拉致問題を風化させるな…政治家の呆れた言動!
811回目ブログです
“世の中は 空しきものと 知る時し いよよますます 悲しかりけり”
大伴旅人(万葉集)
世の中は空しいものだと知るにつけ、更に一層新たな悲しみがこみ上げてきました…。
朝晩は急に寒くなり、暖房も必要になってくるような季節を迎えています。世の中は、いわゆるコロナイウルスの第5波が急速にしぼんでいき、街中も徐々に賑やかになりつつあり、生き生きとした風情を示しています。
そして、こんな中、総選挙が実施され多少騒がしくなってきており、結構なことだと思っているところですが、それでも尚、コロナウイルス第6波が来るのか、また、去年は全く流行らなかった普通タイプのインフルエンザが流行るのか、油断はできない情勢ではないでしょうか。
10月18日、岸田首相は、就任後初めて拉致被害者家族会と面会しました。首相は「拉致問題は変わりなく最重要課題だ。すべての被害者の一日も早い帰国実現へ、私自身が先頭に立って取り組まなければならない強い覚悟、思いを胸に刻んでいる」と強調、家族の高齢化が進み、横田早紀江さんは85歳、有本明弘さんは92歳、ともう時間がないという状況に鑑み「無念を思い本当に胸が詰まる」と述べました。首相の言や良し、あとは結果を出すのみと言わねばなりません。
こんな時、政治家のとんでもない言動をごらんください。
【大阪府議会】採決 10月11日
【北朝鮮による拉致問題の啓発活動を推進する決議】
大阪維新の会(47人) 起立・賛成
自由民主党・無所属(16人) 〃
公明党(15人) 〃
国民の会(1人) 〃
自由民主党・堺クラブ(1人) 〃
日本共産党(2人) 着席・反対
民主ネット(2人) 退席・棄権
・議長を除く府議83人の内79人が起立して賛成、共産党は着席して反対、立憲民主党(民主ネット)は退席して棄権の意思を示しました。
・決議を要約すれば、①長きにわたり北朝鮮に囚われたままの状態で、現在も救出を待っていることの認識。②特に若い世代においては、拉致問題は歴史ではなく、現在進行形の人権侵害かつ犯罪行為であることへの理解促進を図ることが重要であること。③拉致被害者の救出に向けて、アニメ「めぐみ」の上映、「拉致被害者御家族ビデオメッセージ~必ず取り戻す!愛する家族へ~」、拉致問題啓発舞台劇公演「めぐみへの誓い-奪還-」および映画「めぐみへの誓い」の視聴、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール」への参加、拉致問題関連書籍の読書などを通じて、北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための取組みを推進する。とあります。
・この決議文のどこに問題があるのでしょうか。拉致は、日本国の主権の侵害であると同時に、人権侵害でもあります。
【北朝鮮の日本人拉致】
① 日本国の主権の侵害
② 人権の侵害
ところが、わが国のマスコミのほとんどは、人権侵害にのみ焦点を当てますが、政治家であれば、主権の侵害と人権の侵害のふたつが問題であることを、改めて自覚していただきたいと思います。
本来ならば、全党、全会派が一致して決議すべきものであるにもかかわらず『日本共産党』と『立憲民主党』は反対したのです。この2政党は、拉致被害者ご家族の深い悲しみに思いを馳せる人間性に欠けていると言わざるを得ません。ご自分の子供が誘拐、拉致されたままであるとして、静かに胸に手を当てて見てください、胸がかきむしられる程の悲しみと怒りを覚えるのではないでしょうか。
・(…一方、大阪市会は、大阪維新の会、公明党、自民党・市民クラブ、自民党・市民とつながる・くらしが第一、日本共産党、の全会一致で可決しています)
【生方幸夫衆議院議員の発言】9月23日 於:松戸市
●「横田めぐみさんが生きているとは誰も思っていない。自民党の議員も。」
●「拉致問題、拉致被害者は今、現在はいないと捉えられる、政治家は皆そう思っている」
●(平成16年めぐみさんの偽の遺骨鑑定について)「遺骨からDNAを鑑定して、それが横田さんであるのかないのかというような技術力は当時なかった」
●(死亡の根拠)「北朝鮮は、客観的情勢から考えて生きていたら帰す。生きているのだったら何かに使う。亡くなってしまっているから使いようがない。」
●(平成14年の帰国した5人の被害者について)「北朝鮮に一度返すとした約束を日本側は守らなかった。首脳同士で話をして決めたことも守らないなら、それはだめなのではないか。」
・これに対し、拉致被害者家族会は「生方議員は人の命に関わる重大な人権問題について、日本政府の基本的立場を否定して、北朝鮮の主張に賛同している」と猛抗議。当然の抗議ではないでしょうか。
・独裁国家の首領の言葉や約束を素直に信じるという幼稚でナイーブな感覚と、見識を欠く判断力しかないとすれば、政治家失格と言わねばなりません。国際政治においては、海千山千の政治家がとぐろを巻いて蠢いていますから、こんな甘っちょろい判断しかできないようであれば、到底立ち打ちできません。また、もう少し心を寛く持ち、拉致被害者家族会の心情に寄り添っても良いのではないでしょうか。それではじめて、普通の日本人というもの。それとも、生方議員は北のエージェントなのでしょうか。(…生方議員は、今回の総選挙で、立憲民主党を離れ、無所属として千葉6区から立候補)
【山川百合子衆議院議員の発言】4月7日 外務委員会
立憲民主党の山川百合子衆院議員は、国際結婚の破綻で相手の同意なく日本に子供を連れ帰る問題で『日本は拉致加害国との指摘がある』とし、北朝鮮による拉致問題を引き合いに出しました。
これに対して、茂木敏充外務大臣は『(これは)小さな子供たちを勝手に連れ去って親と引き離し何十年もそのままにしている北朝鮮の拉致問題と同列に語られるものでは全くない』と怒りを含んだ答弁を行いました。
・茂木敏充外務大臣の指摘通り、国際結婚破綻による子供の引き取り問題と、北朝鮮日本人拉致問題を同列に語るとはどうかしていると言わねばなりません。北朝鮮の拉致についてきちっと勉強する必要があります。
拉致問題についてのいくつかの事例を挙げましたが、余りにもレベルが低く話になりません。上に記しましたように、北朝鮮の日本人拉致は、①日本国の主権の侵害であり、②人権の侵害でもあります。政治家には、そこを押さえ、今一度認識を改めていただき、拉致の解決に向けて全力を傾注していただきたいと願う次第です。
みなさんは、どのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
拉致事件は北朝鮮による犯罪だが、この国家犯罪を数十年も続けることができたのは北朝鮮の組織が狡知狡猾だったからではない。日本の警察は国際的にも優秀であり、国内での誘拐事件の多くが解決されている。拉致事件の場合も警察はしっかり追及し、1963年に石川県で13歳の寺越さんと二人の叔父が乗った漁船を残して行方不明になったときも、他国が絡んだ犯罪の可能性があることも掴んでいた。しかし、他国による主権侵害問題まで含めた捜査となると地方の警察も判断しかねた。しかし「拉致事件」でなく「国民の行方不明捜査」であっても、当時もそして現在も捜査の最大の支障となってきたのは日本国内のマスコミであり、そして社会党・共産党であった。と言いたいが、それだけでなく自民党の良心派を自負する政治家も捜査の支障となった。彼らは捜査の支障となっただけでなく、行方不明事件の報道すら抑えた。国内のこうした反日・反国家勢力の存在が、北朝鮮による拉致誘拐犯罪を跋扈させてきた。横田めぐみちゃんが拉致されたのは寺越さんの拉致から十四年後である。その間もその後も拉致事件は続いている。しかも数々の物的証拠から北朝鮮が犯罪に関わっている可能性を警察を通じて政府やマスコミ幹部も知りながら知らぬ存ぜぬのふりをして、中国に対してさえ「中華人民共和国」と連呼しなかったのに、なぜか北朝鮮に関する報道では「朝鮮民主主義人民共和国」と長々しく読み上げていた。結論を言えば、これほど多くの日本人を拉致させ続けたのは日本の親北勢力である。そして同様の思考回路をもった政治家やマスコミが対韓国で犯した事件が「慰安婦問題」や「徴用工問題」である。生方議員はその思考に日本の国会議員として問題があるが、それ以上に問題は彼を国会議員に選出した多数の選挙民がいることである。イデオロギーとしての人道・人権を叫びながら、具体的な人件被害には目を瞑る立憲民主党であり左派メディア、そこに問題の根源がある。
投稿: 齋藤仁 | 2021年10月22日 (金) 09時06分