ロシア、日本侵略を示唆 …“北海道”が危ない!
836回目ブログです
“大海の 磯もとどろに 寄する波 割れて砕けて さけて散るかも”
源実朝(鎌倉三代将軍)
大海の磯も轟き響けとばかり激しく打ち寄せる波は、割れて、砕けて、裂けて、しぶきをあげて飛び散っているよ…。
力強い躍動感に満ちた歌。三代将軍・源実朝の万葉調に溢れた名歌と称されています。気分の落ち込んだ時には、このような和歌を読めば自然にこころが落ち着き、精神に気合が入ろうというものです。
さて、国際情勢は、ロシア・ウクライナ戦争が膠着したまま、各地でロシア兵による残虐な殺害が露見し、まさにジェノサイド(大量虐殺・民族虐殺)として世界より非難を浴びています。
今後、いつ休戦し、いつ停戦にまで行き着くのか情勢は混沌としたままですが、このような時、ロシアの高官から極めて重要な発言が飛び出してきました。そのことについて考えていきたいと思います。
■ 『我々は北海道に対する権利を持つ』
下院はロシアの北海道への権利を発表(ゲイ・ミロノフ下院副議長)
「どの国も、必要に応じて、隣国に対して領土問題を提起し、その観点からこれに対する確固たる正当性を見つけることができます。最近まで、千島列島に関してそのような願望を示したのは日本だけでしたが、多くの専門家によると、ロシアは北海道の島に対するすべての権利を持っています」「日本の政治家が、第二次世界大戦の教訓と関東軍の運命を完全に忘れていないことを望みます。そうでなければ、彼らの記憶を呼び起こさざるを得なくなる」
2022/4/4 REGNUM通信
ロシアがウクライナを侵略している最中、有力政治家が日本の北海道に対する権利を保有していると発言しました。まさか、攪乱のためのフェイクニュースかと思いましたが、ウクライナ人の政治学者グレンコ・アンドレー氏は“ロシア語の原文を確認しました。本当に言っています”とTwitterで述べていますので、フェイクニュースではありません。
また、「日本人は関東軍の運命を忘れたのであれば、それを再現してやろうではないか」とも言っていると述べています。
関東軍といえば、戦前に存在した大日本帝国陸軍の総軍の一つ。中国東北部の関東州を守備し、満州事変や満州国建国にも大きくかかわった存在として知られますが、1945年8月のソ連対日参戦によって壊滅しています。
わが国は、3月18日、ロシアのウクライナ侵略に関連して、欧米の経済制裁に同調した制裁を課し、その後拡大しました。これに対してロシアは日本への反感を強め、ロシアは日本との平和条約交渉を拒否。北方領土へのビザなし交流の停止、北方四島での共同経済活動からの撤退なども表明しています。
そして、ロシアによる制裁はこんなものでは済まないのではないかという声が上がっています。それは、2018年、モスクワで開かれた人権評議会でプーチン大統領が示した「アイヌ民族をロシアの先住民族に認定する」という発言です。(ロシア・プーチン・人権とは、お笑いの三題話と言うべきでしょうか)
しかし、この問題は極めて深刻です。今回のウクライナへの侵攻が「自国民の保護のため」だったのと同じく、日本へは「アイヌ民族の保護」などといった名目をでっち上げ、北海道に侵入、侵攻、侵略してくる可能性も考えなければなりません。
確かに、先年、道内で活動しているあるアイヌ団体が、北方領土をアイヌ民族の自治州あるいは区にして欲しいなどとする要望書を、プーチン大統領に対して出していたこともあり、それを、ロシアに逆用された可能性も考えられます。スパイ防止法のないわが国で、工作員らによる反日、親ロシアの動きがますます活発化することを阻止しなければならないのではないでしょうか。
北海道が風雲急を告げてきました。判断を間違えればウクライナの二の舞になることは必至ではないでしょうか。わが国の防備はどうなっているのか、ウクライナの教訓を参考に考えて見ましょう。
① 核兵器なし。(米国の核シェアリングもなし)
② 軍事力。(核・ミサイルはロシアが圧倒)
③ 軍事同盟あり。(日米安保は果して機能するか)
④ 国民の自立、防衛意識。(極めて薄く、お花畑が多い)
何か、お粗末なような気がしてきました。国民の間には70年間の緩い気分が横溢したまであり、「危機の時代」を鋭敏に感じているようには見えず、まだまだ危機感に乏しいのではないでしょうか。
そんな時、ロシア軍は、3月10日~11日にかけて、ロシア海軍の艦艇10隻が津軽海峡を通過しました。国際法上、領海は12海里(22㎞)まで設定できるのですが、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道および大隅海峡の5つは「特定海域」として3海里(5.5㎞)に狭めて設定したのです。これは非核3原則の持ち込みに反しないようにするためでした。しかし、今や、中国やロシアの艦船が、日本国土の目と鼻の先の津軽海峡を堂々と通行することを許したまゝになっているのです。今ある危機を考えれば、緊急に特定海域は外すべきではないでしょうか。危機感に欠ける政府、国会の怠慢は明らかだと思います。
また、2月には日本海とオホーツク海でロシア軍の艦艇24隻による異例の大規模演習が確認されています。ロシアが着々と軍事圧力を掛けつつあることを認識しなければなりません。
それにしても、わが国の国会議員やTVコメンテーターには、ロシアの残虐行為や非戦闘員への攻撃、ジェノサイド、などに対して厳しい非難を加えず、ロシアを擁護する姿勢が目立ちます。先年まで、市長・知事をつとめた、ある有名コメンテーターはウクライナに対して「命が大事。早く降伏せよ。ロシアには到底勝てないんだから。戦争は津波対策と同じ。」と何の脈絡もない無責任な投降をすすめる始末です。また、北海道を代表する某国会議員は、ロシアの虐殺行為を前にしても、「ロシア命」の姿勢を崩さず、今も強力に擁護しています。何かあるのでしょうか、合点がいきません。
彼らには、ロシア(含旧ソ連)の残虐性について無知すぎるのではないでしょうか。たとえば、スターリン粛清、シベリア抑留、アフガニスタン殺害、チェチェン虐殺、など、過去の歴史をもう少し勉強してから発言してほしいものです。
最後に…。
ロシア、日本侵略を示唆 …“北海道”が危ない! 深刻に考えるべきではないでしょうか。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
北海道に関するロシア側の威嚇発言は歴史を忘れさせられた日本国民に対して警鐘を鳴らしてくれた「敵失」の発言。彼らはシベリア抑留の件も自慢していたが、北方領土問題やヤルタ秘密協定なども含めて、ソ連ロシアの非道無法を日本国民に再認識させる機会を提供してくれた。第一に、ヤルタ秘密協定は国際法上合法と見なされていない。協定を結んだアメリカ自身も議会が秘密協定を無効としている。第二に、日ソ中立条約は破棄を通告してから一年間は効力をもつと規定されていたもので、国際法上ロシアが手にした領土や権益は無効であり、南樺太も千島列島もロシアの不法占拠が現在に至っているだけだ。第三に、日本はポツダム宣言を受け入れて8月15日で停戦し、満州・朝鮮にいた日本軍は違法なソ連軍に対してほとんど無抵抗の状態で捕虜とされ、抑留されながら労働させられた。若し終戦間近の日本軍であっても、応戦していたならソ連の苦戦は免れなかっただろう。事実、ノモンハン事件も日本側よりソ連側の方が被害率が高かったことが明らかになっている。攻撃できるものなら攻撃してみろ、である。わずか20万そこそこの自衛隊であっても、ウクライナ軍よりはるかに強いことは間違いない。地上、海上、空中で勝てるモノならかかってこい。局地戦の一つ二つで日本が敗れるなら敗れたほうが日本国民の覚醒につながり、結果的に日本の軍事力を格段に上げることになるだろう。技術力も経済力も日本より数段低いロシアが威張れるのは核爆弾を保有していることだけである。戦術核を用いた時の効果比を考えれば、使えば世界中が日露問題に関心を寄せる。その結果、北方領土だけでなく、樺太や満州・朝鮮を含めた日露の歴史に世界中が関心を高まる。韓国民も19世紀以降の歴史の事実を学ぶ機会となる。また樺太と千島列島の本来の所有国はどこかも話題となる。なお北海道とアイヌ問題も取るに足りない。北海道にアイヌ人と日本人が混住していただけのことであり、しかもアイヌ人が北海道に移ってきたのは十世紀以降のことである。日本列島には数万年前から原日本人の縄文人が定住し、さらに大陸系の弥生人が入ってきて縄文人と弥生人が混住して日本人となり日本国が誕生している。アイヌ人はイヌイットと称される人々と同じで、国家を成していた民族集団ではない。いずれにしても開国以来、ロシアが日本と友好であった時代は無に等しい。幕末から日露戦争に至るロシアの東漸・南下の領土拡張と、ロシア革命後の世界革命運動、そして戦後の核脅威の冷戦。明治以降の日本の外交はロシアの侵略をいかに防ぐかが最大の課題であり続けてきた。その事実をロシアの対日侮蔑発言が再認識させた。彼らの攻撃発言は大歓迎である。芸人ばりに言葉を駆使するだけで中身の空っぽな橋〇等のコメンテータ、世界が戦禍に喘いでも日本が平和でさえあればという座敷犬状態に甘んじている日本国民、そして政権与党の議員たちに「生々しい歴史の現実」を教えてる希少な存在である。
投稿: 齋藤仁 | 2022年4月16日 (土) 09時36分