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2021年7月 2日 (金)

日本の歴史…それは世界の宝だ!

(先週はブログを休みました)

 795回目のブログです

2021721

 “あぢさゐの 八重咲くごと 八つ代にを いませ我が背 見つつ偲はむ”
                      橘諸兄(万葉集)

 あじさいの花が八重に咲くように、いつまでもお健やかでいらしてください、そして花を眺めては貴方を思い出しましょう…。

橘諸兄(たちばなのもろえ)が、丹比国人(たじひのくにひと)邸での宴に招かれ、紫陽花に寄せて宴の主人である国人の長寿を言祝(ことほ)ぐ歌。

 紫陽花は、青色、紫色、ピンク色、白色といったさまざまな色の花を咲かせ、まさに千変万化、プロ野球界で言えば、エンゼルスの大谷翔平選手が真っ先に頭に浮かんできます。打って、投げて、走って、考えて、ベースボールを楽しむ、凄い存在感の選手!

 身長193㎝、体重95㎏、ピッチャーとバッターの二刀流、6月30日現在、打率.278、本塁打28本のトップ、そして出塁率.361、長打率.688、という驚異的な数字。加えて、謙虚な振る舞いとスマイル、圧倒的な実力と卓越した人間性!

 今や、わが国は、不安心理を煽りに煽ったコロナ禍。暗雲漂う日本社会の中にあって、アメリカ野球界とは言いながら、ただひとつの夢を与え、日本人を元気にしてくれるのが大谷選手の大活躍と言わざるを得ません。益々の活躍を期待したいものです。

 そして、戦後凝り固まった自虐の目ではなく、素直に澄んだ目で、わが国の歴史や社会をよくよく眺めてみれば、世界に誇るべきもの、素晴らしい価値を有するものが多々あることに気づくのではないでしょうか。わたし達は “日本” のこと “日本の文化” について今一度学び「日本を知る」ことが求められているように思えてなりません。

 先日、ボランティア人生を回想した自叙伝(12年前に出版)を読む機会があり、素晴らしい記述に出会いましたので紹介したいと思います。

  書 名 『花も花なれ、人も人なれ』――ボランティアの私
  著 者 細川佳代子
  出版社 角川書店
  書 式 単行本(287頁) 価格1600円+税
  発行日 平成21年(2009)3月31日(初版発行)
  

 著者の細川佳代子さんは細川護熙元総理夫人。1942年に満州国で生まれる。上智大学卒業後、民間企業から派遣されヨーロッパ各国に駐在した。夫の政治活動を支える一方ボランティア活動を行い、平成17年(2005)長野で開催されたスペシャルオリンピックス(知的発達障害のある人の自立や社会参加を目的とする国際的なスポーツ組織)冬季大会の会長を務める。

 書名は、戦国武将・細川幽斎の嫡男、忠興の妻ガラシャ夫人(明智光秀の娘・玉)の有名な辞世の歌『散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ』から。

 著者は、大学卒業後、民間企業から派遣されヨーロッパ各国に駐在したのですが、ヨーロッパの人と付き合うに当たり、日本のこと、日本文化を紹介するためには、自分が日本の歴史と文化をしっかり勉強しておかねばならないと思い始めた「エピソード」を詳細に記述しています。

 示唆に富んだ内容ですので、長文になりますが引用します。(P54~P55)

 「ドイツにいたとき、ある仕事のパーティーの席上で、突然、立派な中年の紳士から『ヒロヒト』について尋ねられた。敗戦から甦って高度経済成長している日本の姿は『東洋の軌跡』と一目おかれるようになっていた。

 したがって、パーティーなどで『私は日本から来ています』と挨拶すれば、たいていの外国人は『ソニー、トヨタ』を口にし、日本人の『勤勉さ』を誉めるのだった。しかし、その人は真っ先に『ヒロヒト』という名前を口にした。

 『ヒロヒト』って誰これが私の最初の反応。

 続けてその人が『ヒロヒトエンペラーの家系は百二十代以上続いて二千年以上の歴史があるのですね』と言ったとき、ようやく『ああ、天皇陛下のお名前がヒロヒトなのだわ』と、気がついた。

 その紳士は『万世一系の天皇家が日本の歴史の初めから今日まで続いている。こんな歴史を持った国は世界に二つとない。それが今も国民から護られているような国は、世界中どこを探してもない』と言う。

 しかし彼が感心するのは、その『家系』はもとより、その『システム』を守ってきた日本民族の知恵だと言う。『だから私は日本の国が好きだし、日本人を尊敬しているのだ。日本の歴史は世界の宝だ』と言うのだった。

 冒険心ひとつで日本を飛び出してきた二十五歳を迎えたばかりの私にとって、それは逆の意味でカルチャーショックだった、それまで自分の生まれた国をそういう目で見たことがなかったし、天皇に名前があることも知らなかった。

 私たちの時代の歴史教育といったら、近代に入ったらすでに三学期の終わりだから、さぁっと通り過ぎてしまう。日清、日露戦争、太平洋戦争なども、ちょっと触るくらいでほとんど勉強しなかった。ましてやミッションスクールだったから皇室の歴史など、私は全然知らなかった。

 それで私は大ショックを受けた。『私は日本人です』と答えたけれど、そう答えるだけの資格がないことに気づいた。その紳士に『世界の宝だ』とまで言われても、外国人に言われる『宝』が何のことか私にはわからない。私はその人に、日本の歴史についてなにかを伝えたくても伝えることができない。そのときの短い会話が私にとって一つの大きな転機となった。日本の歴史を勉強しなおそう。そして言葉だ。」

 著者の細川佳代子さんの分かりやすく躍動感のある文章に、vividな感性と気高い精神を感じるとともに、戦後の精神の汚れた文化人、偏向したイデオロギストにはない清々しさをも感じます。

 それにしても、ヨーロッパ紳士は『万世一系の天皇家が日本の歴史の初めから今日まで続いている。こんな歴史を持った国は世界に二つとない。それが今も国民から護られているような国は、世界中どこを探してもない』と言い、そして、その『システム』を守ってきた『日本民族の知恵』に感心する。…この紳士の高潔な精神に頭が下がるのは、ひとりわたしだけでしょうか。

 わたし達も、あらためて日本民族の知恵に思いを馳せようではありませんか。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

海を隔てた大陸では独裁国家が国民の自由を圧するばかりか周辺諸国にも害を及ぼさんとしているが、東アジア大陸では古代から諸民族が生存競争を繰り広げてきた。鮮卑や蒙古、回紇、そして匈奴や突厥、韃靼など黄河の北一帯や東北アジアを支配していた民族、さらに羌や氐というチベット周辺を領域としていた民族など。民族の一つの王朝や支配者の栄枯盛衰だけでなく、地球上から消されてしまった民族さえある。空恐ろしい弱肉強食の世界である。その覇権国家に「日出る国の天子、書を日没する処の天子に致す、恙なきや」の書を送り、大国何するものぞの矜持を示してきたのが聖徳太子である。建国以来の天皇と国民の深い絆が太子を生み、太子のご遺志を受け継ぐ、日本国民の文化を創ってきた。それが日本文化ではないだろうか。それは今日の左右のイデオロギー論争とは関係ない。大樹のようにわが国の大地に根差した深い文化そのものであることを、いつかは自国の歴史に未知な現代人も気づく日が来るだろう。

投稿: 齋藤仁 | 2021年7月 2日 (金) 10時49分

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