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2022年6月10日 (金)

ウイグル人弾圧…中国「新疆公安文書」流出の衝撃!

 844回目ブログです

20226101

“かくばかり ことしげき世に たへぬべき 人をえたるが うれしかりけり”
                   明治天皇御製(明治37年)

 これほどまでに様々なことが起こってくる時代に耐えられる人材を得られたことは大変嬉しいことである…。

 ロシアのウクライナ侵略がとのように決着がつくのか予測さえつかない情勢ですが、マスコミでは国際問題と言えばロシア・ウクライナ問題一色の感があります。しかし、忘れてならないのは、中国での人権問題であり、そのおぞましい姿が先日報道されました。

新疆の内部資料が大量流出 収容所の「衝撃的」実態浮き彫りに

 中国当局から流出した新疆ウイグル自治区に関する数万点の内部資料が、5/25公開された。資料には数千枚の写真や公文書が含まれ、同自治区でウイグル人などの少数民族が暴力的な手段で収容された実態が改めて浮き彫りとなった。
 新疆ではウイグル人ら少数民族100万人以上が収容所や刑務所に収容されてきたとされるが、中国政府はこれら施設を職業訓練所としており、強制収容の事実を否定。
 だが、公開された写真や文書から、習近平国家主席をはじめとする政権上層部の厳しい取り締まりが示されている。
           (5/25 jiji.comより一部引用)

 従来より、中国のウイグル人に対する弾圧や虐殺、100万人の収容所送りの実態について、時折報道されていましたが、中国政府は一貫してその事実を全否定してきました。

 ところが、今回の「新疆公安文書」は半端なく膨大な資料であり、衝撃的な事実を浮き彫りにしました。この文書については、AFP(仏)、BBC(英)、仏紙ルモンドなどの報道機関によって信憑性が確認されています。

 小ブログでも、過去、数回ウイグル人弾圧について記しましたが、改めてその実態に触れてみたいと思います。(福島香織女史の論稿を参考)

 中国共産党によるウイグル人迫害の新たな証拠となる公安内部の文書や写真を集めた「新疆公安文書」は、米NPO「共産主義犠牲者記念財団」上級研究員のドイツ人ウイグル問題研究者、エイドリアン・ゼンツ氏により公表されたものであり、新疆公安当局のシステムに対する第三者のハッキングによって流出した機密文書

 【ファイル】
  政策文書
  スピーチ原稿
  2,800人以上の収容者の写真、
  23,000人以上の収容者データ
  300,000万人以上の個人データ
  収容施設における警察の活動や武器などの膨大な写真や情報

 これまで、ウイグル人弾圧に関する内部文書のリークの多くは、ウイグル官僚が良心に基づいて人づてに海外に流出させたものだが、今回のものは地域の警察内部のネットワークに保存されている内部資料であり、量、質とも桁違いである。

 新彊におけるウイグル人ジェノサイドが習近平総書記の肝いりの指示であることが判明。強制収容施設から逃亡しようとするウイグル人に対する射殺命令殺人許可なども含まれており、想像を超えるすさまじさに国際社会が震撼している。

 手錠と足かせをつけられて頭に黒い袋をかぶせられた男がこん棒をもった警官に連行される写真、銃を構えた迷彩服の武装警官が物々しく警備する鉄檻の施設・・・。そして年端も行かぬウイグル人少年少女から老人までの強制収容者の顔写真・・・。新疆警察文書には、新彊で今世紀最大規模の民族ジェノサイドが侵攻中であることの膨大な証拠が集められていた。

 「新疆公安文書」の公表時は、国連人権高等弁務官のミシェル・バチェレの調査チームの訪中するタイミングあり、中国の人権弾圧問題を提起する格好の材料だったが、弁務官は「新疆訪問はウイグル人の人権を調査することではない」と人権問題をスルーしたのです。習近平主席に篭絡されたとしか思えず、国連「人権」高等弁務官を名乗ることを止め、国連弁務官と名乗るべきであり、国連の信頼は地に落ちたというべきではないでしょうか。

 新疆ウイグル自治区書記・陳全国のリークされた原稿から「講話」ヲ引用します。

 『強制収容所においては、五防(トラブル、逃亡、地震、火災、感染の予防)を、ひとつとして失敗してはならない。誰であっても、このコントロール監視を逃れようと思えないように、何重にも防衛線をしき、鉄壁で囲み、それでもアクションを起こすなら(コントロールから逃れようとするならば)発砲せよ』

 『軍警兵民は気を緩めることなく、誰であれボトムラインに触れる者には攻撃を加え、7.5暴動(2009年7月5日のウルムチ騒乱)を二度と繰り返すな。誰であれ戦を挑む者は先に斃し(落命させ)、事後報告後でよい』

 『7人で警備し、そのうち2人が銃を持つこと。逃げ出そうとしたらまず言葉で制止し、警告に従わねば威嚇発砲し、それでも言うことを聞かないようなら即銃殺せよ』

 『「4つの打破」をパーフェクトに行えたことに祝意を表す』

   【4つの打破】とは、
    ウイグル人の根源を打破し
    ウイグル人の血統を打破し
    ウイグル人の関係を打破し
    ウイグル人の起源を打破する。…という意味です。

 これは民族の遺伝子を抹殺することであり、これを“ジェノサイド”といわずして何と言えばよいのでしょうか。

 身の毛もよだつ民族抹殺の思想、それをもとに収容所はもとより、新疆ウイグル自治区内の全てにおいて、厳格な管理体制、厳しい懲罰、民族言語の排除、宗教・文化への圧力、自由の剥奪、人間性の否定、人権の完全無視、断種、拷問、銃殺、…ヒトラー、スターリン、毛沢東と並ぶ極悪非道、鬼畜の振る舞いと言わねばなりません。

 ここまでくると、国際社会も動き始めました。英国外相、ドイツ外相らは早速この証拠をもとに中国を非難し、中国の王毅外相に調査を行うよう要請しました。さすがに欧州は動きが早いですね。

 ところで日本政府はどうなっているのでしょうか。中国の新疆ウイグル人に対する、苛斂誅求なる人権弾圧、えげつないジェノサイドについて、わが国は、対中非難も、対中制裁も、一切行っていないのです。国会もしかり、国内人権団体も口をつぐんでだんまり。果たしてこのままでよいのか!

 いいかげん、怒りを爆発させなければなりません。

 日本は道徳を誇る国ではないのでしょうか。事ここに至れば、薄汚いイデオロギーを離れ、まことの人間として、人権について堂々と主張しようではありませんか。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

ウィグル人に対する種々の虐待・虐殺が過去形ではないことは収容所が閉鎖されていないことから明らかである。数十万人に及ぶ収容所や名前を変えた関連施設を閉鎖して、ウィグル人を帰宅させれば、どんな情報が世界に発信されるか、中国政府はそれを恐れているだろうが、現地でウィグル人を管理している漢人関係者らは中央からの処罰のほうがもっと怖いからウィグル人やその家族・親戚の監視がさらに陰湿なものになることが目に見えている。この件で特に問題とすべきは、第一にわが国の国会の場でこの問題を取り上げて議論されることがほとんどないことであり、第二に日本の新聞や地上波テレビが大々的に報道して問題視しないことである。第三に国外で国際法を無視し、国内で人権を無視した政治を続けている中国を国連の安保常任理事国としていることを日本政府も国会もマスコミも問題視しないことである。五大常任理事国というが、その実態は国際的なマフィア、ヤクザ組織の組長ではないか。組長なら何もやってもいいという現在の国連組織も併せて大々的に報道し、国会で議論すべきである。アメリカを信頼し、国連に一国の安全を託し、ソ連・中国・北朝鮮を平和国家としてきた戦後。考えてみれば戦前のわが国はアメリカの挑発に堪忍袋の緒が切れて対米戦に突入したが、挑発に乗らず隠忍自重の道もあったかもしれない。だが対米戦の軍事費を軍事費を認めたのは当時の国会議員である。軍部が怖かったかもしれないが、としたら戦後の現在、国会議員は何を恐れて発言しないのか。中国が尖閣諸島を侵略し、ロシアが不法占拠中の北方領土から日本をしきりに刺激しても、国会の場で国防増強を語る議員も少ない。戦前の朝日新聞と現在の朝日新聞の論調を映し絵にしたような国会議員である。昭和20年に軍部を煽り続けた朝日新聞とともに滅んだ大日本帝国、今度は令和の朝日新聞とともに戦わずして無法国家のために日本国が沈むのか。

投稿: 齋藤仁 | 2022年6月10日 (金) 08時57分

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