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2021年8月20日 (金)

『政局はどうなる』… 青木率の法則から見る!

 802回目ブログです

20218201

 “吹く風の 涼しくもあるか おのづから 山の蝉鳴きて 秋は来にけり”
                    源実朝(鎌倉三代将軍)

 吹く風は涼しいことだ。いつのまにか山の蝉が鳴きだして、秋はやってきたのだなあ…。

 戻り梅雨のような雨に降られ、さぞ蝉も困っていることと思いますが、それでも、雨こそ上がろうものならば、ここぞとばかりの蝉の大合唱です。とはいうものの、何となく秋の気配が忍び寄ってくる感がしますが如何でしょうか。

 それにしても、源実朝の和歌には素朴な中にも豊かな万葉調がしずかに漂っており、素晴らしい雰囲気を醸し出します。

 東京オリンピックが終わると、世情はコロナ一色、加えて大雨洪水、正しく災害列島の感があります。小池都知事は、コロナは災害であり帰省も旅行も控えてほしいと国民に要請(口頭)しましたが、政治の責任は全くスルーしたままであり、これでは、国民は白けてしまっているように思えます。

 こんななかで、いよいよ政局が動きだしてきました。おそらく混とんとしてくると思いますが、果たしてどうでしょうか。

 さて、さまざまな世論調査が行われていますが、一番信頼できるのが、1775年以来実施されている『時事通信世論調査』と言われています。調査対象は18歳以上の男女、標本数は2,000、調査方法は「調査員による個別面接聴取法」ですから信頼度は確かといえるのではないでしょうか。どこかの新聞社のように鉛筆を舐めなめ修正を加えることは決してして欲しくないものです。

 【時事通信世論調査】(8/6~8/9実施)

 【菅内閣支持率】

       支 持     不支持
      29.0%   48.3%

 【政党支持率】

    自民党     23.7%
    立憲民主党    3.9%
    公明党      4.5%
    日本維新の会   2.0%
    共産党      1.3%
    国民民主党    0.3%
    社民党      0.2%
    令和新選組    0.2%
    NHK党     0.0%
    支持政党なし  61.4%

 時事通信の今回の世論調査で、菅内閣の支持率は前月比0.3ポイント減の29.0%、不支持率は前月比1.5ポイント減の48.3%、支持率が2ヶ月連続で政権維持の「危険水域」とされる20%台となるのは、第2次安倍政権以降初めてです。

 政党支持率は、自民党が前月比2.3ポイント増の23.7%、ですが、野党の伸びが少なく、支持政党なしが61.4%もあるとは、与党も野党も形無し、と言わねばなりません。

 【青木の法則】(青木率)

 青木の法則(青木率・青木レシオ)は、元参議院議員・青木幹雄氏が唱えたとされる、内閣支持率と政党支持率に関する法則。「内閣支持率と与党第一党の政党支持率の二つを足した数字が50を下回った場合に政権が倒れる」とされています。

 今回の時事通信世論調査から、分析してみましょう。

 【青木の法則】(青木率)

    菅内閣支持率   (29.0 ポイント)
    与党第1党支持率 (23.7 ポイント)
      合  計   (52.7 ポイント)

 青木の法則によれば、菅内閣はかろうじて踏ん張ってはいますが、もう後はなく、政権が倒れる瀬戸際に立っていることを示しています。

 果たして、菅総理は政権を続投できるのか、いよいよ危うくなってきたのではないでしょうか。

 菅内閣は、一にも二にもコロナ対策に全力投球、医療従事者への優先接種が2月に始まって以来、およそ半年で1億回に達し、世界的に見ても、それなりの実行力を発揮していると思われます。

 しかし、如何せん、明快なアピール力に欠けており、国民の不安を煽りに煽るマスコミに対して、歯止めを掛けなければなりません。そもそも、日本列島は有史以来災害を蒙ってきており、国民は不安に苛まれる習性を持っていると考えられます。したがって、国のリーダーは国民に対して安心感を与えることを姿勢で示さねばならないのではないでしょうか。安全と安心は別物。安全⇔危険、安心⇔不安。政治家は、得てして「安全・安心」という言葉を気軽に使いますが、次のように異なるものなのです。総理も、都知事も、安全、安心の言葉を安易に使いすぎる嫌いがあることを指摘したいと思います。

  安心:「主観的なもの」「心が安らぐ」こと 
  安全:「客観的な事実」

 来るべき自民党総裁選においては、菅総理が選ばれるのか、あるいは、他の候補者なのかは全く見えてきませんが、国家観の明確なリーダー、経済政策に明るい人外交で力を発揮できる人、を切望したいものです。

 自民党党員選挙を経てから、総裁選候補者の侃々諤々の議論に耳を傾けたいものです。菅義偉・高市早苗・岸田文雄・下村博文・茂木俊充・石破茂・河野太郎など、多彩な候補者がおり、改めて政見を見据えた議論を期待します。

 日本の再生は、自民党リーダーの覚悟次第、そして、国民の覚悟次第ではないでしょうか。

 さあ、どうなりますでしょうか。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

COVID-19、新型コロナウィルスという正体不明のウィルス感染が顕在化した2020年春は世界の人々が緊張感をもって感染状況と自国政府の対応を見守っていた。従ってロックダウン等といった強い政策も「仕方ない」から支持されていた。だが防疫策をとってもとっても「変異した〇〇型」とか、発生源の中国を含めた世界中で、ワクチン接種が国民の半数を超えても感染がやまない、という事態となると、世界のいかなる政府・政党であっても、民主的な世論調査をすれば政府の支持率は3割以下だろう。中国のような独裁国家や強権国家の場合、国民の本音の支持率はさらに低いだろう。二年に及ぶ各国の国民のストレスは底知れないものがある。特に自由主義を謳歌してきた日欧米の国民の場合、精神的な不自由・行動の不自由は、特定の施設か刑務所に閉じ込められたような言い知れないストレスを感じるだろう。オリンピックはその点で、感染前の日常世界を感じさせてくれた、国民のストレスを多少解消させてくれたことは間違いない。COVID19の感染源を追及してウィルス根絶の道を国民に示し、感染前の日常生活を取り戻せる手立てを国民に示すこと、国民に感染世界から脱することができると提示するだけでも国民はストレスを多分に発散することができるだろう。

投稿: 齋藤仁 | 2021年8月20日 (金) 08時02分

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