばどうすべきなのかを現実論で論じなければ意味がありません。これではあの鳩山元首相の鴻毛のように軽い無責任な発言と同じだと言わざるを得ません。

 

 また「サンゴ保護“無策”のままの暴挙」と見出しを付けていますが、ここまで書くのであれば、朝日は、自社の過去の忌まわしい犯罪「珊瑚記事捏造事件」についてひとこと詫びを入れてもいいのではないでしょうか。それで初めて倫理に適うというものです。

 

 【珊瑚記事捏造事件】

 

 平成元年(1989)、沖縄西表島の巨大珊瑚に、朝日の記者自ら「K・Y」と傷つけ無残な姿にするとともに、記事で環境破壊における日本人の精神の貧しさを糾弾した超悪質な自作自演を言います。

 

 マスコミは煽るだけでは責任を免れません。朝日新聞は、過去、虚報・捏造でわが国に激甚な損害を与えた大マスコミです。それらの反省に立って、偏向した過激な論調を展開するのではなく、普通の平衡感覚と常識的な倫理観を基盤にしたマスメディアを志向しなければならないのではないでしょうか。

 

 さはさりながら、それを望むのは、八百屋で魚を買おうとすることと同であり、極めて難しいことなのかも知れません。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか

 

次回は
時事エッセー
です。

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コメント

「大衆受け」をすれば新聞や週刊誌は販売増となり、政治家は当選確実となる。ただ「大衆に受けた」のが正義を貫いた結果であれば、その会社や人物の信頼度を高めるが、大衆は「理性的に正義」の道を選ぶよりも、「嫉妬や刺激のある出来事」を選択する。「大衆受け」と「大衆の信頼度」と違うのである。「大衆受け」を狙って煽情的な報道や発言を続ければ、管理された全体主義社会ならともかく、自由の保証された日本国民はそうしたマスコミや政治家をやがて「異常なマスコミ、異常な政治家」として異端視する時代が来る。朝日新聞は自社が異端視される少数派に陥りつつあることを自覚し始めたため、国民の支持を増やして多数派(彼らがいう「日本の良識」となりたい)ために、さらに国民を煽情せんという悪循環におちいっている。それは先の戦争において終戦に近づくと共にいよいよ狂信的な戦意発揚の記事を創り続け、日本国民を泥沼に陥れた過去と同種のものである。

投稿: 齋藤仁 | 2019年1月12日 (土) 15時23分

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