今、再び、カルトに注目しよう!
851回目のブログです
“山かげや 岩もる清水の 音さえて 夏のほかなる ひぐらしの声”
慈円(天台座主・千載和歌集)
この山蔭にいると、岩を漏れ落ちる清水の音も冷たく澄んで聞こえ、また夏とも思えぬ蜩の鳴き声までが聞こえてくる…。
いよいよ夏の暑い日がやってきました。最高気温が25℃を超えた日を「夏日」、30℃を超えた日を「真夏日」、35℃を超えた日を「暑猛日」と言いますが、今年は40℃を超える日もありますので、その時は「厳暑日」とでも言えばよいのでしょうか。
それにしても暑い日が続きますが、安倍元総理が凶弾に倒れた事件をめぐる不可解な動きが加わり、世の中を一層暑くしているのかも知れません。
安倍元総理の突然の暗殺、その因がどこにあるのか、メディアを眺めていても、隔靴掻痒、遠巻きから分析しているようであり、どのような結論が導きだされるのか暫く待たなければならないようです。警察庁では8月末に報告書がまとまると報じられていますが、真実を記した報告書を期待したいものです。
安倍元首相の政治家としての評価については、世界的な視点で見るべきでしょう。安倍氏の死去に際して259カ国・地域から弔意を受けるなど、まさに偉大な首相であったと言えるのではないでしょうか。
① 8年にわたる長期政権を築き“顔の見える”首相であった。
② 米、欧州、インド、オーストラリアなどの自由民主主義国の首脳から
深い尊敬を受けるとともに、中国、ロシアなどの独裁専制主義の首脳
からも一目置かれる稀有な存在感を発揮した偉大な首相であった。
③ 「自由で開かれたインド太平洋」構想、「アベノミクス」など
大胆な構想の展開。
④ 憲法改正、安保法制の整備など国家の基本政策を追求し続けた。
謎が謎を呼ぶ不可解な事件。①警備体制・SPの対応の欠陥、②殺人者のカルト宗教教団への暗い怨恨、それにかかわる肉親との関係、③カルトと政治家との歪な関係、宗教と政治の基本、④殺人者の精神と知能。⑤社会状況の深部。など問題点は尽きません。
ここでは、わたし達一般国民も巻き込まれる可能性のあるカルトの不条理について考え、カルトに誘引されないための注意点を記したいと思います。(みなさんの平穏な生活を守るための参考になれば幸せです)
今、メディアでは、犯人およびカルト(旧統一教会)と政治家の癒着について騒がれています。欧州では、「カルト」とはカリスマによる狂信的宗教団体、「セクト」とは社会的に警戒を要する団体と規定。創価学会や世界基督教統一神霊協会などか認定されています。
【カルト宗教の定義】を国際的指標で見てみましょう。①精神の不安定化(洗脳、マインドコントロール)、②法外な金銭的要求(多額の寄付金要求)、③住み慣れた生活環境からの断絶(監禁、出家など)、④肉体的保全の損傷(暴力:精神的暴力も含む)、⑤子供の囲い込み(子供の洗脳教育)、⑥反社会的な言説、⑦公秩序の攪乱、⑧裁判沙汰の多さ、⑨従来の経済回路からの逸脱、⑩公権力への浸透の試み。
思い描いて見れば、洗脳・寄付・監禁・暴力・子供・反社・攪乱・裁判・経済・権力…、これ、まさしく現実にある現象、世の中には「カルト」宗教の蔓延がすごい状態になっていることを認識しなければなりません。
次に、【カルト宗教かどうかの診断方法】について
・脱会すると不幸になる、地獄に落ちると脅される
・寄付金を納めると幸せになれる、納入額が少ないと教団内で差別される
・子供の意思に関係なく、宗教に入会させる
・他の宗教を激しく批判、卑下、誹謗する
・教団が、特定の人物に対し監視・嫌がらせを行うよう会員に指示を出す
・会長、幹部の発言に暴力的な発言がある
・教団が、思想や政治的な選択を強制する
・教団を批判する市民団体、被害者の会、批判的ウェブページが多い
・政治的権力を重視している、国家に浸透する目的がある
家族が不幸にならないためには、「カルト」「セクト」に関わらないことが大切ですが、洗脳の度合いが深くなればなるほど回復さえ至難の業と言わねばなりません。そのためにも、下記をチェックし、早期対応をはかるべきです。
【洗脳度チェック】
〇 教団を批判することは許されない。
〇 教団のいうことは、すべて正しい。
〇 教団から反社会的なことを指示されたら、迷わず実行する。
〇 教団批判者を監視したり、嫌がらせをして、教団に貢献することは
当然である。
〇 子供の意思に関係なく、宗教に入会させる。
〇 生活を省みず、寄付を行う。
〇 友人、知人、遠い親戚へも勧誘をする。
〇 教団の会報誌や書籍を複数部所持している。
※1点でも該当したら、早めに宗教カウンセラーに相談してください。
3点以上該当したら、重度の危険性があり、
家族の協力を得て、直ちに治療を行う必要があります。
ご存じの方も多いと思いますが、キャスターの飯干景子さん(作家・飯干晃一さんの娘)は、世界基督教統一神霊協会(現世界平和統一家庭連合)に入信、洗脳されましたが、専門家や父親の飯干晃一さんらが懸命な努力を重ね、永年を掛けてやっと洗脳を解くことができたのです。
わが国の政界にはカルトが蔓延しており、由々しき問題を投げかけています。カルトは、社会を異様に不安にするだけでなく、ある意味で犯罪とも言えるのではないでしょうか。政治家には112人(自民党~野党まで・ほとんどが自民党)がリストアップされていますが、大きな社会問題を起こしているカルトからは距離を置くのが正しい対処の仕方だと考えます。
それにしても、公明党(支持母体:創価学会)の山口代表は、7/19、“政治と宗教の関係”について記者団から質問を受け、下記のような返答をしました。
「事件としての捜査が進展中なのでコメントは控えたいと思います。
今後状況をしっかり見極めたいと思っております」
このノーコメントに対しては大ブーイング。いただけませんね。与党の一角を占める大政党の党首であり、自党と支持母体の宗教団体との関係については明快に語ってほしいものです。
宗教問題は微妙。わが国の政治が溌溂さを失ってきているひとつの要因に宗教問題があるのではないでしょうか。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
ローマ帝国がキリスト教を国教として以来、西洋では政教一致の時代が長く続いたし、イスラム教の世界は今も政教一致が行われている。しかし一神教に染まった政教一致の中世でも、俗世の指導者としての国王と精神世界の指導者としての教会が併存していた。一神教世界の教皇が俗世の国王を兼ねていても、教皇の配下の組織と、国王配下の組織は別系統として必要なことはイスラム世界の現状を見れば明らか。人々が精神世界に求めるものと、現実の俗世に求めるものが異なるからである。そして精神世界は没社会的・個人の魂の問題であって、仮令他人と同じような悩みであっても語り合えるかどうかさえ難しい。一方、俗世の問題といえば富や健康・身の安全といった他人と共有できる、すなわち政治的に解決可能な問題が多い。宗教組織が俗世の政治も執り行うことの方が、政治組織が宗教儀式も行うことより円滑に事は運ぶ。民主主義は一つの政治システムであって、宗教団体がその政治システムの一要因になることはできても、システム全体を支配することは許していない。つまり特定の宗教政党が政権を握っても彼らの宗教を国教とすることは許されていない。創価学会即ち公明党の政治はそこに限定されているということだ。だが共産党のようなイデオロギー政党の場合はどうなのだろう。共産主義・社会主義は特定の宗教と似て、信者ならぬ国民の生活のあらゆる場面にイデオロギーによる規律がある。中国政府がウィグル人やチベット人に課している事細かな規律を見れば、それが中国だけでなく、かつてソ連でも、現在の北朝鮮などでも国民を生活上・精神上で縛る多くの規律を有することは知られている。中世ヨーロッパで「魔女狩り」や「異端者処刑」が頻繁に行われたが、スターリンのソ連や、毛沢東の中国でも頻繁に行われている。そして今も習近平の中国で。社会的事件を起こす過激な宗教団体をカルトとして対処することに大賛成だが、共産主義政党も同じような構造・体質をもっているのではないか。であればカルト政党と指定してもいいだろう。民主主義政治に従うなら「共産主義」とか共産党の看板は不要だろう。
投稿: 齋藤仁 | 2022年7月29日 (金) 08時26分