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2019年10月11日 (金)

鎮守の杜・境内でバイオリンを聴く!

 711回目のブログです

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 “木綿(ゆふ)かけて 斎(いは)ふこの社(もり) 越えぬべく
                                    思ほゆるかも、恋の繁(しげ)きに”
                                                 (詠み人知らず/万葉集)

 神域の木綿を懸けて清め祭っている社(やしろ)、この神域さへも、ほんにまったく踏み越えて入り込んでしまいそうな気がする。恋のあまりな激しさに…。

  「杜」「森」「社」「神社」は、すべて“モリ”と読むことができます。現代でもその雰囲気はありますが、古において“モリ”は厳かな言葉であり人々の信仰と密接に関係していました。上掲の万葉の歌は、燃えるような恋と厳かな神域を際立って対比的に描写した名歌と言えるのではないでしょうか。

  秋と言えばスポーツの秋。その中でも、何と言ってもラグビーというスポーツに注目したいところです。ラグビー・ワールドカップでの「日本チーム」が、快調の滑り出しでロシアに圧勝、その余勢を駆って強敵アイルランドにも快勝。そしてサモアにも悠々と勝利。予選通過は間違いないでしょうし、この迫力と勢いを維持し続けてほしいものです。

  もうひとつ、秋と言えば芸術の秋でもあります。世の中が殺伐とした雰囲気を醸し出している時、心を癒し、精神に凛としたものを感じさせてくれるのが、芸術の効用であり醍醐味ではないでしょうか。

  そんな時、ご縁があって、神社の境内で世界的なバイオリン奏者の演奏を聴く機会を得ました。ご縁を大切に、心のつながりとして永く保つように努めれば、良いことも起きるものだなと思った次第です。

  『第10回 古澤巌 千里天神奉納公演』~潤いの時~

  場所:上新田天神社<千里天神>本殿前境内(大阪府豊中市)
  主催:世界芸術者平和協会
  共催:上新田天神社(千里天神)

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    千里天神鳥居

  古澤巌さんの演奏は、これまで2回聴いたことがあります。一度は本格的なコンサートホールで、一度は大阪万博公園の広大な芝生の上で、麗しい音色に魅了されました。       

  古澤巌さんは、TOP VIOLINISTとして、クラシックからポップスまで幅広く、世界の音楽家と共演するなどの経歴の持ち主ですが、今年60歳の還暦を迎えられても意気軒昂、ますます円熟の境地を高められるものと思います。

  この千里天神は小さな神社ですが、奉納公演を10年も続けられているとのこと、吃驚するとともに感心します。世界芸術者平和協会は音楽家・芸術家を軸に「DIVERGENT(異端)を悪とするのではなく、DIVERGENSY(多様性)への理解にこそ人類の未来がある!」として、世界平和を願う古澤巌さんを迎えての公演を実現したとのことでした。…それも、あらゆる民族の神様や仏様、ご先祖に心を寄せる「敬神崇祖」の念を実践する日本の神社に於いて

  古澤巌さんは、同じバイオリニストの葉加瀬太郎さんや高嶋ちさ子さんと3大バイオリニストとして、たびたび共演。また、雅楽師の東儀秀樹さんやアコーディオニストのcobaさんと「TFC55」を組みコンサートツアーを展開。その他交響楽団での演奏などは世界的な広がりを見せています。

  当日の演奏開始は夕方の6時。わたし達は初めての場所でもあり、5時前に到着し、まずは本殿に参拝しました。神様に拝礼すると心が落ち着きます。5時半の受付をすませ席で開演を待ちました。

 5時半くらいから、夕闇が迫り、鎮守の杜特有のゆったりと落ち着いた雰囲気が出てまいります。それからしばらくして宮司さんが、古澤巌さんやわたし達聴衆にお祓いをされ、まさに夜の帳が下りようとする時が演奏の開始でした。

  いよいよ世界的バイオリニスト古澤巌さんの登場。品の良い麗しいスカーフを顎あてカバーに…これぞまさしくファッショナブルな古澤スタイル。クラシックから現代音楽、日本の曲から世界の曲まで、およそ1時間半、まわりの灯りはぼんやりと、幻想的な雰囲気の中で数々の名曲を鑑賞しました。これを至福と言わずして、何を至福と言えがよいのでしょうか。加えて、多少汚れているであろうわが心も洗い清められたに違いありません。

  この神社・千里天神は、正式名を上新田(かみしんでん)天神社と言いますから、上新田村の開墾とともに始まったものであり、周囲は田畑だったと思われますが、いまは、千里ニュータウンとして高層マンションなどに囲まれ、本殿の奥にはその一端がのぞいています(写真をごらんください)。

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      千里天神本殿

  それでも、いわゆる鎮守の杜であったればこそ、今でも静かな心落ち着く厳かな場所としての存在は微動だにしません。ここで、鎮守の杜とはどんなものかを神社本庁のパンフレットから一部を引用します。

 【日本人の心のふるさと…鎮守の森】

 神と人とをつなぐ場所
鎮守の森の奥に鎮まる社殿では祭りが行われ、様々な芸能が奉納されます。人々は神々とともにそれを楽しみ、神々の力を身に受けてきたのです。

 ・神と人とが出会う場所
鎮守の森は、生活空間の近くにある聖なる空間です。祭りの場であるとともに、聖と俗をつなぐ仲立ちの場でもあります。(例えば、神楽・雅楽・能・狂言・歌舞伎などの芸能は神々の世界へ働きかけるもの)

 人と人とをつなぐ場所
鎮守の杜は、大いなる自然と私たちを繋ぎ、地域コミュニティーの中心となって人々の絆を深める場となり、過去と未来の世代を繋ぐ仲立ちの場となっています。

 時代の進展は如何ともしがたい所はありますが、古澤巌さんの奉納公演が行われた千里天神には、それでも、かなりの緑と場所が残されているのですから、神社や鎮守の杜は大切にしたいものです。

 自然の中、歴史の中での音楽鑑賞…これぞ素晴らしいライブといえるのではないでしょうか。

 神社・境内での素晴らしいバイオリン演奏を鑑賞しての感想を述べました。

次回は
時事エッセー
です。

 

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