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2020年5月 1日 (金)

各国首脳コロナ対策の評価…マスコミの偏向を斬る!

 (先週は事情により休載しました)

 739回目のブログです

2020511

     “ 樫の木の 花にかまはぬ 姿かな ”
          芭蕉(俳聖・江戸前期)

 春の百花は美しさを競っているが、その中であたりかまわず高く黒々と聳えているこの樫の木は、あでやかに咲く花よりも武骨ではあるが、かえって風情に富む枝ぶりであることよ…。

 花と言えば桜、桜と言えば春、その華やかな花の季節に、堅い樹肌と青い葉で超然として渡り合っている樫の木は見事と言わざるを得ません。芭蕉が訪れた山荘の主人の姿を樫の木に例えて挨拶として詠んだ句であると言われています。

 今はいわゆる大型連休の真ん中に位置しますが、今年は、武漢コロナウイルスの蔓延による外出自粛により自宅で静かにしている人が多いのではないかと思います。何とか早く終息してもらわないと全般的に傷んだ経済、国民生活の復旧に支障を来すのではないかと心配でなりません。

 武漢ウイルスの対策は先進世界各国共通の苦しい悩みであろうかと思います。各国の対策に差異があることは事実ですが、社会の木鐸を自負する某大手メディアが、各国首脳の「コロナ対策」について評価を下しました。

     『AERA4月27日号(朝日新聞出版)』
 【中野晃一・上智大学教授による、各国首脳コロナ対策評価】

        決断力 実行力 情報発信力 責任感 市民の支持 総合
メルケル(独)  5   5    5    5    5   5.0
蔡英文(台湾)  5   4    4    4    4   4.2
習近平(中国)  4   5    2    3    2   3.2
ジョンソン(英) 3   2    4    3    3   3.0
トランプ(米)  2   2    3    1    2   2.0
安倍晋三(日)  1   1    2    1    2   1.4
       (各項目5点満点の相対評価・総合は5項目の平均)

 この評価について厳しく検討してみたいと思います。

 中野晃一氏は上智大学教養学部教授ですが、まず、何を根拠に序列をつけたのでしょうか。思いつき、単なる感想でランクをつけたとしか思えません。中野教授の感想を一部拾いましょう。「トランプ大統領は大統領再選でしかこの非常事態を捉えていない」とこき下ろし、「習近平主席は世界に先駆けて“武漢封鎖”というびっくりするような洗礼をやってのけた」と絶賛、「ジョンソン英首相の最大の功績は自らがコロナウイルスに感染し緊急入院を経て復活したという点」と生死を彷徨った人に対しておちょくり、「メルケル独首相のEU全体への目配りと冷静な対応など」をほめまくり、「蔡英文台湾総統については高く評価するも、非常事態を政治利用した」と批判。

 これは中野教授の評価とは言っても、朝日新聞の意向(媚中・反安倍・反トランプ・非台湾/事実・科学の軽視)を汲んだものと見るべきであり、その証拠を数多く指摘できます。(従来より、社論に同調する文化人、識者、市民の論稿やアンケートや声を意識的に取り上げてきていますから)

 まず、習近平中国主席の責任感を3、情報発信力を2とは肯けません。新型コロナウイルスの発症を長期間隠蔽することで、(発症地)武漢⇒湖北省⇒中国全土⇒世界へと蔓延させたことは明白であり、人類への責任感、正しい道徳的な情報発信力は「零(ゼロ)」ではないでしょうか。中野教授と朝日新聞の正義の基準を疑いたいと思います。

 蔡英文台湾総統が非常事態(武漢ウイルス蔓延)を政治利用したとしてマイナス評価していますが、的確な対応策をとることによって、結果的に国民の団結が強まり台湾独立化へ半歩踏み出したとみるべきだと思いますが…。常識的に判断して、台湾はオール5の満点で圧倒的なトップではないでしょうか。

 安倍首相の評価がすべて最低であることには異論があります。確かにいろいろな問題点はあるでしょうが、憲法に、非常時のルールが規定されていないことに根本的な問題があるのではないでしょうか。その強いられた限界の中でぎりぎりの選択を行い今の状況に至っていると思います。そんなに日本のコロナ対策が劣っているのか、重要なデータ、事実を見てみましょう。

 【新型コロナウイルス感染死亡者数】(4/29 12:00現在)

              死亡者数 人口10万人当たり死亡者数
 台湾(蔡英文総統)        6     0.03
 日本(安倍晋三首相)     389     0.31
 ドイツ(メルケル首相)  6,280     7.56
 英国(ジョンソン首相) 21,678    32.31
 米国(トランプ大統領) 58,343    17.84
 中国(習近平国家主席)  4,633     0.32
  (単位:人)
  (死亡者数:厚生労働省の報道発表資料より)
  (中国は4/17死亡者数を大幅修正、信頼性に疑問あり参考までに)

 わが国は目下、武漢コロナウイルスと懸命に戦っている“真っ最中”です。疫病は死者の数字が一番大切だと言われます。上の表にある、現在の人口10万人当たり死亡者数をご覧になれば、現時点において、わが国はかなり健闘しており、雑誌『AERA』(朝日新聞出版<朝日新聞100%出資の子会社>)が言うように「安倍首相」および「日本」が一目瞭然の最下位と言えるでしょうか。それでも、最下位が正しいと言うのであれば、それはもはや、自虐主義、外国崇拝という暗~い劣等感にすぎず、冷静な科学的姿勢とは言えません。

 また、新型コロナウイルス(武漢ウイルス・チャイナウイルス・COVID-19)対策に関しては、メディアや識者は、特にサヨクリベラルの方々は、もっとリーダーシップを発揮し、国として強制力を強め、早期の終息を目指すべきだと説きますが、待ってほしいものです。徹底した迅速な対策といえども、憲法、法律の範囲内でしか動けないことを知っているのではありませんか。ないものねだりと言わねばなりません。

 もしも、そのような主張をするのであれば、「護憲」の主張を即刻止め、堂々と『憲法改正』の旗を振るべきではないでしょうか。それが誠実な態度というものです。

 最後に。それにしても、世界中は、目下、武漢コロナウイルスと懸命に戦っている最中ですから、今、各国首脳の対コロナ対策についての相対評価を感覚的・恣意的に行うのはあまりにも時期尚早であり、傲慢すぎると考えます。武漢コロナウイルスがほぼ終息した段階で、首脳の力量を事実に基づき公平に評価すべきではないでしょうか。

 メディアにはもっと謙虚になってほしいと思います。

 また、政府には、芭蕉の俳句にある“樫の木”のように堂々とした姿を見せてほしいものです。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

非常事態宣言延長の報道があるが、入院の必要な感染者数が医療機関の対応力を超えると、テレビメディアが連日、「医療崩壊、どうする日本、どうする皆さん」と連呼することは目に見えている。政府が宣言延長を決断するとしたら最大のポイントはそこだろう。しかし、武漢ウィルス(1月下旬に中国新華社が使っていた言葉)はワクチンが開発されて世界に行き渡らない限り、いつどこから第二第三の感染の波が襲ってくるかわからない。一時的に大都市をロックダウンしても、数か月後に再び、という可能性は高く、二度も三度も経済活動を停止されたら、相当数の企業や個人が経済的な窒息死を強いられることになる。私が政府を評価するなら、行政のウィルス対策は武漢ウィルスの情報が入ってきた1月下旬に日本政府は何らかの注意や指示を出すべきだった。習近平を国賓として招く予定があった、大量の観光客が来日する2月の春節を控えていた、中国政府の反発を恐れた等々の配慮でそれをしなかった。いずれにしてもこの時点での政府の判断は後知恵でなくてもマイナス評価。非常事態宣言は与野党の妥協による産物すなわち国民総意の産物であるため、強制力がなく、諸外国の非常事態宣言とは似て非なるもの、したがって宣言の出し方やその運用をダシにして議論するメディアは時間つぶしの見世物。政府の本当の評価は、ウィルス終焉時の死者数と、経済復活状況の二点にある。終焉前に医療崩壊すれば死者数は当然増大するだろうし、再発防止策に不備があれば「終焉」しないだろう。朝日新聞系列の時事報道は、発生した事件や事実を客観的に伝えることより、国民を誘導したい洗脳したいというバイアスをかけるため結果として捏造や虚報のような記事が増える。それに気づいていていない、気づいていても改心できないのは、心が歪んで常識的な善悪や是非の判断もできなくなる学歴エリートと似ているとみるのは言い過ぎだろうか。

投稿: 齋藤仁 | 2020年5月 1日 (金) 09時18分

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