『祭りのあと』…政治・政局・コロナを考える!
801回目ブログです
“ふと見れば 大文字の火は 儚げに 映りてありき 君が瞳に”
吉井勇(大正・昭和期の歌人)
8月16日夜夏の夜空にくっきりと浮かび上がる、京都の伝統行事である「五山送り火」は、夏の終わりを告げる風物詩として全国的に有名。送り火は、再び冥府(冥府・死後の世界)に帰る精霊を送る意味を持つお盆行事の一つの形態です、
送り火は、「大文字」「松ヶ崎妙法」「船形万燈籠」「左大文字」「鳥居形松明」の五つ。極めて厳粛な精霊送りのお盆の行事であり、懐かしくもあり、京都の町全体が得も言われぬ雰囲気に包まれます。
さて、オリンピックは、コロナ禍の中、何とかやり繰りし、無事閉幕にこぎつきました。終わってみれば「感動の嵐」、テレビ視聴率も空前の数字であり、わが国のメダル獲得数も新記録、国別メダルランキングを振り返ってみましょう。
【国別メダルランキング】
金 銀 銅 合計
1位 米国 39 41 33 113
2位 中国 38 32 18 88
3位 日本 27 14 17 58
4位 英国 22 21 22 65
5位 ロシア 20 28 23 71
わが国のメダルは、何と金が27、銀が14、銅が17、合計58個、素晴らしい数と言わねばなりません。金メダルでは、アメリカ・中国に次いで3位です。単純に考えても、東京オリンピックは大成功ではないでしょうか。
しかしながら、たとえば『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に登場するコメンテーターで、テレ朝社員でもある玉川徹氏は「五輪開催強行はギャンブル。賭け金は日本人の命と健康」と東京オリンピック開催に真っ向から異議を唱えました、朝日新聞は「何より大切なのは市民の生命、安全・安心を確信できる状況にはない、問題が起きたらだれが責任をとるのか「賭け」と知るべきだ」(社説)と、テレビ朝日と同じ論調。ご存知のように、五輪で日本選手が大活躍し、視聴率が激増すると、テレビ朝日も、朝日新聞も「手のひら返し」で五輪万歳! …開いた口が塞ぎません。
わたしは、オリンピックを通じて、次のように考えています。
・東京五輪は、新型コロナウイルスを過度に恐れて閉塞感に覆われている日本社会の空気を変える、絶好機と捉えるべきではないか。
・そして、五輪反対を叫んできたメディアやSNSには距離を置き、決して洗脳されない強い意思を持つべきだ。
東京五輪は終わり、あとは、パラリンピックを残すだけになりましたが、コロナ禍の長期化と、経済の縮小、そして政治の劣化など、難問は多く、気づいたことを記してみたいと思います。
・本来【政治の眼目】は、国柄の維持、国家の防衛、経済・国民生活、弱者への配慮を上げることが出来るのではないでしょうか。
その意味において、西村康稔経済再生担当相は7月8日、酒の提供を続ける飲食店の情報を取引先の金融機関と共有し、金融機関から飲食店に圧力を掛けることを明かした事案に、“ 陰湿ないじめ ”のような政府の対応に批判の声が殺到しました。
その舌の音も乾かない12日、西村大臣は、与野党の厳しい不評につき、金融機関から飲食店に圧力を掛けることを撤回、断念しました。誰が考えても、中国共産党顔負けのやり口、あるいは、GPU(ソ連秘密警察)のやり口、これを “ 筋悪 ” と言わずして、なんと言えば良いのでしょうか。
一般民間企業の人であれば、中小企業は銀行に首根っこを押さえつけられていることは百も承知、それを、民意を汲み上げる政治家が知らないとは全く唖然としていう言葉もありません。
・今回のコロナ対策で、不思議なのは「補償」という言葉を使わずして「協力金」というワードを使いたがることです。
「補償」=「責任に対する賠償」
その意味で言えば、菅義偉総理、菅内閣、自民党内閣は “ 無責任内閣 ” のそしりを免れません。コロナウイルスは “国難” だと認識するのであれば、それなりの覚悟を示さなければなりません。菅総理大臣には、責任逃れをするのではなく、また、ペーパーの棒読みではなく、国民に対して明快に語っていただきたいものです。(…もう、遅いかもしれませんが)
・そうでなければ、来るべき総選挙に、大苦戦するのではないでしょうか。
・経済産業省のキャリア官僚2人が6月25日逮捕、何と、総額1300万円の「コロナ給付金」詐欺の容疑でした。個人事業主はコロナ禍で不安定な収入に加え、国の補償もされないままに廃業を余儀なくされた方も数多くおられます。
【官僚の劣化】20代のトップ官僚、その経産省のなかでも花形の部署で仕事をしていた二人が内部で国民への給付金詐欺を立案とは首を傾げたくなります。キャリア官僚であれば、国家の発展のために、前途洋々、自らの志を遂げるべく日夜努力を重ねていたのではなかったのでしょうか。この姿を垣間見れば “官僚の劣化” が凄まじい勢いで進行していると思わざるを得ません。
20代のキャリア官僚詐欺師が、経産省を跋扈していないことを望みたいものですが、官僚の劣化が随所見られる昨今、官僚には “志” を熱く語っていただきたいものです。
・全国知事会が「ロックダウン実施のための法制度の整備」を提言。これは、重要な要素を含んでおり、憲法改正の観点からも熟慮を重ね、早急に議論を進めることが望ましいと思います。
・戒厳令(欧米先進国)
・非常事態宣言(欧米先進国)
・緊急事態宣言(わが国のコロナ関連法案は私権制限なし)
・まん延防止等重点措置(わが国の重点措置)
内政、外政とも多事多端、内政にガタがくれば外政への影響は頗る大きくなります。バランスのいい政治を目指したいものです。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
800回超えの「育成塾ブログ」、おめでとうございます。
いつも、「なるほど~」と拝読、感服させて頂いております。筆者のご努力、見識・切れ味、五輪の金メダルと同じです。
801回目の御説も、「その通り」との感想です。菅義偉・首相には、「結果的に良かった」ではなく、断固たる意志というものを国民に示して頂きたいものです。パラリンピックは、左翼の人も「反対」とは言いにくいでしょうから…。
投稿: 宮地 忍 | 2021年8月16日 (月) 18時15分
801回目、たいへんなご苦心の積み重ねに深甚の敬意を表します。今回の、批評と指針見事と思います。
投稿: 野﨑眞夫 | 2021年8月13日 (金) 11時36分
ユーラシア大陸やアフリカ大陸に歴史を持つ民族・国家は国境が膨張する時代もあれば縮小する時代もあること、国家そのものを失うことがあるのも肌に感じて知っている。国家・民族は、生き残りをかけた企業と同じで、不断の努力が不可欠である。小さな油断で新興企業に市場を奪われるように、国は領土・領海を奪われる。世界大戦が終結して日本が「平和憲法」を掲げた後に韓国が「竹島」の奪略をし、ソ連・ロシアは「北方領土」を未だに不法占拠している。米ソ冷戦が終わりソ連は崩壊したはずなのに、気づいたらウクライナ領のクリミア半島がロシアに奪われ、しかも米英仏もウクライナ支援の軍を動かさない。21世紀の「クリミア戦争」は起きていない。広大な領土を奪われても戦わない・戦えない。これを平和な世界というのだろうか。中国が「南シナ海」に人工島を築いて周辺海域の領海化を目論んでも人工島を破壊する平和勢力もない。戦後世界の平和を維持するはずの常任理事国のロシア・中国が堂々と国際法違反を犯していることに日本の政府もメディアも危機感を持たない。平和ボケでなく自律神経失調症になっている。江戸時代までの、四海が日本を守ってくれる時代ではない。大小の国家が入り組んだ大陸と同じ状況に世界がなっている。絶海の孤島であっても国土の安全の頼みは国民の防衛努力しかない。侵略を受けてから防衛するには甚大な軍事力・経済力が必要となるが、日ごろから「日本を侵略したら痛い目に合う」という恐怖や不安を周辺諸国にもたれる努力・準備なら、日本国民の負担も遥に軽くて済む。しかも周辺諸国も敢て紛争を起こそうとしない、すなわち「四海波静か」、東シナ海も日本海も高波が立たずに済む。これが本当の平和国家日本のあるべき姿ではないか。台湾や南シナ海で荒波が立っている今、大戦に至る前に憲法改正や法整備を進めることこそ喫緊の課題であろう。
投稿: 齋藤仁 | 2021年8月13日 (金) 08時29分