「反中意識」… 先進国に充満!
762回目のブログです
“世の中を 常なきものと 今ぞ知る 奈良の都の うつろふ見れば”
詠み人知らず(万葉集)
世の中が無常なものだということを、私は今こそはっきりと思い知った。あの栄えた奈良の都が日ごとにさびれてゆくのをまのあたりにして…。
無常は、どのような人の人生にも、どのような組織の経過にも、寄り沿うように存在するものかもしれません。歴史を見ても栄枯は移る世の姿、まさに、荒城の月に歌われる“昔の光いまいずこ”でしょうか。
そう考えれば、私たちは永遠の歴史を求めるならば “悲劇の歴史には同情を、栄光の歴史には誇りを” 持ち、謙虚さのなかに確固とした自立の精神を堅持することが大切ではないでしょうか。
■ スウェーデン 対中感情悪化
欧州で中国への警戒が高まる中、北欧のスウェーデンで特に対中感情の悪化が目立っている。中国共産党の批判書を扱い閉店に追い込まれた香港の「銅鑼湾書店」をめぐる問題が主なきっかけ。スウェーデンは自由や人権に対する意識も高く、政府は第5世代(5G)移動通信システムで中国大手排除に動くなど対抗姿勢も鮮明にしている。
(2020.10.27産経新聞一部抜粋)
今、世界はまさに激動の渦の中にあり、どのような方向に収斂していくのか全く不明の時代となっていますが、大きな一つの動きが現れてきているように感じられます。
それは、14億の民を1党独裁の権力で統治することを背景に、傍若無人、無法暴虐なふるまいを続ける中華人民共和国(中国)に対して、スウェーデンをはじめとする先進民主主義国家が極めて厳しい判断を下していることが明らかになったことです。
去る10月6日、国際世論調査では定評のあるピュー・リサーチ・センター(米)は先進14ヶ国を対象に、中国に否定的か肯定的かの意識調査を行いました。
【対中国:否定的・肯定的の意識調査】(2020年)
<否定的> <肯定的>
日本 86(%) 9(%)
スウェーデン 85 14
豪州 81 15
韓国 75 24
デンマーク 75 22
英国 74 22
オランダ 73 25
米国 73 22
カナダ 73 23
ドイツ 71 25
ベルギー 71 24
フランス 70 26
スペイン 63 36
イタリア 62 38
(平均) (74) (23)
……驚愕の数字、ごうごうたる中国非難の声!
中国に対して好意的でなく、否定的な意識、すなわち「反中国意識」が、先進国14ヶ国平均で74%もあり、昨年よりも軒並み10ポイント以上の悪化を来しているという事実。そして、中国に対して好意的であり、肯定的な意識、すなわち「親中国意識」がわずかに23%しかないという冷厳たる事実。…これには正直驚きますが、よくよく考えてみれば、さもありなんと納得させられます。
先進各国が反中国意識を持つようになった要因は、中国のここ1~2年の動きから容易に想像できるのではないでしょうか。
① 新型コロナウイルスが自国の武漢市で発症したにもかかわらず、隠蔽などの不道徳政治によりパンデミックス化、全世界に蔓延させた。
② 香港特別行政区に対して「香港国家安全維持法」を導入し、国際公約でもある「一国二制度」を破棄した。
③ 新疆ウイグル自治区において、ウイグル人住民に対して苛斂誅求、弾圧の限りを尽くし、民族浄化を強化中である。
この①、②、③、すべて人権の無視・弾圧としてくくられます。①のコロナウイルス対応は、世界人類への配慮など全くなかったことは明らかであり、世界中の人々の人権への挑戦と言っても言い過ぎではありません。②の香港弾圧は、世界に公約した香港型民主政治を破棄し、独裁強権政治へ移行しようとするものであり、自由の抑圧、人権の弾圧に繋がることは火を見るよりも明らか。③のウイグル人に対する弾圧は、目を背けるほどの残酷さであり、ウイグル人を根絶やしにする断種政策を採用するなど、ヒットラー以上の悪行と言わねばなりません。
「自由」を抑圧し「人権」を弾圧することは、共産主義政治の必然であり、中国もそれからのがれることは不可能というものです。それにしても、これだけ世界から、特にすべての先進国から嫌われていることを、中国はどう考えているのでしょうか。独裁者・習近平共産党総書記は、大変な事態だとの思いは露ほども持っていないのではないかと思います。
中国を嫌うということは、中国への投資を控えることを意味します。先進各国は中国への投資をひかえることは間違いありません。(ただ、わが国は危機意識が薄く、国際情勢を見る目も甘く、特に経済人は親中派が圧倒的に多いことに注意を。無防備に積極的にのめり込んでいけば遠からず痛い目に遭うことを覚悟しなければならないかも知れません)
このような流れが出来上がれば、中国経済も萎まざるを得ず、そうなれば、近隣諸国との軍事的なイザコザに人民の目を向けさせようとする局面になると思われ、尖閣・沖縄がきな臭くなる可能性も否定できません。わが国は、本格的に尖閣周辺の守りに万全を期すことが肝要だと考えます。
さて、近年、中国から「サイレント・インベージョン」(静かなる侵略)を受け続けているオーストラリアは、今度は「戦狼外交」に直面し、理不尽な経済報復を受けています。例えば、中国にコロナウイルス発症の徹底調査を求めたことに対し、中国はオーストラリア産牛肉や石炭の輸入ストップで圧力を掛けるなど露骨です。
ここで、中国から侵略や経済報復を受けているオーストラリアは、人権問題で中国を快く思わない英国とともに、2022年の北京冬季五輪不参加を検討する議論を始めたと報じられています。
もしも、オーストラリア、イギリス、アメリカなどが北京冬季五輪に不参加する問題が発生すれば、中国、習近平のメンツは丸つぶれ。果たしてどうなりますか。注視したいと思います。
この段におよび、中国は「軟弱な日本」にすり寄ろうとしていますが、わが国の対応に先進各国が厳しい目を注いでいることに留意する必要があります。
それにしても、わが国のマスコミや経済界や政界は、ほとんどが親中、媚中、屈中派ですが、本当にそれでよいのか、今一度国際情勢と国益とを冷静に考えるべきではないでしょうか。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回
時事エッセー
です。
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コメント
現時点での日本政府は安倍外交を継承している。だが、アメリカの大統領選挙でトランプが勝てば、米豪印加などとの連携密度を高めて対中同盟が堅固なものになるだろうが、バイデンが勝利した場合は、二階幹事長らの与党親中派が息を吹き返し、「政経分離」の言葉の元に経済は中国と、政治はアメリカと、というサムライ日本とは大きくかけ離れた鵺(ぬえ)外交に戻る可能性が高いと見る。親中派のそれを阻止する力を菅内閣が持っているか確信を持てない。ただし自民党内に安倍政権時に育ったサムライ議員が少なくない。維新の党と連携して、親中派の蠢動を抑え、日本領内への各種の中国政権の浸透を規制する厳格な法の制定力を期待している。そのためにも岐路に立っている東アジアの情勢に鑑みて、我々一国民も立ち上がって、意を託せるサムライ議員を支援することが求められているのではないか。
投稿: 齋藤仁 | 2020年10月30日 (金) 16時09分
2020年は世界史レベルで大きな歴史の転換点だと感じています。中国・共産党のおぞましい実態が世界中で問われるのと同時進行で、米国・大統領選での民主党・バイデン陣営の数々のスキャンダルの拡散。同時に中国共産党(習近平)とオバマ政権の不正義が問われています。既存大手マスメディアに対する”共同幻想”は崩壊中ですね。既存大手マスメディアの情報操作は、日本も米国も同様だなと実感しています。
投稿: 野中志郎 | 2020年10月30日 (金) 10時41分