北朝鮮関連異聞!
755回目のブログです
“秋も秋 こよひもこよひ 月も月 ところもところ みるきみもきみ”
光源法師(平安中期・比叡山の僧)
詞書:賀陽院で八月十五夜の月が美しかった晩に、宇治前太政大臣頼通さまが歌を詠めと仰せられて詠んだ歌。
秋もまさに仲秋、今宵もまさに十五夜、ところも天下の賀陽院、月見る君も宇治前太政大臣の関白さま、(… 時・所・人を得て、今宵の名月はまさに最高でございます)
名月を称えるにあたり、時と所と人のそれぞれがそれぞれを得、重層に交わっている雰囲気の清々しさを見事に表現した和歌ではないでしょうか。美しく誉めるにはこのように平凡でも清らかな言葉を綾に織り込むことが秘訣であることを示しています。
十五夜と言えば、自然も静かに鳴りを潜め、人の心も落ち着き、穏やかな日々に包まれていればこそ、風情も豊かになりますが、実態はあにはからんや、今年は、武漢新型コロナウィルスの流行で大騒動、自然界も猛威をふるうなど、理想の世の中には程遠いと言わねばなりません。
そして、政治の世界では、長期政権を担った安倍首相が辞意を表明し、後任の首相候補者が覇を競っている今日です。安倍首相の悲願は「憲法改正」と「北方領土問題の解決」と「北朝鮮拉致被害者の奪還」でしたが、いずれも未達。これらの課題は次の政権に引き継がれますが、はたしてどれほど真剣に取り組むのか見守りたいものです。
さて、ネット記事を軽く渉猟していたら、北朝鮮拉致被害者の奪還に関して、異なことを主張する有名人がいることに驚かされました。ここに一部を引用します。
「デヴィ夫人」は、インドネシア・スカルノ元大統領の第3夫人ですが、現在テレビのワイドショーなどマスコミで大活躍しています。デヴィ夫人のブログやインタヴューに注目してください。『 』内はデヴィ夫人の言葉です。
『スカルノ大統領とキムイルソン主席は同じような政治理念をもっている』
『拉致問題が未解決だという口実で日朝ピョンヤン宣言を履行せず、国交正常化をしないということはまちがっている』
『キムジョンイル総書記は、2002年の小泉首相訪朝の際、拉致を正式に認めて謝罪し、5人の日本人が帰国しました。これによりこの問題についてはすでに解決していることなのです。日本は拉致のことをこれ以上言う資格はありません』
『かつて日本は朝鮮半島から何百万人にものぼる朝鮮の人たちを強制連行して(中略)日本政府は、そのような事実には完全に目をつぶっています』
【拉致被害者家族に対して】
『北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の人々は、日本と日本人が好きです。拉致事件は、あってはならないし、許されないことだとは思いますが、日本が戦争中に行ったことを考えたら、その比ではないでしょう。
拉致被害者のご家族の方々に、伏してお願いしたい。日本と北朝鮮両国の為にも、諦めていただけないでしょうか。70年も経って、国交正常化がされていないのは、悲しいことです。2002年9月17日に 国交正常化に向けて、小泉純一郎内閣総理大臣と国家元首であった金正日総書記が 「日朝平壌宣言」に著名したのですから、安倍政権は実行すべきです。
この両国が、永遠に解決しそうにない拉致事件の為に、国交正常化が実行されないのは、日本にとって恥ずべきことです。両国の友好と繁栄の為に、心を鬼にしてお願いしたい。諦めていただけないでしょうか。』(2015/7/29ブログ)
【北朝鮮の核について】
『北朝鮮が 核を持って、何が悪いのでしょう。自分の国を守るための抑止力です。』
「有馬頼底師」は臨済宗相国寺派管長であり、金閣寺、銀閣寺、相国寺の住職を兼ねる、京都仏教界の大物禅僧です。有馬頼底氏の特異な言動をごらんください。
・宗教者「九条の和」の呼びかけ人
・在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)の式典に出席し『故金正日総書記の指導のもとに発展を続ける朝鮮』を讃える
・金正恩著作研究会(北朝鮮・チュチェ思想研究会)結成集会に『金日成・金正日主義をかかげチュチェ革命偉業を導く金正恩委員長の思想と業績に学ぼうとする日本各地からチュチェ思想研究者や朝・日友好人士など各界各層の参加した結成集会の成功を祈念する』メッセージを発表
・5回以上は北朝鮮を訪問し、朝鮮半島の平和と統一を祈願する法要をおこなう。
・金閣寺のパンフレットには、表紙の「金閣寺」の日本語の上にハングル文字が大きく記されており、なかの説明文も同様。(異様なパンフレットとなっています)
とりあえず、お二方を取り上げましたが、デヴィ夫人の拉致被害者ご家族の方々に対して“拉致被害者の奪還、帰国を諦めてくれませんか”という発言は異常な発言と断ぜざるを得ません。かつて、社会党の国会議員が、拉致問題は日朝国交回復の障害だと発言し物議を醸したことがあります。
拉致は、国家主権の侵害(国家犯罪)であり、人権侵害でもあります。それを諦めろとはよく言えたものです。例えば、デヴィ夫人の愛する娘さんが拉致(人さらい)に遭った場合、取り戻すのを諦めてくれと言われたらどう思うのか、バカでも分かることではないでしょうか。この発言は、人間の心を持たない冷血動物の言葉であり、唾棄すべき言動と言わねばなりません。
有馬頼底師の言動も不可解。北朝鮮のドン、金日成、金正日、金正恩に最大級の敬意を払っていることです。
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を憎からず思い、理想の国と崇めている日本人は、おそらくチュチェ思想に取り込まれたと考えられます。
【チュチェ思想】(主体思想)
朝鮮民主主義人民共和国・朝鮮労働党の政治思想。マルクス・レーニン主義を基に、金日成が独自の国家理念として展開。人間は自己の運命の主人であり、大衆を革命・建設の主人公としながら、民族の自主性を維持するために人民は絶対的権威を持つ指導者に服従しなければならないと唱える。(小学館『デジタル大辞泉』)
わが国では、チュチェ思想は教育やメディアにも広く行き渡っており、それに洗脳されたシンパは北朝鮮から見れば格好の工作員ともなりうるのです。わが国にはその種の人が多数いることを認識しなければなりません。
北朝鮮万歳(マンセー)!の北シンパが、マスメディア、宗教界、教育界など広範囲に蠢いていることに最大級の警戒をしなければならないのではないでしょうか。こういう人々が、拉致被害者奪還の足を引っ張っていることは明白です。わが国の表と裏の両方からの資金が北朝鮮の核を含めた体制維持に大きく貢献していることは従来から指摘されており、充分知っておかねばなりません。
遅れに遅れていますが、北を支えるチュチェ思想からきっぱりと離れなくてはなりません。本来ならば、日本国民一人残らず、拉致被害者を返せと叫ばねばならないにもかかわらず、北に同情する輩がいることにイライラさせられます。国会の決議さえ行われない今日です、何か狂っている……。
政治を正道に戻すように力を入れようではありませんか。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
戦後70数年を経てなおGHQが強制した国際法違反の憲法さえ廃止も改正もできない事実が、アメリカ等による占領政策がいかに深刻なものであったかを物語っている。スターリンやヒトラー、毛沢東といった大陸が生んだモンスターは異国人の殺戮は全く意に介さず、自国民であっても反対派は次々と抹殺したうえに、歴史書を書き換えてまで己の正当性を宣伝してきた。動物の弱肉強食の世界には善悪や正義不義のプロパガンダはないし、近世までの国家・民族間の生存競争でも勝者が必要以上に正義の御旗をが掲げることはなかった。今日の勝者が明日の敗者になる、という生存競争社会の理を互いにわきまえていたからである。だが、意味も価値も効果も不明な「国際法」やら「国際〇〇」という組織や条約やらができ始めた近代は、人間としても国家としても明らかな加害者側が、世界に対して、また被害者に対して、己の正義を高らかに主張し続けるようになった。武器による生存競争は同時に情報による洗脳競争の時代に入っている。洗脳は洗脳者側から与えられた情報をすべて事実として受け止めてしまった時点から始まる。与えられた情報の一つでも、「本当だろうか」と自問することから洗脳は解ける。ただ洗脳で怖いのは、知力に自信のある人ほど洗脳から抜けられないことだ。「私が考え考えてこの思想、この考えを選んだのだから間違いはない」という自尊心が邪魔をする。オウム真理教の高学歴信者はその一例である。洗脳を解くにはチェチェ思想のどこがといった理論の世界で戦うのでなく、指導者の日ごろの生活や性格の一端を見て疑問に思ったことを自問すればよい。「こんな人を私は・・・」。それで洗脳された壮大な理論までがすべてバカバカしいものだったことがわかる。日本人の多くがいまだにある種の贖罪感をもっているのは、GHQや現憲法が説いてきた空想理論に魅惑されるほどの優しさと知性をもっているからである。
投稿: 齋藤仁 | 2020年9月11日 (金) 14時27分