「土地利用規制法案」に賛成せよ…公明党に物申す!
782回目のブログです
“対馬の嶺は 下雲あらなふ 上の嶺に たなびく雲を 見つつ偲はも”
防人の歌(万葉集)
対馬の嶺には裾野にかかる雲がないから、山の嶺の上にある雲を眺めながら、故郷に残してきた妻子を思い出すことにしよう…。
3月14日、靖国神社の標本木によって桜の開花が観測されました。昨年に続き、東京ではもっとも早い桜の開花となります。暖かい春が続いており、今年こそは花見の宴と思ってはいても、コロナ騒動によりそれもかなわず、近くの神社の桜の花を静かに眺めたいと思う今日この頃です。
わが国の春の景色は、なるほど伸びやかであっても、コロナ禍により世情は陰にこもり、世界情勢、特に東アジアの情勢は風雲急を告げつつあるように思えてなりません。
先日も小ブログに記しましたが、昨年1年間に尖閣諸島の接続水域に入域した中国公船(軍船)は、何と1161隻、領海侵犯は88隻の多くを数えています。10年前にはゼロであったことから考えれば、今日の実態を厳しく認識しなければならないのではないでしょうか。
2月1日「海警法」が中国で施行されました。領海侵入を繰り返す中国公船は、従来は日本の海上保安庁に当たる海警局の船でしたが、3年前、軍の指揮下に置かれ、今回、海警法が施行されたことにより、主権を侵害したと見做した外国船に対し “武器” の使用を含むあらゆる措置を取ることが出来るようになったのです。もはや、第2海軍と言うべき存在となりました。
そして、いよいよ2月6日、海警法施行後初めて、中国の公船が尖閣沖に侵入したのです。これは、従来の公船ではなく『軍艦』として考えなければなりません。にもかかわらず、政府(外務省)には危機感はほとんどなく、弱腰の反応しか示しませんでした。(安倍政権が退陣しチャイナスクールが復活したようだと青山参議院議員談-週刊新潮より)
このように、わが国の領域(領土・領海・領空)が、周辺諸国から虎視眈々と、着実に侵入、侵略されつつあることは、事実として認識しておかなければなりません。甘い、甘~い平和ボケの時代は完全に終わったにもかかわらず、未だにそれから脱却できていない政党があることに驚きを隠せませんが、まずは、実例を見てみましょう。
例えば、日本の土地。これが外国資本に着々と買収されていることは周知の通りです。北海道では約3,000haの土地が海外資本の所有となっており、東京ドーム515個分の水源地が中国資本などにより買収されていると言われます。また、北海道の航空自衛隊の基地と隣接する新千歳空港のおよそ52haの土地が、中国大手ECサイト「アリババ」に49億円で出品されたという笑えぬことが平成30年(2018)生じていました。
更に、平成21年(2009)、わたしも現地踏査で確認したことですが、海上自衛隊対馬基地の隣接地が韓国資本のリゾートになっていることです。基地とリゾートは金網一枚で仕切られているだけ。重要な日本の防衛軍事施設の隣接地が外国の資本によって買収され、丸裸になっている現実、…唖然としか言いようがありませんでした。
以上を見てわたしが感じたことは、永年にわたる政府与党(自民党・公明党)の「国家意識の薄さ」「リーダー意識の欠如」「歴史に対する無責任」そして「緊迫感なき怠慢」です。なぜ自国の領土を大切に守り抜こうとしないのか不思議でしかなく、これは、日本の危機であり、政治家の責任であると断ぜざるを得ません。
ところが、やっと待望の動きが出てきました。昨年末「外国資本による安全保障上重要な土地買収をめぐり、法整備を検討する政府の有識者会議」が提言を取りまとめ、通常国会での成立を期すことになったのです。
新法の名称は『重要土地等調査法案』(2/14 jiji comより)
・目的は、中国や韓国など外国資本による不透明な動きを監視すること
・国が所有者の国籍や利用実態を調査し、不正な行為には罰則を科す
・「注視区域」
①防衛施設周辺(自衛隊・海上保安庁)
②国境離島
③重要インフラ(発電所・空港・貯水施設など)の周囲1㎞
(土地・建物の所有権者や賃借権者の国籍、住所、氏名、活用状況
について調査する権限を国に与えると規定)
・「特別注視区域」
注視区域のうち司令部機能のある自衛隊基地など特に重要な土地
を別途指定。
(所有権移転の際、売り手と買い手の双方に氏名や利用目的の
事前届け出を義務付ける)
・また、規制区域内で ①電波妨害、②電気・ガス・水道などの重要施設
向け供給妨害、③侵入を目的とした地下坑道の掘削―などの行為が
あれば、中止命令を発出。従わない場合は刑事罰を科す。
妥当な法案だと思います。国家・国民のために、自国の領土を守り、適正に維持管理していくことは近代国民国家における政治家の基本的な使命でもあります。この土地利用規制法案は、特に安全保障に関連する区域を国が調査する権限を持ち、外資の取得を監視することが柱であり、いままで放置されてきたことは、誰が考えても異常なことと言わねばなりません。
永年の悲願であったこの法案の成立は、順調にいけばこの国会で成立する見込みでしたが、何と、与党の公明党(≒創価学会)が反対し、暗礁に乗り上げています。公明党は、この法案は過度の私権制限や経済活動の制約になると懸念を示しており、特に「特別注視区域」の事前届け出制にはとりわけ難色を示しているのです。(3/13産経新聞より)
なぜでしょうか。自衛隊基地の周辺などであれば、本来ならばもっと規制を厳しくしてもいいはずです。
本心は、公明党の最も友好関係にある、大陸・半島への配慮ではないでしょうか。かの国のわが国に対する行動を制約したくないとの慮りではないかと推測します。
土地利用規制法が成立して困るのは「スパイ行為」「破壊工作」「妨害活動」を仕掛ける意図がある勢力だけであり、通常の政党であれば、この法案に反対する理由などありえないはずです。
公明党が通常の政党であるとすれば、この「土地利用規制法案」に賛成し、今国会で成立を図るようにすべきだと考えます。そうしてはじめて、公明党は、良識ある「日本の政党」として敬意を払われるのではないでしょうか。公明党の良識を期待したいものです。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
宗教政党の公明党と、宗教を阿片とする共産党は互いに異種の存在だから、その点で存在理由がある。しかし公明党の価値はそれだけである。1匹の彷徨える羊を見殺しにして99匹の羊を守るのが政治だが、宗教政党は1匹の羊を捨てろと公言できない。公言できないということは、国家が侵略される事態に至っても人の命を重さを訴え平和を訴え続けるという意味だ。防衛のために自衛隊の命が何人奪われても、銃弾の届かない安全な場で命の大切を叫ぶしかない。共産党の政策は政権奪取の為であり、嘘も方便・マニフェストも方便である。平和主義も人道主義も政権を奪うための方便である。奪取したあとは冷徹・冷酷に自分たちの信じる共産主義世界実現を目指してわが国にソビエト世界・中共世界を再現する。公明党は結局、宗教団体が俗世にスケベ根性を出しただけの政党である。一方、共産党はリアリスト集団だが、彼らのリアリズムは政権奪取の為でしかない。彼らの美辞麗句を国家統治において実現しようと本気で考えているなら「共産党」の看板を外すしかない。いずれにしても自民党は選挙対策として公明党を利用するのは一刻も早くやめるべきだ。国民の生命と財産を守り続ける政府を確立するためには、選挙に負けても公明党と手を切るべきだ。野党連合政権は必ず失敗する。なぜなら民主党政権時代と同じで、アンチ自民党政策という、政策にならない寄せ集め政策しか打ち立てられないのが「野党連合」の宿命だからだ。
投稿: 齋藤仁 | 2021年3月19日 (金) 08時55分