度重なる「朝日」の誤報と誤認!
“思ふこと など問ふ人の なかるらん 仰げば空に 月ぞさやけき”
慈円(平安末期~鎌倉初期・大僧正)
自分の思い悩んでいることをどうしてたずねてくれる人がいないのであろうか。仰げば、空に月のみがさやかに照り、慰めてくれるかのようだ…。
人の悩みは尽きぬもの。謙虚に考えて見れば、どのような立場の人であれ、自己の弱点や組織の持つ歪み・不条理に対して、何とか克服しようと努力を重ねてはみても、なかなかその結果が思わしくないこともあるでしょう。
しかし、その弱点や不条理が社会や国家に多大な迷惑となることだけは避けなければなりません。それにもかかわらず、相変わらずの悪態を突くマスメディアが存在していることに改めて驚きを隠せません。
性懲りもなく、またまたやらかしました朝日新聞の「大誤報」をご覧ください。
6月28日、熊本地裁は、ハンセン病患者の隔離政策による家族への差別被害を認めて、国に約3億7千万円の賠償金を支払うことを求める判決を下しました。
これを受け、政府は、控訴するのか控訴しないのか、どう対応するのかが注目されていたのです。参議員議員選挙の最中でもあり、報道に間違いがあっては、選挙に影響を与えることになり、メディア各社慎重に取材していたと思われます。
朝日新聞は、7月9日朝刊の1面で “ハンセン病家族訴訟 国控訴へ”と大見出しを掲げ「政府(安倍首相)は、この判決は不当だとして、控訴して高裁で争う方針を固めた」と強い語調で報じました。
ところが、これが真っ赤な嘘、誤報、フェイクニュースだったのです。NHKは7月9日の深夜2時過ぎには「ハンセン病 家族への賠償命じた判決に政府が控訴断念へ」と報じ、朝のニュースでは「ハンセン病家族訴訟、控訴せず、安倍首相が決定」とテロップが流されました。
これには朝日は大騒ぎ。翌7月10日の朝刊1面に前日とは真逆の“ハンセン病家族訴訟 控訴せず”との大見出し。当然ながら、誤報のお詫びと経過についての記事が大きく載っています。
朝日の釈明によると「朝日新聞は、政治部・科学医療部・社会部・文化くらし報道部を中心に、政府がどう対応するのか取材し、最終的に首相の動向を知りうる政権幹部などに取材した結果、政府は控訴すると判断した」とのことです。
朝日は、全関係部署の総力を挙げて、厚労省、法務省、および内閣官房、安倍首相周辺に取材したと見るべきでしょう。しかし、結果は見るも無残、完全な誤報、大誤報と言わねばなりません。…ということは、現在の朝日の取材力は大幅に低下してきていることを示しているようです。
ここで、朝日新聞に、なぜこのような誤報が生じたのかについて考えて見ます。
①朝日新聞の意識の根底に、朝日こそメディアの中心をなす高級紙であり“社会の木鐸”として、一般国民、一般社会、政府・官僚を教え導く存在だという感覚があるのではないか。そうであるが故に、自分の判断に誤謬はないとの意識が横溢しており、今回の件でも「もう少し時間を待つ」という謙虚な姿勢を欠いていることが一因と考えられます。
②“反安倍”“嫌安倍”“安倍の顔を見るのも嫌”意識が強烈すぎます。かつての論説主幹が「安倍の葬式は朝日が出す」とのたまうくらいですから、社内に反安倍の風が吹きまくっていることは容易に想像できますが、これは、異様、異常と言わねばなりません。
主義主張は当然あるでしょうが、取材する時くらいは主張を降ろして耳を傾け真実に迫ることが大切ではないでしょうか。そうでなければ、安倍首相の精神と心理と戦略を理解できないし、安倍首相サイドからの生情報が入って来ないのではないかと思います。
安倍総理、安倍首相、安倍総裁、安倍氏、安倍さん、と普通に言うべきであって、間違っても“安倍”と呼び捨てにしないで欲しいと思います。社の外でも内でも。社の品性にかかわることを認識してほしいと思います。いやしくも一国の総理大臣ですから。
③現在、参議院議員選挙が進行中であり、安倍首相は、今では名うての選挙上手と言われる政治家です。敢えて言うならば、今回の控訴断念も選挙を考慮に入れた深謀遠慮と考えられませんか。プロ記者の多い朝日はなぜそう考えなかったのか、まことに不可思議と言わねばなりません。
④朝日は、参議院議員選挙で安倍首相に失点を与えることを目論んだために、FACT(事実)よりもイデオロギー・憎悪の側面が強くなり、政界の微妙な動きが見えず、7月9日の第1面に『控訴へ』という大見出しを付けたのではないかとも考えます。…うがった見方かも知れませんが、これが大誤報の真の背景ではないでしょうか。
⑤朝日新聞の立ち位置は、リベラル左翼であり、また、片足を大陸(中華人民共和国)・半島(南北朝鮮)、片足を日本列島においていると考えます。例えば、北朝鮮を礼賛したり、韓国の従軍慰安婦を擁護したり、今、韓国半導体問題で100%韓国サイドに寄り添った発言(誤認識もとづく!)をしたり、およそ一般的日本人の意識に較べ大きな乖離があります。
もう、いい加減日本に「両足」で立つべきです。親中・媚中・屈中、親韓・媚韓・屈韓、親朝・媚朝・屈朝、を拭い去りましょう。ここは日本ですから、日本の歴史と文明の真の姿に触れ、それに誇りを持とうではありませんか。
それにしても、朝日は何かおかしいのではないかと思う今日この頃です。
みなさんは、どのようにお考えですか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
朝日新聞の今回の誤報事件は、吉田清治の作り話をもとに報道を続けた「従軍慰安婦」問題と本質は変わっていない。慰安婦問題で朝日新聞は謝罪したが、それは一部に事実でない報道があったという意味であって、「日本軍によって朝鮮人慰安婦が悲惨非道な目にあった」という「思い込み」は変更していない。(辻本清美や鳩山由紀夫などの政治家も同じ)なぜ「思い込み」かと言えば、朝日新聞の報道を見れば、戦後一貫して日本軍の悪行の証拠を現地取材や占領軍が集めた資料などから徹底的に調べてきたことがわかる。それでも確固たる証拠が見つからなかった。そこに「当事者だった吉田某の証言が出て来た」ので欣喜雀躍し、それを証拠資料として「あったはずの日本軍の悪行」の思い込みで全体像を作り上げて報道した。即ち朝日新聞は歴史問題・政治問題について、「事実」でなく「思い込み」を基盤にして記事を作っているので虚報や誤報は逃れられない社の体質になっている。
もう一つ指摘しておきたいのは、朝日新聞上層部の硬直化した思考が昭和前期の陸軍上層部のそれと極めて似ていることである。当時頻発していた大陸での紛争解決法について、当時の朝日新聞の論調と陸軍上層部の思考は武力解決に凝り固まっており、それが日本の外交を硬直化泥沼化させた。朝日記者が帝大卒なら、陸軍上層部も陸大卒であり、いずれも「末は博士か将軍か」のエリート意識の塊となっている。同じ道を歩むときは互いを褒め称えあうが、対立する道を歩めば、死ぬまで妥協することはない。エリート故の自尊心がそれを許さない。職の如何を問わず誰でも専門職に長じるとともに思考が画一化するが、幼少年期も生育環境や学歴などでエリートとして育った人は成人後の専門職でもエリートの立場につくと、思考の硬直化が激しく、事実・現実よりも本人の考え・思い込みのほうを正しいとするようになる。社会にエリートは必要だが、彼らに不可欠な資質は柔軟な思考と自己犠牲の覚悟であって、強固な自尊心であってはならない。
投稿: 齋藤仁 | 2019年7月19日 (金) 10時12分