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2021年2月26日 (金)

2022北京五輪はどうする…「森発言騒動」に思う!

 779回目のブログです

20212261

     『春暁』 孟浩然
   春 眠 不 覚 暁(春眠、暁を覚えず)
   処 処 聞 啼 鳥(処処、啼鳥を聞く)
   夜 来 風 雨 声(夜来、風雨の声あり)
   花 落 知 多 少(花の落つること知りぬ多少)

 春の眠りは心地がよく夜が明けるのも気づかないほどだ。あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてくる。そういえば昨夜は風雨の音がしていた。いったい花はどれほど散ってしまっただろうか…。

 孟浩然は、中国盛唐時代の代表的な詩人。五言絶句『春暁』は、教科書にも出てくる有名な漢詩であり、詩のリズムも軽快で、詩吟にもよく取り上げられます。

 わが国の文藝で言えば、清少納言の『枕草子』“春はあけぼの やうやう白くなりゆく山際 少し明かりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる”の趣が、孟浩然の『春暁』に当たると思われます。

 いよいよ春になりました。三寒四温、まだまだ寒い日もありますが、朝の起きかけは何か気だるく、まさに “春眠、暁を覚えず” の言葉が口の端に浮かんできます。やはり春ですね。もう少しすれば「桃の節句」(ひな祭り)、そして待ちに待った桜花爛漫の風景。…まだまだ続くコロナ禍ではありますが、早く心から楽しめる時を迎えたいものです。

 さて、穏やかな春を待ち望む今日この頃ですが、世情では何か騒々しい出来事ばかりであり、先日、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の森喜朗組織委員長が、いわゆる「女性蔑視」発言で辞任し、新たに橋本聖子参議院議員が大会組織委員長に選出されました。

 この経緯などについての感想を述べたいと思います。

 森元首相は「女性蔑視」発言を理由に、欧米や日本のほとんど全てのマスメディア、IOCなどから集中的に非難されたのですが、例によって、発言の切り取りもあったようですので、全文を読んでみましょう。

 【2月3日のJOC臨時評議員会での森喜朗氏の女性を巡る発言】

『これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言いますが、ラグビー協会は今までの倍時間がかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた(笑いが起きる)5人います。

 女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局女性っていうのはそういう、あまりいうと新聞に悪口かかれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります。

 私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。みんな競技団体からのご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとした、的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。』(スポニチより)

 この発言で、女性蔑視、ジェンダー不平等、人権無視、ダイバーシティ(多様性…年齢・性別・学歴・民族・宗教・性的指向)無視、との指摘のもとに集中砲火、森会長は「女性蔑視のつもりで言ったのではない。しかし誤解を与えて申し訳ない」と謝罪しました。

 ところがこれで収まらず、マスコミやリベラル勢力は、森発言が「オリンピック憲章違反」「世界人権宣言違反」「日本における男女差別の封建的意識が残存の証」などと、ここぞとばかり一斉に広く世界にプロパガンダ広報。オリンピック・パラリンピックを是非とも開催に漕ぎつけたい森会長は万止むを得ず辞任しました。

 みなさんはこの森発言をどのように受け止めましたか。文脈から判断すれば、怒り狂って非難するほど女性を蔑視した発言であったかどうか、少々微妙だったと言えるのではないでしょうか。確かに、JOCの正式な会議でのものですから、森会長の発言は軽口として済まされなかったのではないかと思います。

 ここからが本題。2022年2月4日から2月20日までの17日間北京冬季オリンピックが開催される予定にあり、中華人民共和国(中共)首都の北京は、オリンピック史上初めて夏季・冬季両大会を開催する都市としての栄誉を担っています。中国共産党中央委員会総書記・習近平氏は、何が何でも北京冬季オリンピックを開催し、その力を誇示することにより、中共の世界覇権への地歩を更に固めようとしているのではないでしょうか。

 ところが、北京の空に暗雲が垂れ込めてきました。2月4日、1年後に迫った2022北京冬季オリンピックに人道上からボイコットをと180以上の運動団体が署名。書簡は「チベット・ウイグル・南モンゴル・香港・台湾・中国民主/人権運動団体連合」の名で発表されたのです。(CNN)

 今、新疆ウイグル自治区では100万人という膨大なウイグル人が強制収容され、迫害を受けていることが明らかになっています。(厳格な管理と懲罰・民族言語排除と中国語の強制学習・自由の剥奪・イスラム教の「ハラル」「長ひげ」「ブルカ」の禁止・毛沢東思想の強制学習など)

 中共によるウイグル人への断種(強制不妊手術)が実施されており、急激な人口減を来しているという身の毛もよだつ政策は、まさしく人間性の欠片もない悪の独裁政治と言わねばなりません。

 先日、米国務長官は、中国が西部の新疆ウイグル自治区でジェノサイド(民族集団虐殺・民族浄化)の罪を犯していると断定しました。米国が公式にジェノサイドとまで言及したのは初めてではないでしょうか。これに対して中国外務省は「悪意に満ちた嘘」だと反論していますが、どちらが真実か、新疆ジェノサイドの動かぬ証拠もありますので、答えは明らかです。

 これらの状況から、北京冬季五輪をめぐっては、オーストラリア・英国・カナダ・米国などが、北京に代表選手団を送らない可能性があると表明。どんな結論になるか、現在のところ不明です。

 さて、話は戻って、もしも、森発言が、オリンピック精神に反するとともに、世界人権宣言に違反するというのであれば、北京冬季五輪はそれどころではありません。習近平総書記に率いられた中共政府による、民族虐殺、迫害、宗教の弾圧、言論の抑圧、自由の剥奪、…これは女性蔑視発言とはあまりにも質とレベルが違い過ぎます。

 ところが、わが国のマスコミやリベラル・サヨクは、いわゆる中国の人権弾圧、ジェノサイド、断種政策、宗教迫害、などには完全沈黙。なぜ、このような姿勢を取るのか、人間として恥ずかしくないのか、どうして、中国(中共)と日本とで基準を変えるのでしょうか。まさか、かつて、中国の核は善で米国の核は極悪という判断を下したサヨクの原水爆反対論者が多数いましたが、それと同じイデオロギーで動いているとしか思えないのですが…。全く理解に苦しみます。真摯に答えてほしいものです。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

現代はそれぞれの国の生活実態と乖離した理念がそのまま正義とされ、表舞台でそれに反する言動をとることは政治家やタレントなどにとって致命傷となる。信者の前で清廉な言動をとりながら、祭服を脱げば少年少女に淫行をという神父や牧師、僧侶の事件は現代も絶えることがない。アメリカの善人面した政治家や富豪がエプスタイン島で子ども相手に興じていた事件はまだ解明されていない。マスコミが偽善社会を支配し、言葉だけの正義を振りかざした人たちが表通りを闊歩している。しかし彼ら・彼女らは私的生活・家庭生活の中で「非正義・独善・利己主義のわがままを直すこともできない。わが国のマスコミの二重規範は、そこに従事しているジャーナリスト自身の二重規範を示している。自由主義国の核実験に反対し、社会主義国の核実験に賛成し、罵倒しても我が身の安全な自国の政府批判は声高に、中国の大躍進や文化大革命、天安門事件そして香港弾圧は地中のセミのように声が聞こえない。刑法を犯したわけでもない政治家の上げ足を取って潰す前に罵倒する自身の表と裏の心の有り様を省みることのできるまともなマスコミ人はいないのか。

投稿: 齋藤仁 | 2021年2月26日 (金) 08時46分

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