侵犯され続ける尖閣…事実を直視しよう!
709回目のブログです
『螢の光』
一、蛍の光、窓の雪
書(ふみ)読む月日、重ねつつ、
いつしか年も、すぎの戸を、
開けてぞ今朝は、別れ行く。
二、止まるも行くも、限りとて、
互(かたみ)に思う、千萬(ちよろず)の、
心の端(はし)を、一言に、
幸(さき)くと許(ばか)り、歌うなり。
三、筑紫の極み、陸(みち)の奥、
海山遠く、隔つとも、
その眞心(まごころ)は、隔て無く、
一つに尽くせ、國の為。
四、千島の奥も、沖繩も、
八洲(やしま)の内の、護(まも)りなり、
至らん國に、勲(いさお)しく、
努めよ我が背、恙(つつが)無く。
和歌でもなく、俳句でもなく、漢詩でもなく、のっけから人口に膾炙した「蛍の光」の歌詞を掲げました。そのわけは、近年の蛍の光が1番と2番のみしか歌われておらず、3番と4番は無視、特に4番の“千島の奥も、沖縄も~”が敢えて捨象されていることを指摘したかったからです。
これは、戦後GHQによる国民の国防意識を無くさせる教育方針に則ったものであり、その影響は今日まで延々と続いてきていると考えられます。
竹島でも、尖閣でも、真面目に国防・防衛の観点から見ているとは思われません。…今「尖閣」がどうなっているか、みなさんご存知でしょうか。驚くなかれ、とんでもない状況になっているのです。実態を見ていきましょう。
■ 中国公船4隻が領海侵入=沖縄・尖閣沖
沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で16日、中国海警局の「海警」4隻が日本の領海に侵入し、約1時間50分航行した。尖閣諸島沖での中国公船の領海侵入は8月29日以来で、今年25回目。
第11管区海上保安本部によると、海警「1102」「2201」「2302」「2502」が午前10時10〜30分ごろ、魚釣島北北西の領海に侵入。同11時40分〜正午ごろ、同島西南西で領海を出た。
(9月16日 時事通信)
今年になってから中国公船の尖閣における領海侵犯はほとんど報道されていませんが、どっこい、領海侵犯が常態化したままであることに変わりはないのです。わが国が領海侵犯に不感症になったことは中国の「思う壺」であり、将来の“実効支配”の根拠にするに違いありません。
以下のデータは、海上保安庁の発表数字を加工したものです。
【令和元年7月・中国公船による尖閣諸島接近状況】
(日付) (接続水域)(領海侵入)<接続水域入域の内数>
1 2
2 6
3 4
4 4
5 4
6 4
7 4
8 4
9 4
10 4 4
11 4
12 4
13 4
14 4
15 4 4
16 8
17 4
18
19
20
21 4
22 4
23 4
24 4
25 4
26 4
27 4 4
28 4
29 4
30 4
31 8
(合計) (120隻) (12隻)
・領海とは、領海の基線から12海里(約22km)の線までの海域
・接続水域とは、領海の基線からその外側24海里(約44km)の線までの海域
(領海を除く)
尖閣諸島は魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬などの8島で構成され、総面積は約5.6km2。戦前には日本人居住者がいた時期もありましたが、昭和15年(1940)以降はいずれも無人となっています。
上の表で分かるように、チャイナ(中国・中華人民共和国)は連日のように公船を尖閣諸島周囲の接続水域に入ったり、領海に侵入したりして、わが日本を威嚇、睥睨(へいげい・にらみつけて威圧)しつつ、悠々と遊弋(ゆうよく・艦船が水上をあちこち動き回って敵に備えること)していることがわかります。
ここで、過去10年のデータを見てみましょう。
【過去10年・中国公船による尖閣諸島接近状況】
(年別月平均・単位は隻)
(年) 接続水域入域 領海侵入(接続水域入域の内数)
平成21(2009) 0 0
22(2010) 3.0 0
23(2011) 1.8 0.2
24(2012) 35.7 6.1
25(2013) 35.7 15.7
26(2014) 59.2 7.3
27(2015) 59.1 7.9
28(2016) 62.7 10.1
29(2017) 58.0 9.0
30(2018) 51.3 5.8
令和 1(2019) 79.5 11.8 <8月までの月平均>
今年に入って、中国公船の侵入回数が大幅に増加していることがわかります。チャイナは、従来より、尖閣・沖縄を自国のものと主張してきており、近年、内外の工作を積極的に展開しています。
その証拠に、沖縄は知事以下かなり取り込まれているような雰囲気となっています。先日、沖縄の玉城デニー知事が、記者会見で、八重山漁船が中国公船に追尾された件を「中国公船がパトロールしていることもあるので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と発言しました。
要するに、玉城デニー知事は、尖閣は実質的に中国のものであり、日本国の領土ではないとの認識を示したと言えるでしょう。これは彼が、何らかの理由で、例えば、思想で、あるいは利権で、あるいはその他で、すでに中国側に強く引き込まれていることを示していると言ってもよいのではないでしょうか。
マスメディアも、尖閣が日本の領土であると確信するならば、上記のような分かりやすいデータを作成し、日本国の読者に領土防衛についての問題を真剣に投げかけるべきです。
尖閣を守るためには、日本の政治(政府・国会・裁判所)、マスメディア、国民の全てが、ラグビーで言う『スクラム』を組むことが大切ではないでしょうか。
今、「ラグビーワールドカップ2019 大会」が日本において行われています。血沸き肉躍る統制のとれた肉弾戦、チームの結束と戦略戦術の華麗で知的な展開は、深い感動とともに、わたし達の忘れかけている素朴な防衛魂を揺り動かしてくれているような気がします。…ラグビーW杯は必見です。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
石原慎太郎のような指導者であれば尖閣諸島に灯台建設とそれを管理する人員の派遣などの具体的実効策をとれるだろうが、現時点の安倍政権では難しいだろう。だが中国は米中経済対立が対等な形または中国との決定的対立(力の対決)をアメリカが避けるような政策をとった場合、尖閣諸島で領海侵犯による日本の警備船との物理的衝突を起こして、国民の反日愛国心扇動により共産党政権の安定化を図る可能性は高い。 現状の安倍政権を考えると、その危機に備えるための可能な具体策は二つで、一つは尖閣諸島の領土問題と中国船の侵犯状況について日本国民への啓発活動を広げること、もう一つは令和二年度の防衛予算をGNPの2%に高めることである。
投稿: 齋藤仁 | 2019年9月30日 (月) 16時49分