『国のために戦いますか』…日本人の「はい」率は?
846回目ブログです
君が代は広く人々が愛誦してきた
長寿の雅歌であり
万葉集からの伝統を継ぐ
まさに真珠のごとき愛の歌を
日本人は宝としつゞけるのである
令和三年弥生 中西進
ロシアによるウクライナ軍事侵略から4ヶ月を超えようとしています。ロシア、ウクライナの双方が疲弊しているように見えますが、はたしてどのような結末を迎えるのでしょうか。
このような時、世界の各国とも国防、軍事に大きな関心をもっていることが調査データに表れています。しかしながら、唯一、わが日本国だけが “例外” であること、それも極めて特異な数値を明瞭に示していることに注目しなければなりません。
とりあえず、調査データを覗いてみましょう。
「世界価値観調査」から。世界数十カ国の大学・研究機関が参加し、各国国民の意識を相互比較する「世界価値観調査」ものであり、1981年から、また1990年からは5年ごとの周期で行われている。(ただし最新調査は7年経過したもの)サンプル数は各国18歳以上、男女1000~2000人、
日本語での設問文の全文は『もう二度と戦争はあってほしくないというのがわれわれすべての願いですが、もし仮にそういう事態になったら、あなたは進んでわが国のために戦いますか』となっており、各国の調査票も同様です。
【国のために戦いますか】2021.1.29 単位:%
はい いいえ わからない
(1)日本 13.2 48.6 38.1
(2)リトアニア 32.8 42.8 20.0
(3)スペイン 33.5 55.3 9.8
(5)イタリア 37.4 45.0 13.9
(10)ニュージーランド 40.9 33.0 26.1
(14)ドイツ 44.8 40.6 12.2
(16)オランダ 46.7 40.8 11.8
(26)オーストラリア 56.9 40.8 ―
(27)ウクライナ 56.9 25.5 16.6
(30)米国 59.6 38.6 ―
(31)スイス 59.9 34.4 3.4
(32)エストニア 61.3 24.7 7.4
(35)英国 64.5 31.9 3.3
(38)フランス 65.6 28.1 5.6
(40)韓国 67.4 32.6 ―
(45)ロシア 68.2 22.0 9.1
(49)ポーランド 72.6 20.0 7.3
(52)デンマ―ク 74.6 23.3 2.0
(53)フィンランド 74.8 18.3 6.1
(57)フィリピン 76.0 24.0 ―
(58)トルコ 76.4 19.2 3.6
(60)台湾 76.9 23.1 ―
(65)スウェーデン 80.6 15.6 3.0
(70)ジョージア 85.3 13.0 1.3
(73)インドネシア 86.4 12.8 0.8
(74)ノルウェー 87.6 10.4 1.9
(75)中国 88.6 10.2 ―
びっくり仰天! “国のために戦いますか” はいの回答「日本」13.2%、断トツの悲しい1位。わが日本の現状認識と意識は、諸外国と比較して余りにも乖離があり過ぎるのではないでしょうか。現状認識と意識には深い関係があり、おそらくは現状認識の甘さが意識の緩さに影響していると考えられます。
取り敢えず、分かりやすい例で見ましょう。今、北欧のフィンランド、スウェーデンがロシアの侵略に備えて北大西洋条約機構(NATO)に5月18日加盟申請しました。
北欧三国が、ロシアからの侵略をいかに脅威に感じているかを「国のために戦う」数値から窺がうことができます。74%~88%という数値、それに比してわが日本の数値は13.2%。 北欧と日本との驚くべき数値の差異に深いため息をつかざるを得ません。
北欧三国の「国のために戦う」姿勢をよくご覧ください。
●(53位) フィンランド 74.8%(NATO未加盟)
●(65位) スウェーデン 80.6%(NATO未加盟)
●(74位) ノルウェー 87.6%(NATO加盟済)
対して、日本の「国のために戦う」姿勢は、
● (1位) 日本 13.2%
主権国家「ウクライナ」が大国ロシアの侵略に晒されている現実を見れば、フィンランドおよびスウェーデンが国家防衛の実をあげるために、NATOへの加盟に踏み切ったことは素晴らしい外交戦略であると言わねばなりません。
それに引き替え、中国・北朝鮮・ロシア・韓国の近隣周辺4ヶ国から連日の如く脅迫を受けている「日本」は、「国のために戦う」姿勢としてわずか13.3%の国民しか有していないという実態に愕然とさせられます。
中国の軍船は連日の如く尖閣周辺を遊弋し脅しを加え、北朝鮮は精度の高いミサイル発射を重ね軍事力を誇示しています。ロシアもしかり、韓国もしかり。わたし達日本人は、これだけ周辺国から軍事的脅威を与えられても何の恐怖も覚えないのでしょうか。あまりにも不甲斐ないとともに、不感症の体質になってしまっていることに深い絶望を覚えざるを得ません。
日本が、なぜこのような体質になっているのかを考えて見ると、①憲法に他国にはない戦争放棄条項を有している、②日教組の影響、③若者の軟弱さ、④愛国心の欠如、⑤戦争は悪とたたき込まれた「戦後民主主義」の洗礼(=中高年の国防意識の衰え)、が考えられると思います。
であるとすれば、いよいよ参議院議員選挙、今は「時代の屈折点」、戦後政治の抜本的見直しを期し、勇気ある参議院議員に投票したいものです。…日本のために!
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
戦争が起きたとき「国のために戦う」と答えた数の低さに国内の左派政党やメディア・日教組は平和教育と反戦運動の成果だと満足しているだろう。ただし、彼らの思考は現実と乖離したイデオロギーという平和・反戦という言葉だけの観念の世界に閉ざされている。それは彼らの実生活を見れば明らかである。平和や反戦を愛するはずの全学連や労組・日教組などの組織の中で醜悪な闘争と非難・裏切りを何度も経験し、私的生活でも平和・反戦の精神とは裏腹の言動を繰り返してきたことだろう。このアンケートの回答者も「国のために戦わない」という言葉を、NHKなどのメディアが繰り返してきた言葉遊びに反応しただけだと私はみている。すなわち「戦争」という言葉が戦後の日本では「平和・反戦」という洗脳された観念的用語の一つに堕してしまっているということだ。祖国や故郷、家族という具体的な守りたいものを思い浮かべることもなく、「戦争=悪=反戦」という連鎖反応で回答したということだ。ソ連や中共などの社会主義国が用いてきたパブロフの「条件反射」方式洗脳の成果だといえよう。ただしイデオロギー政党や宗教団体の中で洗脳された観念的平和論や幸福論は、現実として目の前で地域の「平和」がかき乱されたり、家庭の「幸福」が潰えていくのを目の当たりにすると、正常な人なら洗脳は自然と溶けて消える。「戦わない」と答えた日本人も現実に日本に侵略する敵国の砲火を眼にすれば、洗脳は溶けて、「戦うか逃げるか」、「逃げるとしたら日本列島からどこへ逃げるか」、「はるか太平洋の向こうアメリカへ。それとも近い朝鮮半島へ」、「あの朝鮮半島へ、まさか」と具体的な自問の連続の末に具体的な答えが出てくるだろう。アジア大陸に親戚を持つ帰化人は大陸に脱出すればよいが、一億人がアメリカへ脱出することは不可能である。日本国民は戦争が起きたら戦ってこの列島を守るか、列島に骨を埋めるしかない。「ウクライナの国民は国外に逃げろ」と叫んだ橋下氏は戦後教育の申し子の典型だろう。
投稿: 齋藤仁 | 2022年6月24日 (金) 08時44分