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2019年3月22日 (金)

“地図”から世界を考えよう!

 682回目のブログです


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 “若の浦に 潮満ち来れば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴鳴き渡る”
                      山部赤人(奈良時代・万葉集)


 和歌の浦に潮が満ちて来ると、干潟が無くなるので、葦の生える岸辺を目指して鶴が鳴き渡ってゆく…。


 歌聖と呼ばれる山部赤人の著名な和歌のひとつ。和歌の浦の絶景を格調高く詠ったものであり、万葉集のなかでも秀歌と言われ、ひろく人口に膾炙しています。まさに、和らいだ気持ちで眺めるに相応しい一幅の絵を描いていると言えるでしょう。


 それにしても、日本の美はその景色にあり、山、森、野原、あるいは、川、湖、海があってこそ、その趣を際立たせるように思えます。そして、海と言えば、瀬戸内のような穏やかな内海ばかりではなく、外海、大海原が日本海や太平洋を通じて地球全体に広がっていることに目を向けなければなりません。


 今や、地球は、未踏の地は皆無と言っていいほど狭くなってきました。加えて、情報革命が激烈に進みそれに輪をかけていることは周知の事実です。近年のインターネットなどの高度情報産業の目まぐるしく凄まじい進展を目の前にすれば、誰しも納得できることではないでしょうか。


 そう考えれば「世界のなかの日本」という視点を忘れるわけにはいきません。そのためには世界地図は必須でしょう。


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  そこで、日本版「世界地図」を見てみると、日本が真ん中、中心にある世界地図であることに気づきます。自国のポジションを中心に置くのは他の国も同様であり、イギリスだとイギリスが中心、アメリカではアメリカが中心です。


 しかしながら、小学生の時から成人に至るまで、いつも日本が中心にある世界地図だけを見ていれば、日本を中心に世界情勢が動いているような錯覚に陥ってしまうのではないでしょうか。わが国の政治家を含めたリーダーが、往々にして「井のなかの蛙」的な発言をするのも、これが一因になっているのかも知れません。


 それでは、スタンダードな世界地図をみてみましょう。


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 この地図では、日本は東の端「極東」に位置していることが明瞭です。日付変更線はいちばん右、したがって太陽が最も早く昇るのが日本、すなわち「日出ずる国」と言うこともできるのです。


 次に、欧州とアメリカ大陸(北米・南米)の近いことが画像として脳にインプットされます。「欧米」ということが何となく理解できるのではないでしょうか。


  そして、中南米にスペイン語圏がなぜ多いのかの答えもすぐ出てきます。それは、スペインと中南米が「すぐそこ」に位置していたから、スペインが植民地にしてしまったことに他なりません。因みにスペイン語圏を挙げてみましょう。


  ・キューバ   ・コロンビア   ・ドミニカ
  ・ベネズエラ  ・メキシコ    ・エクアドル
  ・グアテマラ  ・ペルー     ・エルサルバドル
  ・ボリビア    ・ホンジュラス  ・チリ
  ・ニカラグア  ・アルゼンチン ・ コスタリカ
  ・パラグアイ  ・パナマ     ・ウルグアイ


 このように見てきますと、教室で学ぶ地図は、日本が中心にある地図と日本が東の端にあるスタンダード世界地図の両方ある方が望ましいことになります。


 地図と言えば、世界覇権に全力を傾注している独裁国家・中国(中華人民共和国)は、日ごろ、中国本土から南シナ海・東シナ海を睥睨した地図(俗にいう逆さ地図)を見ています。


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 太平洋に大手を振って進出し、海洋覇権を握ろうとする中国にとって、最も邪魔になるのは「日本」であることは、この逆さ地図を見れば一目瞭然。尖閣諸島・沖縄諸島は目の上のたんこぶ、いかなる手段を弄しても侵略しようとする魂胆は見え見えであり、わが国は一瞬たりとも領域防衛の力を抜くわけにはいきません。ハードパワー、シャープパワー、ソフトパワーのすべてに警戒を怠ってはならないのです。


 わが国は領土面積だけ見れば世界で60位にすぎない小国ですが、海域を加えた海陸総面積で見れば、何と世界第6位の大国です。そうだとすれば、わたしたちは海洋というものを基本的に意識しなければなりません。


  【海域】
    領海              12海里( 22km)
    接続水域           24海里( 44km)
    排他的経済水域(EEZ)    200海里(370km)


 世界のなかの日本、海洋国家日本を感覚的に認識するために最も効果があるのは『地球儀』(made in JAPANに限る!)を備え、日々眺めることではないでしょうか。それが、国際派日本人になるための第一歩。


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 教室に、家庭に、地球儀を備えましょう!


 みなさんはどのようにお考えでしょうか


次回は
時事エッセー
です。

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