新型コロナウイルス…対策への素朴な疑問!
767回目のブログです
(壱岐の島に到りて、雪連宅満の忽ちに鬼病に遇ひて死去りし時に作れる歌)
“世の中は 常かくのみと 別れぬる 君にやもとな 吾が恋ひ行かむ”
(遣新羅使<作者不記載>・万葉集)
世の中っていうやつはいつもこんなもんさ、と言って別れてしまった君を無性に恋しく思いながら、私は生きてゆく…。
遣新羅使として新羅に派遣された雪連宅満<ゆきのむらじやかまろ>という人物が亡くなった時に詠んだ「挽歌」のうちの短歌一首です。鬼病(きびょう)とは天然痘と推定されており、はやり病は古代から人々の最も恐れたものであったことを伺わせるとともに、このように友を悼む挽歌として詠んだ和歌に情感豊かな時代精神を感じます。そして、改めて、現代の日本人として、千数百年の歴史を経た民族的遺産である国民歌集「万葉集」に限りない誇りを覚えざるを得ません。
いよいよ師走。振り返れば「激動の1年」という言葉がもっとも相応しいとの思いを強く持ち、その中でも、いわゆる「新型コロナウイルス」という疫病の蔓延には、未だに収束さえみせない状況に何となく腹立たしさを感じてしまいます。
さて、新型コロナウイルスに関しては、あらゆるメディアが連日採り上げ、報道していますが、どうも煽りに煽るばかりでその本質を見失っているように感じられて仕方ありません。
そこで、素朴な疑問を投げかけてみたいと思います。
① なぜ、致死率の大幅な低下に着目しないか?
日本では、新たな感染拡大が始まり、地上波テレビは、東京では400人/日超えた、大阪では300人/日超えたと危機感一杯に連日報道しています。それに呼応して、政府は、札幌・大阪を「Go to トラベル」から一時除外、東京都も自粛要請。
マスコミは、新規感染者数に目を向け、その激増に慄き、パンデミックが異常に拡大することに恐怖をいだいているように思えます。しかしながら、疫病は死亡者数・人口比死亡率が最も重要な数値であり、それに関連する致死率に着目しなければならないと思います。まず数値をごらんください。
【新型コロナウイルス致死率】(主要国 単位:%)
9月 10月 11月前半 11月後半
イギリス 10.06 → 4.75 → 3.89 → 3.62
イタリア 13.40 → 6.18 → 3.99 → 3.52
スペイン 4.42 → 3.07 → 2.80 → 2.73
フランス 6.34 → 2.81 → 2.28 → 2.30
アメリカ 2.89 → 2.54 → 2.26 → 2.06
ドイツ 3.95 → 2.08 → 1.62 → 1.54
日本 1.90 → 1.75 → 1.65 → 1.50
【感染症致死率】
・インフルエンザ:0.1%
・SARS:3.6%
・MERS:36%
・スペイン風邪(日本):1.63%
主要国のどの国も致死率が急速に低下していることが分かります。わが国も5月に比べ1/4にまで低下しており、このペース行けば、来年には1%を割るかも知れません。もしもそうなれば、インフルエンザよりは高いが、他の感染症に比べればかなり低いことになります。
致死率低下の要因は・治療方法の発展・集団免疫・ウイルスの弱毒化が指摘されています。(11/29 money voice 高島氏論稿より)
② コロナウイルス感染者数の流行には季節性があるのではないか?
新型コロナウイルスが11月、12月と感染者数が大幅に増加しており、国や自治体がその対応に苦心しています。新型コロナウイルスも、通常のコロナウイルスの性質を持っていると見れば、冬になれば確実に感染者数が増えることになります。アメリカCDC(疾病予防管理センター)からのデータからGoldman Sacksが作成した図をごらんください。(PCが下手なため図が不鮮明となりお詫びします)
これを見ますと「気温が7℃以下」になると急激にコロナウイルスの感染者数が増え、「2℃以下」の気温でさらに急上昇。そして、気温が22℃から27℃の暖かい時(5月~7月)には、感染者数が極めて少なくなり、気温が「30℃を超える」とまた増えてくることが読み取れます。
冬に入りました。今年は、ラニーニャ現象により「寒冬」が予想されておりコロナウイルスの特性からさらに数倍の感染者が出ると考えられます。
図から見ても明らかなように、冬に感染者数が増えることを普通のこととして捉える必要があるのではないでしょうか。季節性の要素が大きいことを注視したいものです…。
③ なぜ「指定感染症2類以上」の指定を見直さないのか?
【感染症法における感染症分類】を見てみましょう。
(1類)ウイルス性出血熱(エボラなど)・ペスト・天然痘
(2類)結核・MERS・SARS・鳥インフル・ポリオ・ジフテリアなど
(3類)コレラ・腸チフス・パラチフス・赤痢・出血性大腸菌
(4類)デング熱・ジカ熱・狂犬病・ニパウイルス感染症など
(5類)アメーバ赤痢・後天性免疫不全症候群・麻疹・風疹など
新型コロナウイルスは感染症2類以上に指定されています。そして、蔓延から時間が経過し、重症化するのは高年齢層、予防(マスク・手洗い・距離)の効果など、その特性がかなり明白になってきました。そうとすれば、実態に合わせるべく「指定感染症2類以上」の指定を見直すべきではないでしょうか。
「指定感染症2類以上」になると、感染者は法に基づいて入院・隔離措置が取られる。また、感染者が入院・隔離となった場合、その費用が公費負担となる。感染が疑われた場合、保健所、行政に届け出なければならない…とあります。
感染者をすべて隔離入院などさせていたら全体医療体制が持たないこと位は素人でもわかります。多くの有識者、医療関係者が言う、現在の「指定感染症2類以上」から除外するか、もしくは季節性インフルエンザと同程度の5類感染症扱いにすべきだと思います。
国民は、長期間の活動自粛で我慢の限界にきており、首相や知事や市長が緩い要請を行っても我慢よりも経済活動に向いて行っているように思えてなりません。また、自殺者は10月には昨年の4割もアップ、コロナ鬱も増加、今の日本は、新型コロナで死ぬよりも、孤独、不安、貧困で死ぬ人の方が10倍以上も多く、また、この情勢が長期化すれば、中小企業の廃業が30万社に達するとの調査結果も出ていることを改めて認識しなければならないのではないでしょうか。
難しい局面かとは思いますが、新型コロナウイルス対策を真剣に講じている菅首相には、ぜひとも『コロナ死』と『経済死』のバランスをとっていただきたいものです。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
新型コロナウィルスには武漢での発生当初から中国政府による「事実隠蔽」と「情報操作」があったことが各国の予防対策を大きく狂わせた。WHEN,WHERE,HOWといった発生時の状況が不明で、新型コロナウィルス・COVID-19と称される感染症の遺伝子の正体を正確に把握することを中国が拒み続けているため、医師は自国の感染者を対象に治療法を研究しながら治療にあたっている。その不正確なウィルス情報と不明なウィルスの蔓延という恐怖感が国民にも医療機関にあったことが今春の数字に表れている。最近、イタリアで昨年9月にガン治療を受けた人の細胞を再検査したところ、複数の患者から新型コロナウィルスの抗体があることを見つかった。すでに昨年9月までにイタリアに新型コロナウィルスが流入していたのである。集団免疫説で知られる京大の上久保教授も中国が公式に発表した感染者第一号よりも早い昨秋から日本にも流入していたと語っている。感染が公になってすでに約一年たち、COVID-19の特徴も、日本における感染被害の実態もある程度見えてきており、ワクチンができてもインフルエンザの場合と同様に、ワクチン接種者の全てに効果があるわけでなく(逆被害もありうる)、このウィルスそのものを短期間に社会から抹殺することも不可能だと言われる。即ちこのウィルスと数年間は共存しなければならないが、すでにインフルエンザと共存しており、野宗さんの提案される形で、ウィルスと共存しながら社会生活を再生活発化を図るべきである。その刺激策としてのGoTo政策の継続にも賛成である。
投稿: 齋藤仁 | 2020年12月 4日 (金) 09時02分