岸田内閣は短命か否か …「永田町のジンクス」から見る!
809回目ブログです
“秋近う 野はなりにけり 白露の 置ける草葉も 色変はりゆく”
紀友則(古今和歌集)
野原は既に秋が近づいてきた。白露が置かれた草葉もだんだん枯れて色づく頃である…。
秋近うは「あきちかう」で「きちかう・桔梗」を詠んだ物名入りの歌であり、桔梗は秋の七草です。
万葉集に、山上憶良の “秋の七草の歌” があります。『萩の花 尾花、 葛花、 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花 また藤袴、 朝貌(あさがお)の花』、万葉人も秋の七草をリズミカルに歌ったのでしょうか、伸びやかな光景が浮かんできます。
さて、10月4日、衆参両院の本会議で首班指名選挙が行われ、自民党の岸田文雄総裁が第100代内閣総理大臣に選出されました。そして、4日夜、岸田総理大臣を任命する「親任式」と新しい内閣の閣僚らの「認証式」が皇居で行われました。
いよいよ、岸田内閣の船出です。新しい国家のリーダーとして、さまざまな政治の課題に、重い覚悟で臨まれるに違いありません。しかしながら、これから待ち受ける道は極めて険しく難渋の場面も数々あり、その証拠に歴代の総理の多くが短命に終わっているのです。
そこで、政界にある色々なジンクスについて見ていきたいと思います。(敬称略)
【長期政権後は短命】
・首相通算在職日数の1806日の中曽根康弘の後
竹下 登(576日)
宇野宗佑( 69日)
海部俊樹(818日)
・首相通算在職日数1980日の小泉純一郎の後
安倍晋三(366日)(第1次内閣)
福田康夫(365日)
麻生太郎(358日)
・首相通算在職日数3188日の安倍晋三の後
菅 義偉(384日)
後任の政権が短命に終わったのは、長期政権の重荷を引き継ぐことが出来なかったからでしょうか。不思議といえば不思議。だからこそジンクスと言われるのかもしれません。
【早稲田OB首相は短命政権】
・石橋湛山( 65日)
・竹下 登(576日)
・海部俊樹(818日)…2年2ヶ月が最長
・小渕恵三(616日)
・森 喜朗(387日)
・福田康夫(365日)
・野田佳彦(482日)
「早稲田の呪い」ともささやかれているそうで、まさかとは思いましたが、実際に短命ですね。
【平成以降の外相経験者首相は2年もたない】
・宇野宗佑( 69日)
・宮澤喜一(644日)
・羽田 孜( 64日)
・小渕恵三(616日)
・麻生太郎(358日)
岸田氏は、2012/12~2016/8の長きにわたり外相という要職に就いており、その実をあげたのですから、外相ジンクスを跳ねのけてほしいものです。
【首相公邸に入居すると短命政権】
「2002年にできた公邸に5人の首相が就任後に入居したがみんな
短命だった」とささやかれていましたが、今回、入居していない
菅首相が短命に終わり、ジンクスは崩壊しました。
【靖国に参拝した総理は長期政権となる】
靖国神社に参拝した総理と参拝しなかった総理では、政権の長さにおいて顕著に差異があります。中曽根総理以後をごらんください。
氏 名 参拝回数 政権の長さ
『参拝者』 中曽根康弘 10 4年11ヶ月
橋本龍太郎 1 2年 7ヶ月
小泉純一郎 5 5年 5ヶ月
安倍晋三 1 8年 9ヶ月
(平 均) (5年 5ヶ月)
『非参拝者』 竹下 登 0 1年 7ヶ月
宇野宗佑 0 2ヶ月
海部俊樹 0 2年 3ヶ月
宮澤喜一 0 1年 9ヶ月
細川護熙 0 9ヶ月
羽田 孜 0 2ヶ月
村山富市 0 1年 6ヶ月
小渕恵三 0 1年 8ヶ月
森 喜朗 0 1年 1ヶ月
福田康夫 0 1年
麻生太郎 0 1年
鳩山由紀夫 0 9ヶ月
菅 直人 0 1年 3ヶ月
野田佳彦 0 1年 4ヶ月
菅 義偉 0 1年 1ヶ月
(平 均) (1年 1ヶ月)
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【靖国の法則】
1.靖国神社に参拝した首相は長期政権を担う。
2.靖国神社に参拝しない首相は短期政権に終わる。
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たとえ、1度でも参拝した総理大臣は長期政権となっています。総理大臣は「国家を背負う」という覚悟を示すことも重要な要素。それは、わが国の歴史への共感であり、先人の苦心への敬意を表明することであり、つまりは靖国へ参拝することを意味しています。
政治は、広大な天地(あめつち)のなかで、そして悠久の歴史の流れの中で行われる “厳かなまつりごと” と言われているわけですから、靖国の魂を鎮めようとする厳粛な精神を心の奥底に懐くことは政治家としての基本姿勢でなければなりません。
もしも、岸田首相が長期政権を目指すのであれば、靖国の魂を鎮めるべく靖国神社に参拝すべきではないでしょうか。
それにしても、ジンクスには、①単なる偶然のものと、②人が意識したものに神の意志が働くもの との二つがあるように思えてなりません。
みなさんは、どのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
日本の政党や企業などに共通する新任の長の選び方は似ている。組織が安定していると見える環境にあるときのトップは退任するにあたって後継者に「自分より資質が劣る」(と判断する)人を選ぶ。退任したあとも「前の長が良かったなあ」という声を聞けば心地よいが、「今度のトップは凄いな、前の長とはモノが違うよ」などと耳にしたら血圧が急上昇するだろう。自身が本当の能力をもっているトップや、組織愛が本物のトップなら後継者を選ぶときに、「自分の能力や評判など気にすることなく」、組織に最適な資質と見込んだ人を後継者に推薦する。明治維新時のわが国の指導者の多くがそういう組織愛・祖国愛をもっていた。欧米の植民地にされないためには誰を指導者に選んだaらいいか。その自我を捨てた、邪心も嫉妬心も無にして日本の生き残りと発展を期待できる人材を求めた。維新時に薩長の敵方にあった幕府側の人でも会津藩や盛岡藩の人でも、元百姓であっても、その「国を思う無心の情熱」が明治維新を成功させた。しかし、日露戦争に勝ち、日本が植民地にされる心配が亡くなった頃から、組織の長選びに泰平時の弊害が出てきた。江戸時代の幕府の行政官庁のトップが父祖代々の肩書だけで選ばれ続けたような時代が再来した。陸軍大学や帝国大学の成績序列だけで要職の長が約束された。維新の英雄たちも昭和前期に青年だったら二等兵で凡人に指揮されて無名の戦死者となっていただろう。総理大臣職は数年の任期だろうが、わずか一か月の任期であっても日本国と日本国民の安全と名誉がかかっている。常に国家は危殆に瀕しているという覚悟で臨むべきである。総理自身の名誉よりも国家の名誉が優先する。その心意気を自国民も諸外国も評価する。
投稿: 齋藤仁 | 2021年10月 8日 (金) 08時46分