チャイナマネー・IR・国会議員…浸食される日本!
725回目のブログです
“ 朝ぼらけ 有明の月と みるまでに 吉野の里に ふれる白雪 ”
坂上是則(三十六歌仙の一人・百人一首)
ほのぼのと夜が明けるころ、有明の月かと思うほど明るく、吉野の里に雪が淡く積もっていることよ…。
“雅”の象徴ともいうべき百人一首のカルタ取りは、正月の楽しい遊びでもありますが、今や、老若男女、カルタ大会で覇を競っています。そのカルタ競技を通じた青春の息吹が、数年前、漫画からアニメそして映画にも描かれ、評判を呼びました。日本の歴史に燦然と輝く百人一首、これは雅の世界であり、世界に誇る文化でもあります。
カルタといえば、勝負事にも使われる花札(花かるた)があり、これには花鳥風月の絵が描かれています。梅・松・桜、猪・鹿・蝶、月見に一杯、花見で一杯など、役手にも伝統的な季節感が満載されているのです。
さて、ゴーン被告逃亡事件に重なるように、IR(Integrated Resort/統合型リゾート)汚職事件が年末から年初にかけて騒がしくなってきています。IRはカジノという賭博が中心にはなりますが、開業する前から汚職まみれでは、雅の世界とは真逆の風景と言わねばなりません。どこに問題があるのでしょうか。
■ IR疑惑で、東京地検は12月25日秋元司衆議院議員を逮捕しました。外為法違反から収賄容疑へ。他の議員も続々と事情聴取されています。この件について多面的に考えてみたいと思います。
●東京地検の現在の捜査状況は次の通り。
贈賄容疑で逮捕 中国企業「500ドットコム」IR参入計画
・紺野昌彦容疑者
・仲里勝憲 ∥
収賄容疑で逮捕 元IR担当副大臣、
・秋元司容疑者(衆・自民/北海道)300万円現金受領
収賄容疑で任意事情聴取
・中村裕之(衆・自民/北海道) 100万円現金受領
・船橋利実(衆・自民/比北海道)100万円 ∥
・岩屋 毅(衆・自民/大分) 100万円 ∥
・宮崎政久(衆・自民/比九州) 100万円 ∥
・下地幹郎(衆・維新/比九州) 100万円 ∥
・白須賀貴樹(衆・自民/千葉) 中国視察同行
・勝沼栄明(衆元・自民/比東北) ∥
・カジノの候補地は、当初、北海道・東京・千葉・神奈川・静岡・大阪・和歌山・長崎・沖縄が候補に挙がっていましたが、現在は、大阪(夢洲)・神奈川(横浜)・長崎(ハウステンボス)・和歌山(マリーナシティ)・愛知(名古屋)・愛知(常滑)・東京(台場)の7ヶ所が有力候補といわれ、利権をめぐって激しい綱引きが行われています。
・中国企業「500ドットコム」は、政界工作のために、無届で『現金2250万円』を日本へ持ち込んだのです。CASHですから、曰くありということに他ならず、それを分配したものでしょう。
・収賄で逮捕された秋元容疑者は、現金300万円のほかに、講演料200万円、中国本社・マカオのカジノ視察経費(渡航費/宿泊費/他)数百万円、合計1000万円以上のとんでもない賄賂を受け取っているようです。
・これは、秋元議員が衆議院内閣委員長の時「統合型リゾート整備推進法案」(カジノ法)の採決を強行して可決させたことと、IR担当副大臣にあることで、工作先として格好の標的にされたものです。これぞ、まさしく贈収賄にほかなりません。
・100万円ランクの議員は、受け取った金を政治活動に関してのものとして認識していたのであれば、政治資金収支報告書への記載義務が生じますが、まあ、揃いも揃って現金をポケットにすっと入れ、記載していません。
・何とも合点がいかず。というのは、政治資金規正法では外国人や外国企業からの献金が禁止され、平成23年(2011)には当時の前原誠司外相が外国人献金問題で辞任しており、法的には修正すれば問題ない形式犯と見るにしても、5人の議員が実態を記載していたかどうかは政治的道徳的な問題になると思います。
・早速、日本維新の会の下地幹郎議員は離党届を提出しましたが、おそらく除名処分になるでしょう。議員辞職は考慮中とのこと。
・しかし、なぜ彼ら国会議員は、易々と外国マネーに手を出すのでしょうか。“国会”議員という意識が薄いとしか思えません。国会議員は国のため、日本国のための議員でなければなりません。国家の責任をみずから果たしていこうとするのが国会議員の正しい姿勢であるにもかかわらず、それに反した行動は国家への責任を放棄していると言わざるを得ません。碩学・高坂正尭先生の次の言葉をお読みください。
【国家の責任】
・力の体系で国民の生命と財産を守る(国防)
・利益の体系で国民の生活を向上させる(経済)
・価値の体系で国民に善意などの価値判断基準を示す(道徳教育)
・今、注目されるのはチャイナ・マネーの猛威です。世界を席巻するチャイナ・マネー、これを知らない国会議員にはその資格はないと言わざるを得ません。こんなわずかな金でなびくとすれば、中国(中共)にとって、日本はちょろいもの。何十億円も簡単に出せる中国政府が日本の与野党に少しちょっかいをかければ政治家も国民もそれに乗ってくるのですから。危険極まりないことを想像し、そういうことに慎重に対処するのが国会議員の役目のはずです。
・チャイナマネーが世界を工作している事例のほんの一部を
〇パナマ。2017年バレラ大統領が台湾と断交、中国と国交樹立した際、中国側から1億4300万ドル(155億円)受領したことが発覚。
〇オーストラリア。2014年ロブ貿易相は、中国とFTAを締結した際、中国企業「嵐橋集団」から10万オーストラリアドル(760万円)の政治献金を受領。2015年嵐橋集団はダーウィン港に関して地元州と99年間のリース契約を行った。
〇ハリウッド。ハリウッド映画会社への出資や買収により、中国礼賛はOK、中国批判はOUTとなってきている。
〇世界のマスメディア。中国(中共)政府は賄賂を渡し「チャイナ・ウォッチ」(プロパガンダ情報)を掲載させている。例えば、2012年、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズで尖閣諸島の「広告」を掲載。
日本も例外ではありません。実業界、官界、政治家、マスメディア、教育機関、研究所、孔子学院、その他あらゆるところにチャイナマネーが動いていることを認識しなければなりません。
もう、いい加減目を覚まそうではありませんか。中国は中共、すなわち中華人民共和国のことであり、一党独裁国家であることは片時も忘れないことが肝心ではないでしょうか。そう考えての付き合いをすべきだと考えます。
ところで、チベット人やウィグル人などに対して、苛斂誅求、断種までの弾圧を重ね、人権蹂躙が世界各国から非難されている中国政府(一党独裁)の頭目である習近平主席を日本の安倍総理大臣が『国賓』で招待するそうです。
何の条件も付けずに下手に立って招待するのであれば、間違いなく世界から非難ごうごうの声が上がるでしょう。安倍首相も長期政権で焼きがまわったとしか思えず、今、まさに『大悪手』を打とうとしています。その罪は、チャイナ・マネーを受け取った衆議院議員連中の比ではなく、はるかに重いと言わざるを得ません。
それとも、強烈な人権弾圧を命令している人物を喜んで迎え入れることの方が妙手であり、理にかなっていると言えるのでしょうか…。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
| 固定リンク
コメント
わが国は三権分立をとっていても、総理大臣を含めて国家の命運を決定しているのは国会議員である。その点で国民が大統領を直接選んでいるアメリカとは異なる。現在の国益だけでなく将来の日本の命運を決しているのは一日一日の国会議員の言動であり、国民はそれを彼らに託しているのである。国民もメディアも国政選挙の前に、その責任と自覚を彼らに質して議員に値する資格があるかを問う政治文化を構築する必要がある。 また建国以来、我が国が東アジア大陸の文化から多くの恩恵を受けてきたことは確かであり、また東シナ海という大きな国境を持っていたおかげで、戦争といった激しい対立も近代にいたるまで極めて少ない。日本人が「から(唐)の国」といった好ましい印象を彼の国にもつのはそれ故であろう。だが現在の中国は古来日本人が思い感じていた「からの国」ではない。中国共産党という、かの国の歴史でいえば、イデオロギーや宗教を旗印に反乱を起こした白蓮教や黄巾の乱などといった集団がその組織を全国に拡大してそのまま国家を乗っ取ったものと考えたほうがわかりやすい。彼の国の軍隊はいまだに国の軍隊でなく、共産党の軍隊であり、もし別の政党が政権を握ったときにはその政府には従わない軍隊である。それが一党独裁支配下にある現在の中国であり、国民の民主的な選挙によって認められた正統性を持っていない国である。それをわが国のメディアや学校教育も伝えてこなかったことも今回の事件の背景にあるといえよう。
投稿: 齋藤仁 | 2020年1月19日 (日) 09時56分