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2020年4月10日 (金)

“ 緊急事態宣言 ”…冷静に対処しよう!

 737回目のブログです

20204101

   “世の中に 絶えて櫻の なかりせば 春の心は のどけからまし”
            在原業平(平安前期・古今和歌集)

 もしもこの世の中に、まったく桜がなかったならば、春を過ごす気分は、ゆったりとのどかであろうものを…。

 春はゆったりとのどかな季節ですが、を愛でるあまり、咲くのを待ち焦がれ、散るのを惜しみ、桜に降りかかる雨や風などが気になって落ち着かないという気持ちを「反実仮想」の手法を使って詠んでいる有名な和歌です。

 ところが、現実の世の中は新型コロナウイルス(武漢ウイルス・チャイナウイルス・COVID-19)の蔓延で、催しも会合も自粛に次ぐ自粛、桜狩り、花見の宴もままなりません。毎年、すぐ近くの大阪万博公園の桜か京都の桜(嵐山・白川・哲学の道・南禅寺・高台寺・醍醐寺など)を楽しみにしているのですが、今年は取りやめ。…そこに麗しい見事な桜があっても、世の中の事情によって見に行けない、こんな複雑な心境を平安時代の歌人・在原業平朝臣だったらどう詠むのでしょうか。

 という具合に、心千々に乱れるところですが、そんな甘い感傷に浸る状況ではなくなろうとしています。「緊急事態宣言」が発令されました。政府はもとより、全国民協同して新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぎ、終息への道を歩まねばなりません。

 今回の「緊急事態宣言」は、もしも憲法が改正されればできるであろう「私権を制限する緊急事態宣言(非常事態宣言)」とは全く異なり、非常に緩やかなものですから、国民の協力がなければうまく機能しないのではないかと思われます。メディアを含む文化人の中には、この宣言を、この期に及んでも、独裁的権力の行使だとして反対している人がいますが、こんなものは独裁権力でも何でもありません。よく見てください。独裁権力の行使とは武漢市の問答無用の完全封鎖に見る中国共産党のやり方を言います。

 ところで、主要国とわが国の感染状況はどうなっているのか、今一度、冷静に見てみましょう。

【新型コロナウイルスの感染状況】(4月8日 12:00現在)

         感染者数     死亡者数    死亡者数(人口10万人当り)
 アメリカ  396,223    12,844      3.9
 スペイン  140,510    13,798    29.7
 イタリア      135,586    17,127    28.3
 ドイツ     107,663      2,016      2.4
 中国      81,802      3,333      0.2
 フランス        78,167    10,328    16.0  
 イラン     62,589      3,872      4.7
 イギリス    55,242      6,159      9.3   
 日本          4,257                   81      0.06
                        (単位:人)
 (厚労省報道発表資料から、人口10万人当り死亡者数を算出)
 (中国は、陽性者で無症状者は感染者数から除外<43,000人>と言われる)
 (クルーズ船の数値は除外)

 マスメディアでは感染者数だけに目を向けていますが「人口10万人当たりの死亡者数」に目を向ければ、わが国の数字が際立って少ないことに気づきます。ということは、わが国のコロナウイルス対策は、初動の問題はあったとしても、現状はそれなりに上手く対処できていることを示しているのではないでしょうか。

 そうであるにしても、急速な感染拡大が進行しつつあり、それを断固阻止しなければならず、わたし達国民は、政府の新型コロナウイルス対策に素直に協力し、一日も早く安定した社会を取り戻したいものです。

 今後どのような事象が生ずるかは予断を許しませんので時期尚早かもしれませんが、今、考えることを述べてみたいと思います。

 わたし達は、コロナ感染対策としての基本である、①手洗いをまめにする、②マスクを掛ける、③3密(密閉・密集・密接)を避ける、を忠実に守るとともに、不要不急の外出を抑制することに留意したいものです。

 政治家、マスメディア、文化人の発言に、中国、韓国、ヨーロッパなどのコロナ対策を絶賛し、日本の医療体制の遅れを糾弾するものが見受けられますが、これは、なんでも日本が悪い、遅れているという“自虐史観”そのものです。とにかく上掲のデータを冷静に見てください。今は緊急事態であり、日本は、日本の国力、国情に合った対策をとればよいのではないでしょうか。見習うべき国は、危機感を国民すべてが共有し、効果的な対策を迅速かつ包括的に実行し、素晴らしい成果を上げている「台湾」です。(しかしながら、台湾は中華人民共和国の横槍でWHOから排除されているという奇怪な状況にあるのです。データからも排除、とんでもないことと言わねばなりません)

 マスクでもそうでしょう。欧米やWHOはマスクなんて何の効能もないと日本人の習性を端から小馬鹿にしていましたが、新型コロナが身辺に蔓延すると前言を180度ひっくり返し、何と、今ではマスクを積極的に推奨しているのです。欧米の日本タタキなどには強く反論すれば良いだけです。彼らの発言は上から目線のものにすぎませんから。

 フランス、イギリス、アメリカなどの一流紙が、日本の緊急事態宣言が遅い、厳格ではない、間違っていると辛辣に批判していますが、冷静に見て、みなさんはどう思われますか。

 中国がポストコロナの宣伝工作に全力を挙げていることに注目しましょう。

新型コロナウイルスは米軍が武漢に持ち込んだものと発言し米国を牽制(さすがにこれにはトランプ大統領も激怒!)
イタリア、セルビア、ギリシャなどに、大量のマスクと中国医療専門家を送り込み「一帯一路 」(中国主導の広域経済圏構想)のイメージアップを図ろうとしています。
中国は、新型コロナウイルスを一気に終息させたことを、中国共産党の大いなる成功物語として謳いあげ、権威主義の擁護・反民主主義の偉大な証として、大胆なプロパガンダを仕掛け始めています。すなわち、共産党の一党支配体制の方が欧米流の民主主義よりも優れているという、中国統治モデルの優位性を大々的に宣伝しているのです。これ、まさしく究極の宣伝工作『コロナ外交』と言わねばなりません。他国に迷惑を掛けても一切詫びず、それさえも逆手にとってのプロパガンダ、…恐るべき中国の真骨頂。

 しかし、待っていただきたい。世界は、新型コロナウイルスの震源地である中国には、事態が発生した初期において、問題発生の経緯、中国の措置、諸外国および国際機関(WHO)に対する報告と協力要請を行う義務を怠ったことに強烈な不信感と大いなる不満を持っていることを忘れていません。

 したがって、発症源である武漢で何が起こり、中国が行った初期対応はどうであったかということに関して、国際的に明確に検証されなければなりません。

 国際機関であるWHOなどの対応に問題があったことははっきりしており、これもきっちり検証されなければなりません。

 憲法を改正して「緊急事態条項」(非常事態)を設け、あらゆる国家的危機に機敏に対応する体制を整えなければ、対応に遅れが生ずることになるのではないでしょうか。現代はスピードの時代です。

 「中国&韓国」頼みのインバウンド経済は早急に改めなければなりません。観光政策は、世界全方向に向け、一部が落ち込んでもその他でカバーしていこうとするのが普通であり、ましてや、反日気分の横溢している中国や韓国ですから、方針は一瞬で変わることを肝に銘じておかねばなりません。いわゆるカントリーリスクの最たるものと考えるべきでしょう。

 サプライチェーンにおいて、一党独裁国家・中国を組み入れる「巨大なリスク」を根本から見直さなければなりません。わが国の企業は『中国依存率』を厳格に10%以内に抑え、それがゼロになる最悪の時が来たとしても倒産しない体質に持っていくべきではないでしょうか。

 いろいろ考えるところのある“新型コロナウイルス戦争”です。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

欧米の感染者数の激増は凄まじいが、パンデミック化した現状では、感染を予防する、あるいは感染しても回復可能な新薬が発明され、しかも大量に製造されるようにならない限り、感染者数をゼロに近づけることは不可能だろう。したがって各国政府が現実に取りうる次善策は感染者の重症化を抑えることと重症化した感染者を全員医療施設に収容できる体制を構築することである。その成果は死者数という数字となって表れる。同じ医療体制をもつ欧米と比べて、感染者数に対する死者の比率が低ければ、日本は称えられるべきで、高ければヒトは変えモノは改善すべきである。  だがもっと重要な問題がある。それはパンデミッ化した現在、一都市一国家がロックダウンして感染者数をゼロにできても、数か月後には他国から進化したウィルスが流入して再び、という可能性がある。治療薬が発明されない限り、我が国も諸外国も経済活動と同時進行でウィルス対策を講じるべきである。医療関係者は感染者ゼロを目指した議論をするが、行政者は経済活動と医療活動を共に重視しなければ、経済困苦による死者数のほうが感染による死者数を上回るという事態になりかねない。

投稿: 齋藤仁 | 2020年4月10日 (金) 17時33分

原発事故の折にすべてのテレビ局が似たような報道を行って国民の情緒を煽り続け、その結果、日本列島そのものが放射能に汚染されているという誤った事実を世界に伝える愚を犯した。民放はCM放映が収入源だが、国民は無料のため自由に選局できる。視聴率が経営を左右するため、民放は国民の情緒を煽る、即ち国民の憧れや嫉妬などの喜怒哀楽に訴える報道が多いのはそのためである。いずれにしても国民の理性を眠らせ、感情の高揚を促す報道をするのが民放である。(受信料で経営の安定しているNHKの場合はありあまる予算を使って政治や歴史の問題を事実を歪めて製造するという別の問題をもっているが)。いずれにしても今回のウィルス報道では民放全局は再び、感染者数の増加に時間を割いて国民の理性を眠らせようとしている。

投稿: 齋藤仁 | 2020年4月10日 (金) 16時16分

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