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2020年5月22日 (金)

衝撃的な経済成長率!…1~3月期各国の数値を読む!

 742回目のブログです

20205221

 “この憂さを 昔語りに なしはてて 花たちばなに 思ひ出でめや”
                西行(平安末期・僧侶/歌人

 この世の憂さはすべて昔あったこととして、花橘の香りに誘われて思い出話にしたいものだ…。

 世の中の憂鬱なところやつらいことはどんな時代でも存在するのでしょうが、今回の武漢コロナウイルスの蔓延にともなう社会的ないろんな制約には、首に匕首を突き付けられたような恐怖感も少しく漂っている感がしないではありません。

 日本全国、都道府県の大半は緊急事態宣言解除の対象となり、正常な社会への戻り口に辿り着いたことになりました。わが国も、これでやっと回復へのスタートラインに立ったと言えますが、現状の社会経済はどん底、これから這い上がるには、並大抵の対処では容易ではなく、上から下まで全国民の勇気と覚悟が必要になるように思われます。

 そうしてやっと、この憂さを昔語りにできるのではないでしょうか。

 さて、現況、どれだけ苦難の局面に位置しているのかを経済数値で確認してみましょう。

1~3月期、実質GDPは年3.4%減
           元年度成長率も5年ぶりマイナス

  内閣府が18日発表した令和2年1~3月期の国内総生産速報値は、実質で前期比0.9%減だった。年率換算は3.4%減で、2四半期連続 のマイナス成長。新型コロナウイルスの感染拡大が成長率を押し下げた。併せて発表した令和元年度の成長率は前年度比0.1%減で、5年ぶりのマイナス成長となった。        (2020.5.18産経ニュース一部抜粋)

 経済急停止。予想されたとはいえ、年率換算で▲3.4%。本来は消費税増税で落ち込んだ消費が回復するとの見通しでしたが、武漢コロナウイルスの蔓延で経済活動は急減速、大変な数字になりました。

 それでは、欧米の数値を見てみましょう。

          前期比   対前期比年率換算
 (ユーロ圏)  ▲3.8(%) ▲14.4(%)
  フランス   ▲5.8    ▲21.3
  スペイン   ▲5.2    ▲19.2
  イタリア   ▲4.7    ▲17.5
  ドイツ    ▲2.2    ▲ 8.5
  アメリカ   ▲1.5    ▲ 4.8
  日本     ▲0.9    ▲ 3.4

 衝撃的な数字はフランスです。年率換算で▲2割超とは。なぜフランスなのかは良くわかりませんが、ユーロ圏全体でも▲14.4%ですから、完全に恐慌状態に突入と言えると思います。

 しかし、1~3月期がどん底ではありません。新型コロナウイルスの影響は今日に至っても、まだまだ終息する気配はなく、4~6月期の数値は更にもっと厳しいものを覚悟しなければならないのではないでしょうか。

 例えば、アメリカの議会予算局(CBO)は、4~6月期のGDPを前期比▲11.8%、年率換算で前期比▲40%というとてつもない予測を公表。ヨーロッパも4~6月期の経済成長率は1~3月期よりも低下するという惨憺たる数字が待っていると言われます。

 一方、わが国も、4~6月期はさらに厳しく、有名なエコノミストは何と、年率▲22.4%という驚愕の数値を予測しています。

 数字は嘘を言いません。これを厳然たるものとして受け止め、その対策を講じる必要があります。過去のしがらみをかなぐり捨て、公の精神と満々たる勇気をもって、以下のような大胆な政策を実行する政治を強く望みます。

 首相は、コロナ後の経済V字型回復の道を力強く示すべきではないでしょうか。そして、米国トランプ大統領にならい、矢継ぎ早の経済政策を講ずべきだと思います。

 デフレは総需要の不足から生じているものです。

 近年、5%から8%、8%から10%と2回消費増税が行われましたが、それが消費を減退させたのは明白であり、この際、期限付きで5%に戻すことを決断すべきです。

 アメリカは総額320兆円の緊急財政出動を決定。日本は緊急経済対策として117兆円を計上するも、そのうち、有効需要を創出するいわゆる「真水」は25兆円、これでは少なすぎると思います。

 わが国は『内需大国』であり『輸出小国』(対GDP輸出比率14.8%)です。「外需・輸出・インバウンド」を重点とする過去の政策は誤り。したがって、内需主導型の財政政策として100兆円規模の国債を発行し、ポストコロナの諸対策に当てるべきだと考えます。

 経済学者に申し上げたいと思います。この未曽有の国難に対してポストコロナの経済政策をグループで自発的に立案、提言してもらえないものでしょうか。政策を提言してこその経済学者。過去には、このような提言はいくつもあったと記憶するのですが…。

 それにしても、コロナ問題も第1次は終息目前、現時点では人口当たりの死者数がイギリスの100分の1、アメリカの50分の1、海外からは「ジャパンミラクル」と言われているそうです。(ニッポン放送「飯田浩二のOK! Cozy up!」5/15青山繁晴議員)

 コロナウイルスに限らず、もちろん他に学びつつ、日本は日本のやり方に自信を持って事に当たるべきではないでしょうか。かの世界的物理学者・アインシュタインの言葉から。

 『…大正11年12月3日、日本の旅寄りの帰途にあったアインシュタインは、その乗船の日本郵船榛名丸船上から、晩翠に一書を呈し、贈られた詩についての感謝をのべ、その文中で、多くの日本人は、自国文化のあるものが、欧州より優れてゐる点をさへ、全然自覚しないが「これを自覚させることは立派な仕事であります」と述べてゐる。…』(土井晩翠詩集・保田與重郎/解説より)

 今回の武漢コロナウイルス問題で、安倍首相にのみ批判的な人が多いのが気にかかります。確かに対処の仕方に問題はあるでしょうが、本来、第1の矛先は、新型コロナウイルス発症を故意に隠蔽し、世界に容易に蔓延させ、コロナウイルスを覇権戦略に利用している中華人民共和国の習近平・国家主席に向けるべきではありませんか。どうも内輪で争っているようで、習近平氏のほくそ笑んでいる姿が目に浮かんできます。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 (次週は事情により休載します)

次々回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

我が国は人口の27%超が65歳以上の高齢者かつ年金生活者でウィルス禍でも受給額は変わらない。しかも外出制限下で衣食住を除く支出は減っている。したがって彼らの多くが受け取る給付金は振りこまれた銀行の通帳に数字となるだけで、社会に流動しない。給付金総額の3割が眠ってしまうとみる。それより経済活性化の第二弾として消費税の一時凍結(または3%に減税)を、例えば10月から来年9月までの一年間の臨時措置として実施したらどうか。現時点で収入源に困っている人にも実質的な生活支援となる。不動産や自動車、電化製品なども含めると政府にとっては相当の税収減となるが、消費した金は社会に循環して二倍、三倍の効果を生み、来夏のオリンピックが実施されても中止になっても沈滞した空気を払う経済刺激策ではないか。消費税復活後の反動不況よりも現時点での消費税凍結または減税の方がメリットがはるかに大きいと思うが。

投稿: 齋藤仁 | 2020年5月22日 (金) 08時14分

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