習近平主席訪日の魂胆は「天皇陛下の政治利用」だ!
718回目のブログです
“あらし吹く み室の山の もみぢばは 竜田の川の 錦なりけり”
能因法師(後拾遺集・百人一首)
嵐が吹き散らした三室の山の紅葉の葉が、龍田川に一面に散っているが、まるで錦の織物のように美しいではないか…。
紅葉もいよいよ見納め時を迎えようとしていますが、今年の秋はなんとなく期間が短く感じられてなりません。わが国の四季が、春、夏、秋、冬、それぞれ3ヶ月前後あるとするならば、出来ればその期間一杯、四季それぞれの風情を存分に楽しみたいものです。
ところで、世界の情勢は混沌としてきており、わが国の政治リーダーには、秋の風情を楽しむ余裕はほとんどないはずです。にもかかわらず、国内政治の世界は「桜をみる会」招待客名簿やそれに関連するホテル宴会費を巡るスキャンダラスな話題のみであり、内政、外政の議論が明後日の方向に追いやられるという、全く緊張感のない日が続いています。
果して、これで良いのでしょうか。ことは急を要する問題が出てきています。それは、安倍首相が、来春、習近平・中華人民共和国主席を『国賓招待』しようとしていることの是非に他なりません。このことについて、真剣に考えて見たいと思います。
まずは国際情勢の基本的認識から。今、世界の耳目を集めているのは、何と言っても米中の貿易戦争、いや米中覇権争い、そんな生ぬるいことではなく、全面的な『米中覇権戦争』の動向ではないでしょうか。
米国のペンス副大統領は10月24日、中国と貿易、軍事、人権など全ての分野にわたって全面的に対抗していくとの力強く格調の高い講演を行いました。これに引き続いて、10月30日、ポンペオ米国務長官も中国に『宣戦布告』しました。
■ 「団結して中国と対決を」世界に呼びかける米国
10月30日、米国のマイク・ポンペオ国務長官は対中国政策について演説し、中国共産党政権は米国やその他の民主主義諸国の価値観を否定している として激しく非難した。さらに同長官は、全世界の民主主義諸国が団結して中国と対決することを求めた。
JB press 11/6(古森義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員)
ポンペオ国務長官は、ペンス副大統領に輪を掛けた厳しい表現をしており、トランプvs習近平の闘いは単なる貿易上の対立ではなく、体制の問題を提起していると見なさなければなりません。その肝は以下の2点に集約されます。
① 「中国共産党は、民主主義諸国の価値観を否定している」
② 「全世界の民主主義諸国は団結して中国の脅威と対決する必要がある」
●中国には、日本や欧米のような民主主義国の基本理念である、自由、民主、人権の概念はありません。実質的な議会はなく政治体制は共産党の1党独裁であり、言論・信教・結社の自由もなく、人権は抑圧の限りを尽くしていると言っても過言ではありません。
チベット、内モンゴル、香港、新疆ウィグルへの弾圧は容赦なく、それぞれに漢人を植民させ、人道に反する断種政策なども実施し、“民族浄化”を続けてきているのが実態です。特に最近指摘されたのは、宇宙衛星から確認された100万人を超えるウィグル人強制収容所の存在です。中国政府はこれを技能再教育の場だとして嘘言を並べていますが、中国では、たとえ嘘だとしても、上層部が事実だと言えば真実になるそうです。それにしても、100万人を超える強制収容所とは…! 恥部というよりも悪魔の所業と言わねばなりません。
今、わが国には中国を褒め称える人たちが多く存在し、彼らのすべてが『独裁の悪』について厳しい認識を持っていないことに問題があります。独裁者と言えば、わが国ではドイツのヒットラーを挙げる人が多いのですが、大量虐殺のTOPはヒトラーではなく、毛沢東なのです。
【大量虐殺順位】
① 毛沢東(中国) 6,000~7,800(万人)
② スターリン(ソ連) 2,000~2,300
③ ヒトラー(ドイツ) 1,100~1,700
(※数字はあくまでも推定値です)
それにしても、歴史上、世界最高の虐殺者が中国共産党の巨魁・毛沢東であり、その毛沢東の写真が全ての人民元札に印刷されていることに留意しましょう。お金は命と同じくらい大切なもの。即ち、中国人民は大量虐殺者を尊敬している、あるいは、尊敬させられていることを意味するとともに、100万人や200万人くらいの僅少の虐殺については“不感症”だということを示唆しているのではないでしょうか。
そして、毛沢東を敬愛し、毛沢東を超えようと広言しているのが、現在の習近平主席であることに着目するならば、中国に人権や自由や民主を期待するのは大変な間違いだということに気づかなければなりません。
●今、アメリカ合衆国は、同盟国にも団結を呼び掛けるとともに、共和党も民主党も一丸となって、中国との覇権戦争に全力を挙げています。
日本の安倍首相は、平成27年(2015)4月、米国における議会演説で以下のような演説を行いました。
『私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。
アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にして
いこうではありませんか。
希望の同盟──。
一緒でなら、きっとできます。』
(希望の同盟演説の最後の部分)
記憶にもある感動的な名演説。スタンディング・オベーション、総立ちの嵐のような拍手、日米同盟の堅い絆を象徴する名場面であり、安倍首相であればそんな状態がづっと続くはずでした…。
ところが、不思議なことにこの時を契機に日中関係は劇的に改善されたと言われています。そして、米国トランプ大統領が米中覇権戦争に真剣に取り組んでいる最中に、あろうことか、米国の同盟国「日本」の安倍晋三首相が、米国の敵国である独裁国家「中国」の習近平主席を国賓待遇で招待しようとしているのです。信じられません。
国際関係戦略アナリストの北野幸伯氏は国賓訪日に猛反対する理由を4点あげています。
① 中国への過度の接近が、同盟国である米国との関係を破壊する。
② 「ウィグル問題」…中国は人権侵害超大国である。
③ 「香港問題」…中国は民主化デモを武力で弾圧している。
④ 中国政府が天皇陛下を政治利用するから。
あの安倍首相の名演説は口先だけだった。また、人権侵害超大国のトップであり、民主化デモを武力で弾圧する国家の親玉を国賓待遇で招待するとは、まさしく米国に対する『裏切り行為』だと判断されるのではないでしょうか。
平成元年(1989)6月4日の「天安門事件」は、独裁国家中国では触れられたくない黒歴史として歴史から抹消されており、中国国内では言論統制で一切報道されていません。人民解放軍は10,000人以上の犠牲者を出し鎮圧するも、国際社会から孤立してしまいました。
その苦境打開のために天皇皇后両陛下(現上皇上皇后陛下)を中国に招待し、これを契機に西側諸国の対中制裁が突破され、まさしく天皇陛下の政治利用に成功したのです。(上手く行けばそれまでで、何と、以後、中国は手のひらを返すように「反日教育」「反日プロパガンダ」に一直線。)
今回もその手でしょう。国際的にはつい先日訪日されたローマ法王と同格以上と言われる天皇陛下を再び政治利用し、米中覇権戦争で緊迫している危機を乗り越えようとしています。習近平氏は、国賓訪日すれば、天皇陛下の訪中を要請することは必至であり、安倍首相はそれを断れないはずです。
天安門事件の時と同じ轍を踏むべきではありません。…どうして、安倍首相は中国に傾斜するのでしょうか。全く理解に苦しみます。
『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』と言います。愚者は自己の経験のみに学び、賢者は歴史という多くの他の人の経験に対し謙虚に学ぶという意味でしょう。
今からでも遅くはありません。国賓招待について国内の反対が多いと言う理由づけでもして、早急に中止すべきです。このまま進めば、アメリカの怒りを買うことは必至であり、首相在任最長記録の安倍総理が歴史上最低の首相と評されることを危惧します。
みなさんはどのように考えられますか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
習近平主席の国賓招待の問題はブログに書き尽くされています。一党独裁国家の指導者にして漢民族中心のレイシスト、まさにヒトラーの再来である習近平を国賓として招くのは彼の統治手法をわが国が認知することにほかならず、それは習近平の延命工作に手を貸すになります。中国と敢えて戦う必要はありませんが、我が国の指導者は常に、中国の専制・独裁・抑圧の政治文化を拒む対応(外交)は常に示し続ける必要があります。「和して同ぜず」。かつ中国が武力をもって「同ずる」ことを求めてきたら、いつでも戦う心と物の備えをしておくことです。洋の東西を問わず、多民族が入り混じる大陸では異民族抹殺(ジェノサイド)の文化があります。この文化だけはどんな国際状況にあろうと、我が国は受け入れることも認めることもすべきでありません。それは日本文化の根本を否定すること、日本民族を否定することになります。
投稿: 齋藤仁 | 2019年12月 1日 (日) 14時47分