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2020年6月 5日 (金)

WHO脱退!…対中国・アメリカの本気度!

 (先週は事情により休載しました)

 743回目のブログです

2020651

 “明日ありと 思ふ心の 仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは”
            親鸞(鎌倉・浄土真宗の宗祖)

 今日は美しく咲き誇っている桜だが、明日もまだ見られるだろうという心が仇になって桜を見ることができないことがある。夜半に嵐が吹けば一瞬にして散ってしまうかもしれないのだ…。

 未来の不確実さ、人生の無常を説いた有名な和歌です。

 「まあ明日でいいや」という軽い思いから機会を逃してしまうことはだれしも経験したことがあるのではないでしょうか。最初は緊迫感を持っていたものが、先延ばしをすることによって徐々にその感覚は薄まってきます。何が起こるかわからない世の中、今、この時こそが最も大切な時であること肝に銘じなければなりません。

 わが国は、武漢コロナウイルスによる緊急事態宣言が全国的に解除となり、いよいよ復旧への道を歩むことになりました。復旧だけを目指すのか、新時代への展望をも目論むのか、この点に関しては冷静な議論と時をおかない勇断が肝要になってくるものと思います。

 ところで、世界は今、武漢コロナウイルス感染による世界経済の大幅悪化、米中の厳しい覇権争い、中国(中共)の人道無視の世界戦略、などが荒れ狂う嵐のように全世界を覆っています。これらについての直近の政治動向に目を向けたいと思います。

 米国のトランプ大統領は5月29日、ホワイトハウスで演説を行い、注目すべき戦略を発表しました。

   【4つの対中戦略】
    ① WHOからの脱退
    ② 中国人留学生の追放
    ③ 中国企業を米国市場から追放
    ④ 香港優遇措置の停止

 まず①WHOからの脱退。WHOは本来国際機関ですが、今や、中国(中国共産党)の支配下・御用機関にあることは、武漢市でのコロナウイルス発生事件に関するWHOの対応を見れば明白です(他の国連機関も同じ傾向にあり)。WHOのテドロス事務局長などは、新型ウイルス性肺炎発生後、数々の背信的な言動に終始しています。

 「旅行や貿易の制限を実施するまでの必要はない」
 「必要な人やモノの移動を制限する理由はない」
 「入国禁止を行わないように」(トランプ大統領に対して!)
 「中国当局の感染防止対策は功を奏し武漢市民は多大な貢献をした」
 「国際社会は中国に感謝すべきだ」
 「私がもしこのウイルスに感染したら、中国で治療を受けたい」

 そして、極めつけは、習近平主席が武漢市を訪問した翌日に、WHOが “パンデミック宣言” をだしたことです。「この感染症は世界の問題にはなったが、すでに中国では解決済である」という印象を世界に与えるために『宣言を遅らせた』ことは厳然たる事実です。

 このことによって世界は大変な災厄を蒙ることになったのです。習近平およびWHOの責任は免れません。わたし達は、怒りをこの二つに向けるべきであって、わが国のメディアでこの点が論じられないのは、例によって、親中、媚中、屈中、の媚薬に汚染されてしまっているからでしょうか。

 WHOは、5/18、年次総会を開き、台湾をオブザーバーとして参加させることを見送りました。周知のように、台湾は武漢コロナウイルスに於いては、優れた対策を講じ、死亡者もわずか7人。まさにダントツの世界一。WHOは、優秀な台湾の対策をなぜ構成国に学ばせようとしないのか、納得できません。間違いなく中国共産党の支配下にあり、金銭的、人事的に汚染されてしまっているからでしょう。WHOの存在意義が問われます。中国は共産党1党独裁であり「中共独裁政治が一番、人類への貢献は眼中になし」…をまじまじと見せつけられる思いがしてなりません。

 貴重な台湾の対武漢コロナウイルス対策の詳細を、国連機関であるWHOから貰えないのですから、わが国は、感染症専門家、実態経済専門家、官僚などを含めた派遣団(デレゲーション)を組み『台湾』に赴き、教えを乞うべきではないでしょうか。鉄は熱いうちに打て、といいますから、できるだけ早く。…台湾は親日国です。

 次に②中国人留学生の追放。2019年の全留学生数は110万人、そのうち中国人留学生が37万人でダントツの一位(ちなみに日本人は1万8千人で韓国・ベトナム・台湾よりも遥かに少ない)。トランプ大統領は、中国解放軍から3,000名の工作員留学生が派遣されていると指摘、基本的に理工系は知的財産を盗むとして留学生や研究生を拒否する方針を明らかにしたのです。中国は、法律によって自国民に工作指令を出せるとしていますから、今まで通り知財を平然と盗めるかどうか難しくなり、この政策を本格的に実行したら中国の痛手はとてつもなく大きいと思われます。

 ③中国企業を米国市場から追放。トランプ大統領は早速、アメリカ市場に上場している中国企業の様々な慣行を研究するよう指示し、不公正さと透明性を有しない企業を追放する意向を示し、アメリカの顧客に対して中国企業に関する過度のリスクを課すべきではないと言明しました。

 ④香港優遇措置の停止。従来、アメリカは1992年「米国香港政策法」により「香港を中国とは別枠とみなして各種の優遇措置を取る」としてきたものを見直すというものです。この影響ははかり知れません。香港ドルは1983年以来米国ドルとベッグ(固定)、1アメリカドル≒7.8香港ドルとなっています。もしここでアメリカが強権を発動しドルベッグを廃止すれば…。

 香港ドルの暴落
 香港証券取引所の衰退
 グレートベリア構想の崩壊(広東省/香港/マカオの経済一体化構想)
 人民元国際化の後退(中国―香港―ロンドンの人民元国際化ライン)
 輸出基地の価値減退
 マカオ経済の凋落(マカオ通貨は香港ドルとベッグになっている)
 大量移民の発生(香港の富裕・中間層の移民、脱出)
        <この項:「現代ビジネス」近藤大介氏論稿を参考>

 これを見れば、香港が瓦解に向かうことは必至であり、中国(中共)への影響も計り知れないほど大きいのではないでしょうか。

 アメリカ合衆国と中華人民共和国との激烈な争いは、もはや争いというよりも戦争と言うべきでしょう。トランプ大統領は、品性に多少は難あるも、有言実行の人であり「肉を切らせて骨を断つ」覚悟で臨んでいるものと思います。どちらが勝利を得るか、中国を知悉する近藤氏は中国に勝ち目はないと断言していますが…。

 トランプ大統領の仕掛ける豪胆な政策は、単なる破壊ではなく、世界秩序再編成への第1歩と言えるのかも知れません。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

現在進行形の米中の対立は核を用いた全面戦争には至らないが、中国が尖閣諸島で武力を用いた局地戦を仕掛けてくる可能性がある。。尖閣諸島に武力侵攻をすることで、米軍の動き、日本の防衛力及び自国人民軍の新装備の能力を確認することができ、中国内に高まっている様々な政権不信から関心をそらすことができる。しかも尖閣諸島には人がいないため、国際批判に対して自国領と主張する中国は弁解もしやすく、危険度を増した場合、勝敗の決着をつけないままに撤退することも可能である。台湾進攻は共産党政権の崩壊も覚悟しなければ実行しえない危険度の高いオプションであり当面考えられない。南シナ海での武力行使も、フィリピン、ベトナム、インドネシア三国の反中軍事協力化を促す上に三国と米日豪の連携力を増すなど反中の空気を世界に広めるのでできない。したがって北朝鮮が日本側の反応を試しながら少しずつミサイル実験の質を高めてきたように、習近平が政権を安定させるために使える武力外交としてはカシミールやパンジャブ地方でのインド領への侵攻か、尖閣諸島への侵攻ではなかろうか。どちらも国境紛争の一つとして中国側はいつでも停止できるという主導権をもっている。ただインドとの場合と違い、尖閣諸島は歴史上、日本が実質的に支配してきた領土であり、それが領土をめぐる国境紛争となるだけでも日本政府にとっては失態である。その覚悟が日本政府および日本国民にあるだろうか。

投稿: 齋藤仁 | 2020年6月 5日 (金) 08時17分

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