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2022年5月20日 (金)

ウクライナは「他人事」ではない!

 841回目ブログです

20225201

 “卯月ばかりの若楓 すべて 
       よろずの花 紅葉にまさりて めでたきものなり”
                吉田兼好『徒然草』139段

 卯月(4月末~6月初)頃の青紅葉は、あらゆる花にも紅葉にも優ってすばらしいものだ…。

 青紅葉(若葉の萌え出ている楓)が目に鮮やかな色をわたしたちに見せてくれています。今の時点で、鮮やかな青が秋には真紅の紅葉に変わることを想像することは出来ませんが、期待は大いに膨らむものです。

 今日も、侵攻するロシア軍にウクライナ国民が耐え忍んで抵抗を重ねています。わたし達日本人は、この事態をテレビやスマホニュースでその画像に視入るばかりであり、ややもすれば「他人事」(ひとごと)に感じているかも知れません。

 しかし、日本にとってウクライナの危機が、台湾、及び、尖閣を含む日本有事の前に生じたのは、ある意味で天佑神助、天の助け、地祇の助けでもあります。天は、日本人に “ 覚醒 ” を促しており、それに応えなければ日本は危うくなるかも知れません。

 そうしないためにも、安全保障・国防、エネルギー、食糧、などを他国に安易に依存すべきではないことを肝に銘じなければならず、わたし達日本人は、戦後70数年間、惰眠を貪ってきたことを真剣に、深刻に反省しなければならないのではないでしょうか。

 1992年、アメリカの政治経済学者フランシス・フクヤマは、著書『歴史の終わり』で、民主政治が政治体制の最終形態であり、安定した政治体制が構築されるため、政治体制を破壊するほどの戦争やクーデターのような歴史的大事件はもはや生じなくなり、この状況を「歴史の終わり」と呼びました。

 また、1996年、アメリカの国際政治学者サミュエル・ハンチントンは、著書『文明の衝突』で、冷戦後の世界の紛争は文明間の紛争になり「歴史は終焉しない」と主張しました。

 現状の国際社会を眺めれば、残念ながら紛争は無くならず、“ 歴史は終わらない ”ことを明確に示しています。

 しかし、フランシス・フクヤマは現状を以下のように認識しています。

 自由主義の秩序は、プーチンの前からポピュリズムや独裁者など社会の左右から攻撃を受けてきた。
 ウクライナの危機は自由な世界秩序を当然視できないことを明確にした、闘わねば消滅する。
 プーチンが負けても自由主義の「仕事」は終わらない、その後に中国やイラン、ベネズエラ、キューバ等が控えている。
 自由主義の精神はウクライナで生きている、その他の国の我々も徐々に覚醒している。

 これを見れば、フクヤマの自由主義への強い信念と中国など反自由主義国に対する強い危機感が印象的です。(4/8WEDGE Infinity)

 果たして、時代はどのように展開していくのか、皆目見当が尽きませんが、わたし達は、ウクライナを対岸の火事として見るのではなく、生きた実例としてわが国に活かしてゆくべきであろうと考えます。

 わたし達日本人は「危機」と言えば、災害を想起します。地震、津波、台風…これらへの警戒感はそれなりにありますが、「大規模のテロ」や「北朝鮮のミサイル攻撃」などの人為的な危機に対する警戒感は持ち合わせていません。したがって、自然災害には備えても、人為的災害には無防備だということになります。わたし達日本人は、もう少し、大規模テロや侵略戦争に目を開くべきではないでしょうか。

 例えば、核シェルターについて見てみましょう。

  【核シェルター普及率】
  スイス    100%
  イスラエル  100%
  ノルウェー   98%
  アメリカ    82%
  ロシア     78%
  イギリス    67%
  日本       0.02%
    (各国の人口あたり・2014年)

 ここに、大きな問題点があることを認識しなければなりません。つまり、日本の武力攻撃事態における避難所は皆無と言ってもよいのです。東京には地下鉄の駅が多いという声もありますが、空調設備や食料等の備蓄は不十分。(参考に、韓国のソウル市には人口の3倍の地下シェルターがあり、食料や水、一部の武器、ガスマスク、子供用も含めた防弾チョッキなどを備蓄)

 もちろんのこと、今求められていることは、軍事・防衛費を早急に1.2%から2.0%に増やすことであり、核シェルターなどはその後になります。

 日本を攻めてくる可能性がある国(=日本周辺で軍事演習をしている国)は、中国・ロシア・北朝鮮・韓国であり、わが国の隣接国家はすべて危険な国ばかりということを肝に銘じておかねばなりません。

 一瞬の油断もならないことはウクライナで学んでいるところです。例えば、ロシアがウクライナを侵略している最中、ロシアの有力政治家・ミロノフ下院副議長は『ロシアは北海道に対する権利を保有している』と発言。さらに、プーチン大統領は『アイヌ民族をロシアの先住民族に認定する』言明。いよいよ北海道を含む北方領土に爪と牙を伸ばしてきました。

 第二次大戦後、ソ連は日本を「北海道+北方4島」のトータルを2分割して統治することを画策しましたが、米国に拒絶され幻の統治案となりました。日本に幸いしたことは言うまでもありません。ソ連案になっていれば現在の南北朝鮮と同じ運命になったでしょう。つまりは、ロシア(旧ソ連)がしつこく北海道を狙っていることを忘れてはならないのです。

 ロシアのウクライナ侵略を踏まえて「日本の弱点」を考えて見ます。

  核兵器を保有せずの弱点を克服する。
     ⇒替わりに日米安保体制を盤石にすることが肝要
     ⇒非核3原則の撤廃
  防衛力の時勢にあった拡大強化が必要。
     ⇒GNP比1.2%を2.0%にアップ
  自国の防衛は、まずは、自国で対処する覚悟をもつこと。
     ⇒そのために、早急に本格的な憲法改正を政治日程化する
  【お花畑】憲法9条教・観念的平和論・日米安保破棄論…の打破。
     ⇒メディア、教育、文化人の幻想を打ち破る勇気を持つ

 私たちは、できるだけ想像力を働かせ、戦争の背景にある厳しい実態を認識し、わが国の繫栄と防衛に力を入れなければならないのではないでしょうか。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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