立憲民主党の今後…盛り上がらなかった代表選!
818回目ブログです
“見てあれば 一葉まず落ち また落ちぬ 何思ふとや 夕日の大樹”
若山牧水(明治18~昭和3年・歌人)
見ていると一つの葉が落ち、続いてまた一葉落ちた。こうして樹は次々とその葉を落としてゆく。夕日を浴びて立っているこの大樹は、何を思ってこうして葉を落とし続けるのだろう…。
木枯らしのように外の力で葉が落とされるのではなく、自らの意思によって葉を振っている、そこに牧水は大樹の知恵を見、自然のたくましさを感じています。
さて、衆議院議員総選挙の結果、自民党が大勝、立憲民主党・共産党が敗北、維新・国民民主が激しく勝利、となり、敗北を喫した立憲民主党が代表選を経て新体制を立ち上げました。
立憲民主党は、若山牧水の和歌にあるように、自らの意思によって逞しく葉を振っているのかどうか、そして、今後どうするのかについて考えて見たいと思います。
・代表選が始まってから新しい代表が決定するまで全く盛り上がりを見せなかったと思います。メディアは、本来は野党に力を入れる傾向が顕著であるにもかかわらず、自民党総裁選の賑わいとは大いなる落差がみられました。その一因に、知名度の違いを挙げざるを得ません。自民党の場合は、河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子の各氏、いずれも政界の実力者ばかりであり知名度も抜群。一方の立憲民主党の場合は、逢坂誠二、小川淳也、泉健太、西村智奈美の各氏、肩書を付けたとしても無名に近い存在。盛り上がりを欠くのも致し方ありません。
・そして、主張の中身も、外交政策に関しては、現状を安定的に維持するとして4名とも現状維持を表明。しかしながら、面妖なことに、外交・安保政策が大きく異なる共産党との連携を否定する候補者は一人もいなかったのです。候補者の小川氏は「とにかく自公が嫌がること、自公にとって最も脅威となることを野党がまとまってやっていく」と主張しましたが、一般的な国民の願いは、自公が嫌がることではなく、国民が喜ぶこと、国益に繋がる政治であり、相変わらずの批判onlyには嫌気が指そうというものではないでしょうか。
・【メディア各社の政党支持率】
(主要政党11月各社平均・NHK~毎日新聞)
自民党 38.8(%)
日本維新の会 11.1
立憲民主党 10.1
公明党 4.3
共産党 3.1
国民民主党 1.9
政界として大きなインパクトを持つのは、何と言っても、日本維新の会が立憲民主党を超えたことを指摘したいと思います。
・今回の総選挙で立憲民主党が若者の支持を集められなかったことが明白になりました。その理由として、室橋祐貴日本若者協議会代表理事は、①若者の政策ニーズとのズレ、②怒りっぽい人を嫌う風潮、③旧民主党と変わらない布陣、④コア支持者ばかりを見ていることを挙げています。
・多くの有権者が求めているのは、経済対策であり、ここがセンターピンに来ることをはっきりと認識すべきです。NNNの出口調査を見ても、若者は景気対策を重視しており、また、立憲が強く主張した「ジェンダー平等の推進」よりも「外交・安全保障」の方が高い数値を示していますから、立憲の主張は空回りしていたと言えるでしょう。
・現代の若者はコミュニケーション重視であり、不毛なやり取りに忌避感が強いとみなければなりません。今回の立憲の落選者をご覧ください、強烈な批判onlyの辻元清美氏「野党合同ヒアリング」で官僚を罵倒する黒岩宇洋氏、今井雅人氏など。彼らの目を背けるような言動では若者の共感を得ることは出来ません。立憲は「抵抗勢力」と見られており「自民党こそがリベラルで革新的」という見方が若者に拡がっているのです。
・旧民主党政権時に経験した就職氷河期、外交的混乱などまっぴらごめんという傾向が強いことを真面目に反省したいものです。
・立憲は、高齢者を含め、ツイッター上にいる支持者に重きを置き過ぎではないでしょうか。ツイッターの声は観念的な層の集まりであり、地に足が着いた国民を代表していないことを知らなければなりません。
・【衆院選の結果に基づき、来年夏の参院選1人区を試算】をごらんください。
⦅選挙区⦆⦅与党⦆⦅野党⦆
青森 〇
岩手 〇
宮城 〇
秋田 〇
山形 〇
福島 〇
栃木 〇
群馬 〇
新潟 〇
富山 〇
石川 〇
福井 〇
山梨 〇
長野 〇
岐阜 〇
三重 〇
滋賀 〇
奈良 〇
和歌山 〇
鳥取・島根 〇
岡山 〇
山口 〇
徳島・高知 〇
香川 〇
愛媛 〇
佐賀 〇
長崎 〇
熊本 〇
大分 〇
宮崎 〇
鹿児島 〇
沖縄 〇
※「与党」は自民か公明のどちらかの候補。「野党」は立憲、
国民民主、共産、れいわ、社民の野党系候補一本化を想定。
維新やその他の政党は試算に含めず。(週刊朝日12/1)
参院選の1人区で、与党vs.野党で「28勝4敗」、立憲には厳しい衝撃的な予測ですが、まだ時間もあり、このデータは、サヨクリベラル色の強い朝日の暖かい援護の鞭と捉えるべきでしょうか(?)。
・とは言いながら、代表選の候補者4人が全員、共産党との連携を否定しなかったことに着目しなければなりません。立憲のリーダーは、日本共産党が過去の黒歴史において、どのような事件を惹起し、現在どのように位置づけられているかについて認識を改めるべきです。そうでなければ、立憲共産党と揶揄され、国民の支持を得ないのではないでしょうか。
【共産「暴力革命の方針に変更ない」/政府答弁書を決定】
政府は19日の閣議で、共産党に関し「いわゆる『敵の出方論』に立った暴力革命の方針に変更はないものと認識している」とする答弁書を決定した。現在も破壊活動防止法の調査対象団体であると明記した。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の浜田聡参院議員の質問主意書に答えた。
共産党の過去の活動に関し「破防法第4条第1項に規定する暴力主義的破壊活動を行った疑いがあり、現在でもこの認識に変わりはない」とした。
(2021/11/19・産経新聞)
立憲民主党には、①天皇制度の廃止、②自衛隊の廃止、③日米安全保障条約の破棄を目的とし、暴力革命の方針にも変更がない、政治結社「共産党」とは決して共闘しないことを望みたいものです。もしも共闘を続けるならばたちまち母屋を乗っ取られること間違いないのではないでしょうか。
みなさんは、どのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
| 固定リンク
コメント
戦後ながらく「55年体制」という言葉が使われていた。与党の自民党はアメリカ陣営に、野党の社会党はソ連陣営に同調して、日本国内に実弾を使わない言論による米ソ代理戦争(舌戦)がソ連の崩壊まで続いた。昭和を知らない世代が当時の新聞・雑誌を読めば自民党・社会党の二大政党時代だったと錯覚するだろうが、実際は戦後の昭和は自民党単独政権時代であった。当時メディアの言論をリードしていた朝日新聞が他の新聞社やNHKを引き連れる形で社会党支援の論陣を張り、高い組織率を誇っていた日教組や官公労などの労組も同調して赤旗を振っていた。だが、選挙は常に自民党が勝っていた。新聞やテレビ、ラジオ、そして職場のビラと煽られ続けながら多くの日本人は「日々のリアリズムを無視した政治イデオロギー」に愛想を尽かしていた。組合の組織率から言えば社会党が常に第一党であるべきだろうが、実際には常識ある組合員は自民党に投票していた。ソ連崩壊は朝日やNHKなどの左派メディア人の自省のチャンスだったが、彼らは己の知性と正義感を微塵も疑おうとしなかった。彼らの知性は多くの国民がもっている実生活の智恵に劣ること、彼らの正義感は「他者批判の時にのみ声高に叫ばれるが、自身の生活の正義を意味していない」偽善でしかないことに彼らは未だに気づこうともしない。彼らが称賛していたソビエト社会主義の国内が「収容所列島」で、労働者政府の実態は「赤い貴族」即ち共産党エリートの独裁だったことを知っても、毛沢東が「大躍進」や「文化大革命」で何千万人という国民の命を奪ったことを知っても、習近平がウィグル人やチベット人・モンゴル人などの土地を奪い、文化を抹殺して漢民族に同化しようとしている実態を知っていても、南シナ海の公海を自国領にしている事実を知っていても、赤いエリートが何百億円を超える資産を手にしていることを知っていても、「人道・人権・平等・正義・平和」という彼らが得意とする言葉を投げつけない。ヒトラーがやっていたことと毛沢東・習近平がやっていることはどう違うのか。立憲民主党は旧代表も新代表も共にこの朝日メディア派による支援を断ち切る見識がなければ、昭和の社会党と同じ道を歩むだけである。
投稿: 齋藤仁 | 2021年12月10日 (金) 09時05分