「日韓関係」…崩壊の兆し現れる!
687回目のブログです
“忘らむて 野行き山行き 我来れど 我が父母は 忘れせぬかも”
商長首麻呂(あきのおさのおびとまろ・万葉集)
忘れようとして、野行き山行き長い道のりを私はやって来たけれども、わが父母のことは忘れられないものだ…。
これは防人の歌。防人というのは異国から日本を護るために天智天皇二年(664年)頃に、長崎県の壱岐・対馬、福岡県の筑紫などに置かれた律令制度下での兵士を言います。新元号「令和」の典拠となった万葉集には防人の歌が98首採用されており、上の歌はそのうちの一首です。駿河の国(静岡県)から難波(大阪)に向かう途中の野と山を詠んだものであり、素朴な情感がわたし達の胸に迫ってきます。
防人と言えば半島への備え。古来、わが国は半島、大陸との関係に注力してきました。それは現代にも繋がっており、昨今の韓国及び北朝鮮の情勢は緊迫の度をいやが上にも増し、半島の情勢に対処しようとするわが国の苦心もなかなか容易ならぬものがあります。
韓国との関係、いわゆる日韓関係に大きな変化が出てきました。
■ 韓国子会社の事業撤退
=「司法判断に懸念」-半導体関連のフェローテック
半導体関連メーカーのフェローテック(本社東京)は16日、韓国子会社での半導体製造装置部材の開発・製造・販売事業から撤退すると発表。韓国の司 法判断に対する懸念が背景にあり、進出企業の事業継続に影響を与えた形だ。フェローテックは「昨今の韓国における日系企業に対する司法判断などに鑑みると、司法の独立性が完全に担保されない懸念があり、潜在的なリスクを現段階で最小化することが最も適切と判断した」と説明した。
(4/16 jiji.com 一部抜粋)
来るべきものが来たと言わざるを得ません。いわゆる徴用工問題で、韓国司法は日本企業に賠償義務ありとの判決を下し、該当企業の財産没収へと舵を切りました。日韓の関係は日韓基本条約ですべてを解決しているにもかかわらず、韓国政府はそれを無視しています。
このままでは、韓国での事業展開においては余りにもリスクが多過ぎると考え、韓国から撤退することを決断した日本企業の第1号が、上場企業・フェローテックホールディングです。いよいよ日韓関係は「新段階」に突入したと判断せざるを得ません。
今、日韓関係は一触即発の緊張関係にあり、いつ断交があっても不思議ではないくらい、双方に不信感が横溢しています。特にわが国サイドでは、韓国政府・国民の徹底した反日姿勢、反日感情に嫌気が指している状況ではないでしょうか。
現在、日韓関係には下記のような懸案事項が横たわっています。
・竹島をめぐる問題(日本領土を韓国が占領)
・いわゆる慰安婦問題(約定破棄・世界にプロパガンダ)
・歴史教科書問題(日本の歴史教科書へ内政干渉)
・いわゆる徴用工問題(判決・賠償請求)
・日本海呼称問題(日本海を東海に・世界にプロパガンダ)
・仏像盗難事件(盗難仏像を返却せず)
・知的財産権侵害問題(日本製イチゴ新品種の盗用栽培など)
・旭日旗批判問題(旭日旗=軍国主義との主張)
・韓国海軍レーダー照射事件(危うく戦闘一歩前)
・韓国国会議長・天皇陛下に謝罪要求(慰安婦に対して)
あるは、あるは、まだまだいくらでもありますが、安倍内閣は穏忍自重し「残念」「遺憾」の意をただ述べるだけの状況が続いています。反論しない、反撃しない、何も対策を講じない、まったく軟弱外交の見本のようになっていることは衆目の一致するところです。ただ唯一、日韓の通貨スワップ協定(実態として:韓国が金融不安に陥った時日本は円およびドルを融通し支援すること)だけは打ち切っています。
このような中、日韓の信頼関係は世論ベースではどうなっているでしょうか。平成30年(2018)6月、特定非営利活動法人・言論NPOが行った日韓共同世論調査を見てみましょう。
【韓国に対する日本世論の印象】
良くない印象 46.3(%)
良い印象 22.9
どちらともいえない 30.8
【日本に対する韓国世論の印象】
良くない印象 50.6(%)
良い印象 28.3
どちらともいえない 21.1
この数字を見れば、両国民とも半数近くが不信感を抱いていることが分かりますが、ここ数か月の韓国政府の法理をわきまえない反日攻勢、例えば、いわゆる徴用工賠償判決などによる、わが国の嫌韓意識の高まりを加味すれば、日本世論の韓国に対する「良くない印象」は70%を越すのではないかと思われます。
ここで、文在寅大統領率いる韓国の状況について考えて見ましょう。
・韓国最大の財閥企業であるサムスンが営業利益60%減を発表。また、中堅財閥企業の錦湖アシアナグループが中核企業である韓国第2位のエアライン「アシアナ航空」の売却を発表、韓国経済の行きづまりが顕著になってきました。
・左翼である文在寅政権は、人気取りのために2018年に前年比16.4%、2019年に10.9という急激かつ大幅な最低賃金引き上げを行いました。実体経済が上向いていないのですから、その結果、中小企業がガタガタになりました。
・韓国は、一応民主主義の形は取ってはいますが、文政権は司法も含み全権力を掌握し、「積弊清算」「親日派排除」の掛け声のもと、保守派や守旧派を弾劾、逮捕・失脚に追い込んでいます。
・4月5日韓国ギャラップ社の調査結果によると、文在寅大統領の支持率は41%で過去最低、不支持率は49%で過去最大となっています。不支持の理由は、経済問題と偏向した親北政策。
・文在寅大統領は、自ら蒔いた国内問題の解決が難しいことから、その矛先を外に向けようとしました。しかし、中国、ロシア、アメリカには頭があがらず、反論も反撃もしない弱腰の日本に向け、連日、国民受けもよく心地もよい「反日」姿勢を強く打ち出しているのです。
・韓国は、政治・経済・外交とあらゆる領域で袋小路に入ったと思われます。島田久仁彦氏によれば、韓国は世界の信頼を失い、世界的な韓国離れを来たしていると指摘。そして【朝鮮半島におけるEnd Games(終局・大詰め)】の局面を次のようにあげています。
①4/18北朝鮮による“新型誘導兵器”の発射実験
②落ちる一方の韓国の国際社会での威光
・ノーベル平和賞に言及
・北朝鮮に接近(国際社会にはかることなく)
・トランプ大統領との対話わずか2分
・戦略的な戦力を沖縄およびグアムに移動
③国際ビジネスの韓国離れ
アメリカ・欧州・中国、日本企業も引き上げ、投資回収
④ローマ法王の政治利用
ローマ法王に訪朝を依頼(金正恩氏の名代で)
朝鮮半島におけるEnd Gamesから見えてくることは、これらは南、北、両朝鮮を孤立化させる方向に進んでいることであり、その矛先が日本に向かうこともありうると島田氏は警鐘を鳴らしています。
End Gamesとは気付きませんでした。指摘されてみれば肯くことがあります。年初に、現役大統領である文在寅氏の娘と孫が東南アジアに移住したことが報道されましたが、これは極めて異例であり、一部では「亡命の準備」とも言われています。
歴代の大統領はすべて、逮捕、収監、暗殺、亡命、自殺、など不幸な結末を招いていますから、いつ「亡命」があってもおかしくはありません。
それにしても、1000年もの長い間「恨」(ハン)の感情を抱く民族に、未来志向を期待することは空しいことかも知れません。しかし歴史に学べば、隣国でもあり一定の距離を置いて最低限の付き合いをすることしかないような感じがします。近隣つき合いはそんなものではないでしょうか。
難しい課題ですが、歴史に学びたいと思います。
みなさんは半島との関係をどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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