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2021年1月22日 (金)

台湾(コロナ対策世界No.1)に学ぶべし!

 774回目のブログです

20211221

   “思ひ立つ 重きその荷を 卸すなよ 力車は くだけぬるとも”
                 (会津藩・宗川儀八)

 どんなに重い荷物(任務、責任、生活)でも、自分のものならば他人に担がせないで、自分で担ぐことである。慣れれば次第に軽くなっていくものだ…。

 人生の行く道には多くの災難や不幸が降りかかってきますが、それを克服すべく誰もが懸命に生きています。しかし、どんなに重かろうとも、自分の行く道で背負う荷物は自分で背負わねばなりません。他人に背負わせたならば、その人も大変な人生になってしまうからなのです。

 今、世の中は、いわゆる武漢新型コロナウイルスの蔓延で通常の生活が厳しく制約を受け、難儀な状況に置かれており、それもかなり長期にわたっているのが頭痛の種となっています。医療従事者をはじめとして、首相以下政府関係部署、自治体は、コロナ対策に懸命な力を振り絞っていることと思います。まさに、上掲の道歌に詠まれている「重き荷物」を担いでおられ、それを自分で背負っておられるということに、まずは敬意を表したいと思います。

 ところが、マスメディアや政治家など、相変わらず事実から目をそらし、誤ったイデオロギー的観念をふり回し、世間を混乱させてきていることを指摘したいと思います。それは、コロナ対策で、日本は世界各国よりも劣っている、ドイツに学べなどという実態を無視した暴論を投げていることです。

 米国の大手総合情報サービス会社「ブルームバーグ」は2020年、「今年の50人」に台湾の蔡英文総統を、そのコロナ対応を高く評価したことによって選んでいます。また、コロナ対策の成果において、台湾に世界一の格付けを行いました。

 ドイツに学ぶべきか、台湾を学ぶべきか、まずは、両国の実情を見てみましょう。

  【新型コロナウイルスの感染者数・死亡者数】

         (感染者数)    (死亡者数)
   ドイツ  2,071,615   48,997
   台 湾        868        7
         (1月20日現在:単位は人数)

   これを見れば一目瞭然。台湾はいまだに死亡者は一桁の7人、信じられない数値ですね。学ぶべき国は、真の親日国である隣国『台湾』であることは自明ではないでしょうか。(因みに、日本は、感染者数339,774人、死亡者数4,635人、人口は台湾の5.3倍。全世界では、感染者9,620万人、死亡者206万人。)

 それにもかかわらず、政府は、当初から台湾に教えを乞うための使節団派遣を行なわず、一部を除いてマスメディアもその必要性を主張してこなかったのです。これも、中国(中華人民共和国)への配慮、率直に言えば、脆弱な自立心しか有せず、日本国民の命よりも親中・媚中を優先する悪しきイデオロギーの故ではないでしょうか。

 台湾が、なぜ死亡者を一桁に抑える施策を講ずることが出来たのか、また、具体的にはどのようなものなのか、見てみましょう。

第1の功臣は陳建仁副総統。陳副総統は米国ジョンズ・ホプキンス大学で公衆衛生をテーマに博士号を取得した公衆衛生のプロです。綜合的な陣頭指揮をとりました。

SARSの時、院内感染が生じ84人の死者が出ました。この時は、中国の圧力で世界保健機構(WHO)に加入できず、情報提供をしてもらえなかったために適切な対処ができないという苦い経験があり、感染対策の法整備を一気に進めたことが今回の迅速な対応に結びついたとしています。

蔡総統は、SARSの時は対中政策委員会の主任委員であり、中国からの感染者を抑え込むことが最も重要なポイントであるにもかかわらず、中国からの感染症対策における協力は得られないとの認識を持っていたのです。したがって、今回のコロナウイルス対策では、いち早く中国人の入国制限を強化し、全面禁止まで踏み込みました。(見事な対処と言わねばなりません)

 「台湾企業の対中ビジネスや中国人観光客の経済効果を考えれば、間違いなく、日本以上に痛みの伴う措置ではある。しかし、ウイルス感染の蔓延の方がはるかに失うものが大きいという大局的な判断があったからこそ、できたことだろう。」

 ・「中国人の入国禁止を求める声が世の中から広くあがりながら、習近平国家主席の国賓訪日やインバウンドへの影響を配慮してか、3月9日まで入国制限に踏み切れなかった日本の安倍政権とは対照的な行動となった。」(ジャーナリスト・野嶋剛氏の論稿より)

 台湾と日本の政治家の大局的判断 の差異。危機感覚に優れた台湾と危機意識に乏しい日本。軽い眩暈とともに深い絶望感に落ち込みそうになるのはわたしだけでしょうか。私は、早くから、武漢および中国全土からの入国制限を実施すべきであると警鐘を鳴らしてはいたのですが……。残念というよりも怒りを覚えています。リーダー的政治家には、自民党から共産党まで、いや、政府・与党自民党には特に、危機の時は「私」の心を払いのけ「公」の心に徹していただきたいと願わずにはおられません。

その他、防疫の現場を支えた陳時中・衛生福利部長(大臣)、マスク在庫アプリの開発者・オードリー・タン・デジタル担当大臣(38歳!) その他、感染症、医療に強い人材が綺羅星のごとくいます。マスクの配布、濃厚接触者の履歴追跡なども、プライバシーにも配慮した極めて合理的かつ安全な対処法により、何の混乱もないのが現在の状況です。

何度も言いますが、にもかかわらず、なぜ台湾に学ぼうとしないのですか。たとえ、今回は、台湾での事例がわが国に生かせなかったにしても、感染症はまた生じるのであり、その時参考にできるのではありませんか。政府も、国会も、何かおかしい。

 こんな時、わが国のメディアは、コロナ対処にモタモタするように見える政府にケチをつけ、ドイツのメルケル首相に賛辞をのべています。メルケル首相は、コロナ感染者の拡大に対して次のような演説を行いました。

 「クリスマス前に多くの人と接触し、その結果、祖父母と過ごす最後のクリスマスになってしまうようなことはあってはなりません」

 「心の底から申し訳なく思います。けれど、私たちが払う代償が、1日590人もの命だとしたら、それは到底容認できません」

 感情を露わに、両手を合わせて懇願し、こぶしを握り、涙を流さんばかりに新型コロナへの警戒を呼びかけました。これに日本のメディアは絶賛。リベラルサヨクの「サンデーモーニング」の司会者・関口宏氏は「メルケルさんは涙が出んばかりに力説。これが日本はない」と述べ、菅首相の危機感不足を批判したのです。

 涙を流せば何でもよいのでしょうか。ドイツのコロナ死亡者48,997人、台湾はわずかに7人、コロナに関してはメルケル首相よりも蔡総統を評価すべきであることは明々白々。メディアは偏向しすぎであり、もっと事実を重視しなければなりません。

 わが国のリベラルサヨクは、戦後処理においても、ドイツを見習えと訓示を垂れますが、これは大きな間違いです。ドイツが支払ったのはナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人600万人虐殺)個人賠償であり、戦争による国家賠償は行っておりません。ドイツ人もナチス犯罪の被害者として規定しているのです。

 とにかく、わが国のメディア、リベラルサヨク文化人は歴史の見方に偏りがあります。もっと事実を押さえなければ彼らの主張する言論が浮いてしまうのではないでしょうか。「偏向」と「虚偽」、偏りと嘘の言論は、わたし達普通の一般国民にとっては迷惑であり、すみやかに正しい方向に直してほしいものです。

 令和3年、2021年、いい意味で、台風の目は「台湾」ではないでしょうか。

 あらためて、台湾に注目したいと思います。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

NHKがビッグデータを用いて新型コロナウィルスに関する世界の論文や感染例を調べて特別番組を作っていたが、中国に過剰配慮の目立つNHKも2019年秋に武漢ウィルス研究所辺りで感染が始まっていたと報道せざるを得なかった。一年間余りの感染例を調べている研究者たちは従来のコロナウィルスと異なる特徴を持っていることを指摘しているが、研究所で作られた可能性は高い。それが従来の医療技術での鎮静化を妨げている最大の要因ではなかろうか。いずれにしても一種の鎖国状態にすれば感染者数の急減は可能だろうが、ワクチン問題も含めて2021年度中に世界の感染が終息する可能性は少ない。とすれば、外国との人的交流を極限まで制限して、逆に国内の経済・社会の活動の制限は極小に減らして消費経済を活発化する、または1930年代のブロック経済のように、日米英豪など医療制度が進み管理体制が信頼できる自由主義諸国内での人的交流を次第に広げていく、などの方策をとるしかないだろう。政治家や官僚・公務員・あるいは新聞・テレビの業界人や年金生活者と異なり、飲食業などのサービス業の人たちは今日の収入さえ約束されていない。社会活動の制限だけを論じるメディアは彼らの生活を守る方策を考えたことがないのではないか。

投稿: 齋藤仁 | 2021年1月22日 (金) 16時38分

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