維新・メディア・行政…その闇を突く!
833回目ブログです
“わが宿の 梢ばかりと 見しほどに よもの山辺に 春はきにけり”
源顕基(平安中期・後拾遺和歌集)
わが家の梢だけに花が咲いて、春が来ていると思っているうちに、あちこちの山の辺りに山桜が咲き、春が来たことだ…。
桜の開花が待ち遠しい今日この頃ですが、新型コロナのピークアウトが見え始め、ぶらりと桜狩りに赴き、これでやっと桜も気分よく鑑賞できそうな雰囲気になってきました。
しかし世の中は、国際情勢は、ロシアが仕掛けたウクライナ戦争の帰趨もままならず、まだまだ気分の晴れる時を迎えておりません。加えて、わが国を取り巻く近隣諸国の情勢も緊迫化するとともに、国内の政治経済もダイナミズムを失ったままふらふらとした姿勢のままであることに大きな危惧をいだきます。
そして、わが身近な関西に目を向ければ、タイトルに記したように、維新・メディア・行政の深い闇に目を背けるわけにはいきません。その内の何点か拾い出してみたいと思います。
・大阪市は、3月22日より蔓延防止策(まん防)を解除しました。振り返ってみますと、大阪は新型コロナ禍で医療崩壊を起こしたことを素直に認めなければならないでしょう。3/21現在、大阪の新型コロナの死者は4,490人、東京は4,069人、大阪と東京はあまり大差ないと思うかもしれませんが、東京の人口は、大阪の1.6倍もある…東京1,404万人vs大阪880万人…ことから考えると、大阪の死者数がいかに多いか理解いただけると思います。
ところが、この実態に警鐘を鳴らしたメディアは、テレビ、新聞とも皆無です。この大阪の実態を惨状と見るかどうか、少なくとも死者数においては大きな問題を抱えていることは明白です。それにもかかわらず、メディアはこの点をスルーしたのです。
・なぜメディアはスルーしたのか、その背景を見ていきましょう。まず「吉本興業」。大阪では、お笑い芸人の芸能事務所というイメージが強いのですが、実態は、日本で有数のメディア関連企業です。大阪市と吉本興業は、平成29年に『包括連携協定』を結んでいます。この包括連携協定は、地域の活性化・健康/福祉・子育て/教育・市民活動の推進などについて、大阪市と吉本興業が連携して行うというもの。分かりやすく言えば、広報活動、イベント、公演開催、公園の管理などに芸人を配置起用することです。
・吉本興業ホールディングスの株式保有!
【在京のキー局】
フジテレ 12.13%
テレビ朝日 8.09%
日本テレビ 8.09%
TBS 8.09%
テレビ東京 4.04% (40.41%)
【在阪のテレビ局】
朝日放送 2.51%
MBS 2.02%
関西テレビ 1.01%
読売テレビ 1.01%
テレビ大阪 0.40% ( 6.95%)
テレビ局だけで吉本興業の50%近くの株を保有。言ってみれば、吉本興業というのは、各テレビ局の「共同子会社」のようなものであり、下記の図式になります。
テレビ局 ⇔ 吉本興業 ⇔ 大阪市/大阪府(維新)
テレビのワイドショー、情報番組では、吉本興業の芸人タレントが必ず多数出演しており、橋下徹・維新創業者、松井一郎・大阪市長、吉村洋文・大阪府知事の3人を、露骨に持ち上げます。特に吉村知事に対しては、若さとイケメンとスピード感ある話っぷりから、「吉村知事はよくやっている」「吉村知事は気さくでいい人だ」と異様なほどの絶賛の嵐。視聴者は、知らず知らず、まるで「洗脳」のシャワーを浴びているようでもあります。
政治家や政党が、テレビ局と特別な関係を結ぶということは、政治に関して公平な報道ができないということです。これは、維新側にも、テレビ局側にも、吉本側にもモラルが問われるのではないでしょうか。
・大阪の政治状況を一言で言えば「維新一強」「なんでもあり」でしょうか。まさしく、維新のTVジャック、メディアジャックはあきらか。元日に放映された「東野&吉田のほっとけない人」(毎日放送:司会:東野幸治・ブラックマヨネーズ吉田敬)というトーク番組をごらんください。ゲストは、維新の橋下徹・元大阪市長/大阪府知事、松井一郎・大阪市長、吉村洋文・大阪府知事の3人、お互いに維新の政策を自画自賛する垂れ流し番組でした。
3人とも日本維新の会の超幹部であり、番組は放送法に基づいて政治的公平性を保たねばならないにもかかわらず逸脱しているのではないかとの指摘を外部から受けて、同局は調査チームを発足。結論は「担当者の政治的公平性に対する認識が甘く、番組内でのバランスのとり方が極めて不十分であった」と発表しました。メディアにおいては、電波は国民のものであり公平性を保つ見識を持つべきではないでしょうか。現状ではあまりにも常軌を逸していると考えます。
・ワクチン接種の闇。(週刊新潮3/17より)通常ではありえない量のワクチン供給を受けた維新支援者のクリニックが判明しました。接種費用は1回あたり2,070円、補助金が3,000円、合計5,070円。対象クリニック名は「ただクリニック」(診察室わずか2部屋のみ/個人経営のクリニック規模)、5月24日~10月4日までの供給量は19,890回分(17箱分) ≒1億円。他と比較して突出した数量であり、疑念を抱かざるを得ません。
(回分) (箱数)
ただクリニック 19,890 17
Aクリニック 8,190 7
Bクリニック 9,360 8
Cクリニック 9,360 8
Dクリニック 5,850 5
Eクリニック 9,360 8
闇ですね! おまけに、日本維新の会・参院国対委員長・東徹参院議員は、あろうことか、SNSに動画をアップ。医療従事者からの厳しい声は「ワクチンを打つか打たないかといったことはかなり慎重に扱わなくてはいけない個人情報で、非常にセンシティブなものです。そのためほとんどの接種会場で撮影は禁止となっています」と。著しく社会常識を欠く維新の議員、それも国対委員長とは…。
・次にtwitterに投稿された写真をごらんください。大阪市の保険福祉センターの生活保護申請書の「履歴書」の見本として配られていたものですが、何か違和感がありますね…。
通常であれば「大阪 太郎」と書きますが、実際は「パソナ 太郎」となっています。あり得ない話だと思います。
パソナは大阪市から「約5.9億円」業務委託料を受け取っており、市役所を自分の会社だと思ったのでしょうか、まさしく、私物化、癒着の構造を疑わざるを得ません…。
まだまだ沢山ありますが、とりあえず3点のみ拾いました。それにしても、粗雑極まりない維新の政治家、倫理感を欠くメディア、同じく委託業者、緊張感のない行政、お互いに、もう少し誠実な生き方をしようではありませんか。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
同じ新聞・雑誌、同じテレビ、ラジオを視聴し続けていると、いつのまにか思考までが同調してしまう。特定のイデオロギー政党やその関連から発せられたものと意識していれば「自立した思考」ができるが、公共性の強い、特定の政治思想や宗教からの中立を謳っている大手メディアの発信物は、子供のころから接していると、それが「正しい」「常識」と思い込んでしまう。朝日新聞を読み、NHK番組を見て、「天声人語」で受験勉強をする。昭和から平成半ばまで普通に観られた日本の光景であろう。その姿勢が常態化したことが戦後日本をエコノミックアニマルの「惰弱な言葉の達人、スネ夫の世界」を生み出し、憲法九条を唱えれば外国からの攻撃はない、平和な日本が守れるという「カエルの天国」を創り、保守党と言えない現在の自民党を創ってきた。思想や宗教、生活の形も含めて文化は多元的なのがいい。同一色にすべてを染められる中世のカトリック世界や現代のチャイナ世界はご免蒙りたい。東京文化とは異なる大阪文化だが、東京圏内のメディアの一色性も、大阪圏内の一色性もその地域の多様性を奪い過ぎている。もちろん国民を守る最大の国力は国民全体を覆う紐帯の強さである。その点で、日本国民を結束させる精神の拠り所であり、国民の辿り辿る祖先の歴史の具体的な存在の証としての「天皇」の存在は、憲法九条の精神を何十倍も超えて「日本の平和」を守る存在である。天皇を中心とする歴史的伝統文化の理解・共有は必須だが、それ以外は多元・多様な国であることが、外国人も評価する日本の国力の源泉である。
投稿: 齋藤仁 | 2022年3月25日 (金) 09時05分