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2020年8月14日 (金)

河野防衛相vs東京新聞記者…無知を暴露した記者! 

 751回目のブログです

20208141

“われのみや あはれと思はむ きりぎりす 鳴く夕かげの 大和なでしこ”
                    素性法師(古今和歌集)

 これを私だけが“きれいだなあ”と思って見るだけで、むなしく散るにまかせるのだろうか。こおろぎが寂しく鳴くなかで、夕日を浴びた大和なでしこの花を…。

 平安時代のキリギリスは今のコオロギのこと。そろそろ、秋の蟲が爽やかな音色を聞かせてくれそうです。虫の鳴き声を美しい音として捉えるのは、日本人とポリネシア人だけであり、自然の小さな生物と音楽で共感できる日本人に生まれてきたことに幸せを感じざるを得ません。たとえ、新型コロナウイルスや洪水などの恐怖と不安はあるにしても何か小さくても佳いものがあるものなのでしょう。

 とはいうものの、人間社会は何と殺伐とした雰囲気を醸し出しているのかと嘆かざるを得ない例も指摘しなければなりません。それは、8月6日の産経新聞「産經抄」という小さなコラムに書かれていた東京新聞記者の質問と河野防衛相の答弁のやりとりです。まさかとは思いましたが、調べてみると防衛省の広報に掲載されていますので、その一部始終を引用します。

 『防衛大臣記者会見』
    日時:令和2年8月4日 場所:防衛省第1省議室

・【質問】(東京新聞)
  安全保障政策の見直しに関して、自民党提言にあったような相手国の領域でのミサイル阻止能力を検討する場合はですね、周辺国からの理解というのは重要になってくると思われますが、現状では特に中国や韓国といった国からは、防衛政策の見直しについて、十分に理解を得る状況ではないようではないかと思いますが、防衛政策の責任者として、現状の認識と、今後もし理解を得る際に、必要だと思われることがあればお願いします。

・【答弁】(河野防衛大臣)
  すみません。周辺国ってどこのことですか。

・【質問】(東京新聞)
  主に中国や韓国になります。

・【答弁】(河野防衛大臣)
  主に中国がミサイルを増強しているときに、何でその了解がいるん
  ですか

・【質問】(東京新聞)
  すみません、韓国に関してはいかがですか。

・【答弁】(河野防衛大臣)
  何で韓国の了解が必要なんですか。我が国の領土を防衛するのに

 驚愕の質問という以外に言葉がありません。記者会見には外国人もいますので、こんな質問をするのは日本人ではないのではないかと、動画で確認してみると、本人が「東京新聞の上野」と述べています。

 河野防衛大臣の答弁にあるように、日本の防衛政策に関して、どうして「中国」や「韓国」の理解、了解を得なければならないのでしょうか。唖然として口が塞がりません。どこに自国の防衛政策のお伺いを周辺国にたてる国があるというのでしょうか。このような質問をする記者の知識と思想と心性に大いなる疑問を持たざるを得ません。今、日中、日韓の緊張感は半端ではありえず、それを理解できないのであれば、わが国の報道記者が極めて低レベルな存在であることを示していると思います。

 一方、河野防衛大臣の答弁は、短い言葉で東京新聞上野記者を一刀両断瞬殺、見事と言わねばなりません。河野大臣の答弁があってから、記者会見場は、しばらく質疑応答が途切れ、異様な静けさへ…。国家防衛は、軽々なことではなく、日本国民1億2400万人の命がかかっていることを認識すべき重要な事柄なのです。

 芭蕉の「おくのほそ道」に“むざんやな甲の下のきりぎりす”という有名な俳句があります。「意に添わぬ戦いに出なければならなかった斎藤実盛は、なんといたわしいことだ。この兜の下のきりぎりす(今のこおろぎ)も、その悲しみを思い鳴いているようだ」と歴史のなかに深い思いを馳せたもので、芭蕉の豊かな情感が伝わってきます。

 俳聖・芭蕉にはまことに失礼極まりないのですが、言葉を一部借用して、東京新聞には、[無残やな 新聞記者の 低レベル]という下手な川柳を贈りたいと思います。まさしく無残としか言いようがありません。

 東京新聞の記者がなぜこのような発言をしたのかということについて、彼らの心の中に分け入ってみましょう。

日本は過去、中国や韓国にあくどいことばかりをしてきたのであり、永遠に謝罪しなければならず、外交政策には許しを得なければならない。(贖罪意識)

日本は古来より中国・朝鮮から文化を移入してきており、中国は父、朝鮮は兄、日本は弟、という位置づけを永遠に守るべきである儒教意識)

日本は古には中国と朝貢外交を展開していたことがあり温厚な関係にあった。東アジアにおいては中華帝国のなかで中国を天にした華夷秩序の属国として振舞えばよい属国意識)

平等社会を目指す共産主義社会、独裁・専制国家は理想の姿。ソ連は上手くいかなかったが、中国は非常に上手くいっており、そのような社会を目指すべきであり、いたずらに対抗すべきではない。(左翼意識)

日本の歴史、社会に誇るものはなく、日本国は市民、人民の敵である。(反日意識)

 以上を眺めてみると、贖罪意識・儒教意識・属国意識・左翼意識・反日意識、彼らはこれらを覚悟のうえで意識しているのではなく、いかにも中途半端に、自己に都合のいい範囲で意識しているに過ぎないと思われます。

 また、全てにおいて、事実認識があまりにも甘すぎます。例えば国防費。

     【2020年度国防費】
   中国 19兆2000億円(2010年度比2.4倍)
   日本  5兆3000億円(2010年度比10%アップ)

 一目瞭然。中国の国防費の巨額さと、年々猛烈に軍備拡大していることに注目しなければなりません。これらの厳然たる数字を把握もせず、ただ情緒的に質問するなんて、全くナンセンスそのものであり、不勉強のそしりを免れません。

 中国は南シナ海を制圧、自国領に組み入れ、今や、東シナ海(尖閣・沖縄)に虎視眈々と狙いを定めていることは記者ならば当然知っているはず。それにもかかわらず、中国や韓国の了解を得なければならないとの、媚中、屈中、媚韓、屈韓の思想を持つなど、まさしく言語道断。「独立心を欠く」人間、日本人として軽蔑に値すると考えます。

 わたし達は、聖徳太子が勇気を振り絞って隋の国と対等に渡り合った歴史の重みを感ずるとともに、そのことに関して深い感謝の念を持つことが大切ではないでしょうか。もう、いいかげん、中国や韓国に媚びたり、膝を屈したりすることを止めなければなりません。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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