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2020年2月 7日 (金)

緊張感欠く安倍総理…新型コロナウイルスをめぐって!

 728回目のブログです

2020271

  “言の葉に あまる誠は おのづから 人のおもわに あらはれにけり”
                明治天皇御製(明治37年)

 言葉に余ってしまう程の誠のこころは自づから人の面に顕れることだ…。

 言葉というものは、その中に誠の精神が脈々と流れたうえで発せられるならば、おのづから顔に凛とした表情が出てしまうものであり、私たち下々のものでもそれを読み取ることができるものです。

 逆に、言葉が単なる軽い言葉として発せられるだけであれば、その軽佻浮薄さに溢れた顔を私たちでも読み取ることができるのではないでしょうか。

 いま、中国(中華人民共和国)武漢市を発生地とする「新型コロナウイルス」をめぐって世界は大混乱の中にあることは周知のとおりです。いろいろな角度から見ていきたいと思います。

中国当局が、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの武漢市での発生・感染を発表したのは、昨年の12月31日(新暦の大晦日)でしたから、丸1ヶ月以上も経過しました。収束はいまだ目途が立たず、中国国内ではもちろんのこと、世界で感染者が増えている状況です。

中国の正月にあたる「春節」1月25日(土)。1月24日(金)~1月30日(木)の7連休で、国内、国外への大量の移動が見込まれていました。

中国メディアの分析によると、武漢市が閉鎖された1月23日以後数日の間に来日した「武漢市民」の人数は以下の通りです。大量の武漢市民が来日していることに驚きとともにある種の恐怖を覚えざるを得ません。

      東京(羽田・成田空港) 9,080人
      関西(関西国際空港)  6,272人
      中部(中部国際空港)  2,656人
        (計)     (18,008人)

ここで注視したいのは、中国の春節に対して1月24日に発表された安倍総理の祝辞です。全文を引用します。

・【安倍晋三内閣総理大臣春節(旧正月)祝辞】2020年1月23日)
  <在中国日本国大使館の公式HPに掲載・1月24日発表>

日本で活躍されている華僑・華人の皆様、謹んで2020年の春節の御挨拶を申し上げます。今春、桜の咲く頃に、習近平国家主席が国賓として訪日される予定です。日本と中国は、アジアや世界の平和、安定、繁栄に共に大きな責任を有しています。習主席の訪日を、日中両国がその責任を果たしていくとの意思を明確に示す機会にしたいと思います。

本年夏には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。日中両国の選手が大活躍することを心から祈念します。両国は本年を、「日中文化・スポーツ交流推進年」として、人的・文化交流を一層推進していくことで一致しています。著名なアイドルグループ「嵐」に、この推進年の親善大使を務めてもらいます。国民間の交流が、相互理解・信頼を更に深める役割を果たすことを期待しています。

春節に際して、そしてまた、オリンピック・パラリンピック等の機会を通じて、更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしています。その際、ぜひ東京以外の場所にも足を運び、その土地ならではの日本らしさを感じて頂ければ幸いです。同時に、更に多くの日本国民が中国を訪問し、中国への理解を深めて頂きたいと思います。

日中関係の発展のため、華僑・華人の皆様に、日頃から両国の間の架け橋として貢献して頂いていることに感謝申し上げると共に、新年が皆様にとり素晴らしい年となりますことを、そして皆様のお力添えのもと日中関係が更に発展することを心より祈念し、新年の御挨拶とさせて頂きます。
                             2020年1月
                           内閣総理大臣
                             安倍晋三

安倍総理の危機感欠乏、緊張感ゼロに驚きを隠せません。これは長期政権の緩みを示すとともに、自らの心性を露呈したと言えるのではないでしょうか。これでは、あの悪夢の民主党政権を笑えません。祝辞が発表された1月24日の時点で、中国国内では新型コロナウイルスに、883人が感染、死者は26人にも達し(…あくまでも政府公式発表ですが)世界中が極度の緊張感に溢れていました。

この段階で「春節に際して、更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしています」とは、何とも開いた口が塞がりません。現在の安倍首相としては、唯一誇れる経済政策がインバウンド(外国人が訪れてくる旅行のこと)消費であり、それを崩したくなかったのでしょう。加えて、中国に阿る姿勢を示したかったと考えざるを得ません。

この安倍総理の春節祝辞は、日本国民から批判を受けても1月末日まで掲載されたままになっていましたが、さすがに以後削除されたそうです。(今は、SNSが即座に魚拓として保存しており、削除しても情報は世界をめぐります。)

致死率については、次の通り。

   SARS(重症急性呼吸器症候群・2002年・中国広東省から)
      10.9%
   MERS(中東呼吸器症候群・2013年・サウジアラビアから)
      34.4%
   新型コロナウイルス(現在・中国湖北省武漢市から)
      2~3%(現在での参考値)

新型コロナウイルスの封じ込めには各国とも対策を講じていますが、香港大学研究チームは1月25日現在で感染者は75,815人に上ると推計。(…中国当局の推計を使用せず、日本・タイ・フランスなどの外国に移動し確認された感染者数に基づいた推計)

WHO(世界保健機構)は、何と1月30日になって「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言。しかし、その席でのWHOテドロス事務局長の発言は目をむく内容です。

  「中国政府は感染拡大阻止に並外れた措置を取った」
  「中国は感染封じ込めで新たな基準をつくった。誇張ではない。
   他国も見習うべきだ」
  「(中国への)渡航や交易を制限する理由は見当たらない」

まさに、中国のウイルス対策をベタ誉め。これは、テドロス事務局長が巨大なチャイナマネーを受けているエチオピアの元保健相であり、中国の意思に沿ったものと考えられます。とんでもない話です。WHOは国連の機関ですが、国連という存在が、人命よりも金ズル、いかに汚いものであるかを示しています。わが国にいまだに存在する、国連だけを頼ればよいというサヨクリベラルの人たちは今回のことを直視し、反省すべきではないでしょうか。また、チャイナマネーが世界中を汚染していることも認識しなければなりません。

一方、わが国は、1月30日対策本部を設置。(中国習近平国家主席が1月20日にウイルスの封じ込めを指示してから10日後)、そして1月31日、遅ればせながら「指定感染症」に指定したのです。新型肺炎に対しては後手後手の感は否めませんが、安倍首相もやっとここまでたどり着いたということではないでしょうか。

と言うのも、緊急事態において首相、政府の法的権限が十分な範囲に渡っていないことにも問題があるからです。今回政府派遣のチャーター機で帰国した乗客のうち2名が感染の検査を拒否する暴挙に出ても、法的拘束力がないために検査できなかったという笑えぬ滑稽なことなども一例です。

安倍首相は、初動の対処に大問題がありましたが、批判を受けてからはそれなりに対処していると思われます。安倍首相には、今回の新型コロナウイルスの件を奇貨として、政府の権限を強化する「緊急事態条項」を新設する憲法改正を、明快に、心を込めて、国民に提言してはいかがでしょうか。これ以外に安倍首相のマイナス点を挽回することはできないと思います。

・言葉と誠の心について考えてみました。

次回は
時事エッセー
です。

 

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