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2020年8月 7日 (金)

“対中国制裁”…アメリカの本気度!②

 750回目のブログです

2020871

   “わたつみの 豊旗雲に 入日さし 今夜の月夜 あきらけくこそ”
                     中大兄皇子(万葉集)

 眼前には大海原が広がっている。旗雲には赤い夕日がさして茜色に輝いている。今夜の月はさぞ清く明らかなことだろう。ぜひそうあってほしい…。

 中大兄皇子は後の天智天皇。天智天皇は、大化の改新、白村江の戦い、水城・烽火・防人の設置による国防の整備など、国の運命を決する岐路にしばしば立たれた7世紀中葉の大帝王です。それらの厳しい局面においては、神に祈り、神意を確かめられたに相違なく、その折の自ら大自然に溶け込もうとする気宇壮大な精神を上掲の和歌に読み取ることができます。驚嘆すべき歌格の高さと言わねばなりません。

 時は、令和の世。世界は荒れ狂い、今や、米中激突の勢いを止めることは出来そうもありません。わが国は大東亜戦争(第2次世界大戦)後、表面上の平和を享受してきましたが、此度は「米」「中」の蚊帳の外でゆっくりと眺めておけば良いという環境にはありません。

 それは、尖閣・沖縄の領有権線引きが、中国によって強引になされようとしていることであり、日本は米中覇権戦争の当事者であることから免れることは出来ないのです。

 国際情勢は、そんな緊迫した中にあるにも関わらず、国内は平和ボケ一色。アメリカ・ポンペオ長官が【中国打倒宣言】を発したことすら知らぬがごとくに緊張感を欠いていますが、これでは世界に伍していくことは出来ません。

 改めて、7月23日、ロサンゼルス近郊の「ニクソン大統領図書館・博物館」で行われた、ポンペオ国務長官の【歴史的演説】(要約)を見てみましょう。

ニクソン大統領は今から50年前、歴史的訪中で、中国との関与政策を打ち出したが、この「盲目的対中関与」という古いパラダイムとは決別しなければならない。今日の中国は国内でより独裁主義的になり、海外ではより攻撃的に自由への敵意をむき出しにしている。

中国共産党政権はマルクス・レーニン主義体制であり、習近平総書記は破綻した全体主義イデオロギーの信奉者だ。中国の共産主義による世界覇権への長年の野望を特徴付けているのはこのイデオロギーだ。我々は、両国間の根本的な政治的、イデオロギーの違いをもはや無視することはできない。

自由主義諸国は自由を守るために戦わなければならないが、マリオット、アメリカン航空、さらにはハリウッドのエンターテイメント企業など含め世界中の多くの企業が、中国の怒りを避けるため、台湾との関わりを解消しようとしている。しかし、今こそ、自由主義諸国は自国の主権と経済繁栄を守り、中国共産党の触手から決別しなければならない。

いま行動しなければ、中国共産党はいずれ我々の自由を侵食し、自由な社会が築いてきた規則に基づく秩序を転覆させる。1国でこの難題に取り組むことはできない。国連やNATO、主要7カ国(G7)、20カ国・地域(G20)私たちの経済、外交、軍事の力を適切に組み合わせれば、この脅威に十分対処できる。

 ポンペオ長官が、中国の近年の言動と体制に対して厳しい認識を示していることは上の演説を見れば明らかではないでしょうか。

 米国の対中姿勢に明らかな転換が見られる証として、「中国」や「中国人民」と切り離して「CCP(Chinese Communist Party・中国共産党)」という呼称を意図的に使用していることです。

 確信に満ちたこれだけの演説の先に、米国はどんな政策を視野に入れているのかについて考えてみましょう。(8/3 WEDGE infinity 立花聡氏論稿一部参考)

① 台湾の国家承認と米台国交樹立!?

  従来「1つの中国原則」と言われてきましたが、米中で表現が異なっていることに留意が必要。中国は「1つの中国原則(One China Principle)」と言っていますが、米国は「1つの中国政策(One China Policy)」に留めていることです。Policyと見れば変更はできるし、価値観共有から行けば「棄中連台」もありえるのではないでしょうか。

  また、米中コミュニケでは「……中国はただ1つであり、台湾は中国の一部であるとの中国の立場をアクノレッジした」と「立場のアクノレッジ」という表現にとどまっており、米国の用意周到な外交協約表現には舌を巻きます。

② コロナ賠償請求!?

  米国のコロナ死亡者数は8月4日現在、155,402人。武漢・新型コロナウイルスによってトランプ氏が大統領に就任後に築き上げた国内経済や雇用の好成績はすべて台無し。したがって、米国は、コロナ被害各国の先頭に立って、中国政府に責任追及と損害賠償を請求する公算が大と言えるでしょう。尚、国際民事訴訟で、被告が国の場合は外国の裁判権から免除されるので、その際は「中国共産党」を相手に損害賠償を請求するようです。

③ 南シナ海における軍事行動!?

  米国は7月13日、中国の南シナ海海洋権益に対して「完全に違法」との声明を発しました。米国の軍事行動の主眼は、海南島の中国原子力潜水艦基地を叩き潰すことです。

④ 香港ドルの米ドルペッグ制を崩壊させる!?

  従来、香港ドルと米ドルはペッグ(固定)制をとり、1米ドル≒7.8香港ドルとなっており、香港と中国本土に多大の恩恵を与えてきました。アメリカの腹一つでペッグ制を廃止すれば、香港と本土が金融パニックに陥ることは必至。

⑤ 中国のグレート・ファイアウォール(ネット遮断・情報統制)の無効化!?

  中国人民に中国共産党政府の不都合な真実に触れることができないように、情報統制とネット規制が行われていることは厳然たる事実。例えば中共の歴史的汚点である天安門事件に関する情報は完全に遮断され、虐殺はおろか事件さえなかったことになっているのです。これが無効化されればどうなるか…。

⑥ 中国人留学生・研究者の追放の本格化!?

  2019年の中国人留学生は37万人でダントツの1位。このうち工作員留学生が約3000人。工作員留学生や研究生の目的は知的財産の窃盗と政治工作であり、この政策を本格的に実行したら中国の痛手はとてつもなく大きい。

 その他いろいろのことが考えられますが、今、アメリカは、挙国一致で「対中制裁」に向かっていると思われます。大統領選挙までこれから3ヶ月、トランプ大統領はもとより、民主党も対中国制裁に基本的に賛成の意を示しています。したがって、たとえ、トランプ大統領が敗北しても、この路線は民主党に引き継がれることになるでしょう。今はもう「Point of no return」(復帰不能点)と言えるかもしれません。

 それにしても、従来、トランプ大統領は、対中政策ではディール(取引)と称して政策を自在に操ってきましたが、自由民主主義と独裁専制の戦いとなればディールというわけにはいきません。わたし達日本国民は、対中制裁に対するアメリカの本気度を、緊張感をもって見守るべきだと思います。

 もう、平和ボケは許されません。今や、米・中のどちらに立つのかの選択を迫られているのであり、それに対する明確な姿勢を示す段階に来たと考えます。米につくのか、中につくのか。それをはっきりしないと、尖閣・沖縄を守れないのではないでしょうか。米中冷戦激化の中にあって、日本には、いよいよ国益を基礎にした決断の時が迫ってきました。

 国際情勢は、それだけ緊迫してきていることを認識しようではありませんか。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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